2005年12月の井上力
「市民所得10%アップ」と「格闘」しました

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日付

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12月31日(土) 1人あたり生産額は過去最高
12月25日(日) 民営化白紙撤回運動は越年
12月14日(水) 下方修正ビジョン
12月12日(月) 空港不経済計算
12月11日(日) 客積んで開港の日にテストする
12月7日(水) 数式化された子どもの「生産量」
12月1日(木) 朝一番の質問者となりました

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2005年12月31日(土)の井上力
1人あたり生産額は過去最高

23日、神戸市は『神戸市統計報告』NO.4を発行しました。「平成16年工業統計」です。経済産業省がまとめた速報値では、「出荷額、 付加価値額は2年連続増加、1事業所当たりの出荷額、従業者1人当たりの付加価値額は過去最高」です。

神戸市の報告では「製造品出荷額等の増は、全国(同3.8%)兵庫県(同4.9%)と同様の傾向にあるが、神戸市の増加率(5.3%・・・引用者)はこれらを上回った控えめに表現しています。

製造品出荷額で20年以上前の水準にありながら、倒産やクビ切りで事業所数も、従業者数も減り続けているから「過去最高」なのです。

自殺者を5千人減らすことが政府の目標となり、餓死者や家族の介護放棄で死者が出た1年でした。滞納で保険証がもらえず亡くなった人の数も報道されました。「下流社会」に続いて「搾取きわまる社会」という視点からの分析が必要です。

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2005年12月25日(日)の井上力
民営化白紙撤回運動は越年

中原保育所保護者会のホームページへのアクセスや書き込みが、また増えてきました。わがマイナーサイトはスタートから6年で4.5万、しかも読者は偏在していそうですが、中原保護者会のサイトは8か月で2万です。サイト管理者の能力・センスや保護者の熱意に敬意を表します。

市長選挙で候補者だった矢田立郎候補(当時)は公開質問状に回答して「全体計画を公表する。保育所民営化の数だけ明らかにする」と回答していました。対象保育所の保護者に「会わない」と宣言するとともに。

その約束どおり、12月7日の決算特別委員会では「5年間で20か所」と与党会派(第一質問者)に回答し、12月15日、福祉環境常任委員会前日に、'07(H.19)年度3か所の対象保育所を発表しました。21日にホームページ上にアップされました。  

保育所名 住 所
兵庫区 大同保育所 兵庫区大同町2丁目2−16
垂水区 千鳥が丘保育所 垂水区千鳥が丘3丁目23−25
西区 枝吉保育所 西区枝吉4丁目26

中原保育所保護者会のホームページへの書き込みには、久しぶりにTOMAS(THOMASではない)が現れ、「下品な個人攻撃」などと攻撃し、保護者会を怒らせています。同サイトへの書き込みから仕入れた情報では、民営化推進の立場でサイト(http://tomas.kt.fc2.com/)を管理しているほどの人で、やはり中原保育所の保護者ではなかったようです。

TOMASは、「教えてください」と保護者会に迫っています。

保護者会も団体ですが、様々な意見を持つあるいは持たない人々の集まりです。中原保育所保護者会が、ホームページ上でも「94%が白紙撤回を求めている」と自らを表現していることの重みを考えてみましょう。

様々な意見を持つ、あるいは持たない人の集まりでありながら、空港まで造れるのに保育所を守るカネがないと言っている神戸市にこそ、TOMASは、問いを発するべきです。もっと保育所を造れ、と。あるいは保育所をへらせ、と。「待機児童」とされ、認可外保育施設に預けるしか術のなかった保護者の怒りもわかります。認可外保育施設で働く保育士の怒りも理解しているつもりです。厚生労働省や内閣府や、そして神戸市にこそ、問いを発するべきではないでしょうか。

一般に、匿名でものを言うのは、それを希望する人々にとって謙虚な故の礼儀(「名乗るほどのものでない」という意味で)という意味もあります。発言をしても差し支えのない人の立場を、差し支えのある人に押しつけてはいけないという意味もあるでしょう。

TOMASさんが中原保育所保護者会の生い立ちや、その一人ひとりの顔や仕事を理解しようとせず、あたかも2チャンネル風に、あるいは国や自治体を相手にするのと同じトーンで「民営化のススメ」をされても、保護者会は困るのではないでしょうか。

保護者会は、かつてTOMASが書き込みを熱心にくり返した際、保護者なのかどうなのか、立場を示してほしいと掲示板に注意書きをしました。その後、「神戸市子育て支援部です」と名乗る書き込みもあり、動揺は広がりました。

掲示板という公開討論を呼びかけた中原保護者会の成功を、TOMASさんが遠くから応援してくださることを願っています。

*** * ***

あすの『おはよう』には、人口減少社会に突入した原因を小泉首相が「格差社会と無関係」「施策の失敗もない」と発言したことに触れ、保育所民営化問題を書きました。

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2005年12月14日(水)の井上力
下方修正ビジョン

きのうの決算特別委員会・総括質疑での質疑は以下のとおりです。答弁はなが〜かったので大幅に要約します。時間がなくなり文書回答を求めましたが、委員長は「答弁は適切に1字追加12月23日された」ということでした。

(1)
 '93年9月17日の全体議員総会に提出された資料、同年9月22日の『広報こうべ』臨時号、同年11月22日発行の『神戸空港ニュース第1号』、および同年発行された『神戸空港計画の概要』、これらのすべてに、「また実機飛行テストをおこない、これらを検証してまいります」と明記している。ところが1日にみなと総局が発表した「開港までのスケジュール」では、実機飛行テスト省略を公表した。市長として指導して、安全航行のためにも、また騒音問題の観点からも、実機飛行テストをするべきではないか。

(答)
実機飛行テストの代わりに伊丹へ住民を連れて行って騒音を聞いてもらった。実機飛行テストは必要ない。


(2)
 市長は2期目の就任にあたって市民所得10%増を約束した。しかし、神戸空港の経済波及効果は市内で3,970億円の所得増とされ、医療産業都市構想の市内所得誘発額はベクテル調査で5年目で315億円とされている。これだけで4,285億円だ。一方、平成14年度の市民所得は4兆1,268億円であり、この10%は4,126億円。こちらの方が額が小さい。
 今回の市長の約束は、これまでの約束の上にさらに10%増と言うことなのか。それとも下方修正なのか。

(答)
市民所得10%アップは市の中期計画「新たなビジョン」に、議論して盛り込んだものだ。


(3)
 外郭団体について今後とも独立性・自主性を発揮するという。しかしその一方で、派遣職員が団体運営の要に立ち、退職派遣職員の推薦は神戸市が行っている。事実上、外郭団体は市の子会社だ。
 団体固有職員の年齢、待遇、資格・能力などを掌握せずに自立も子会社化もない。掌握して再建に責任を持つべきではないか。

(答)
必要なときに調査すればいい。

(4)
 構造計算偽造問題で、市民に大きな不安が広がっている。良心的な設計者は構造計算を再チェックし、居住者・所有者に説明している。市長が開発業者や住宅販売業者に協力要請をするべきだと考えるが、どうか。

(答)
いまは国が色々している。あとで。

メモをとるのが苦手ですが、それだけではありません。もちろん正式の議事録ではありません。2月末ごろまでに市会のホームページにアップされますので、それをご覧ください。

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2005年12月12日(月)の井上力
空港不経済計算

神戸市が3月16日に発表した「市民経済計算」(市内総生産や市民所得)は、神戸の経済が長い下り坂を降り続けていて上昇の転機が見いだせないことを示しています。4月10日のこの欄にグラフをつくって書いたとおりです。

4年前、就任したときから矢田市長は「新たな飛躍」を掲げてきましたが、経済や市民所得に関する限り、まだ「飛躍」にはほど遠い状態です。市民所得は就任の年度('01年度)が△4.4%、その翌年度が△1.7%です。市民経済計算は統計結果のでるのがとても遅いので市長の4年間という任期で「成果」は現れません。

いま審議している'04年度決算では、法人市民税収が久しぶりにグンと増えました。総選挙前から株価もバブル期を上回る加熱です。個人市民税は大幅減で格差社会を象徴しています。

この点では日本経団連の奥田会長が先週だったか、状況に警鐘を発したそうです。「日本全体がバブル期のような雰囲気になってきたとの感じを持っている」「拝金主義、日本全体が金目当ての国になりつつある」と。

さてこの警鐘を聞いてか聞かずか、神戸空港開港を契機に神戸市は「新たな飛躍」をめざすそうです。市長の「市民所得10%増」公約は、大企業所得の激増という状況のなかでうちだされました。企業所得が下げ止まったことを見越して「それ行けドンドン」というのは、ちょっとズルいのです。

何より、下記をご覧ください。あすの総括質疑で質す予定です。

市民所得(最新データ)

4兆1,268億円

その10%

4,126億円

ところで

 神戸空港による所得増

3,970億円

 医療産業都市構想による所得増

315億円

前市長時代からの約束
 (上記2項の計)

4,285億円

A−B=マイナス159億円です。前市長時代からの約束を果たせば、なにも特別「10%増」と名づけなくても「10%増」なのです。その約束の下方修正を意味しているのでしょうか。でたらめな「空港不経済計算」はもう終わりにしたい。

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2005年12月11日(日)の井上力
客積んで開港の日にテストする

餅つきバザーで朝、家でもたもたしているとテレビから「IT新興企業の若手経営者」という声が聞こえてきました。食器洗いの手を休めてサンデープロジェクト(テレビ朝日系列)に見入りました。

神戸空港にいち早く就航表明し、11月29日にダイヤ発表、11月30日に値下げ発表をしたスカイマークの西久保慎一社長が映っていました。実はその直後の12月1日、重大なできごとが多発したのでした。

午後4時50分、エンジン出火で鹿児島空港へ引き返したSKY機。神戸市会では決算特別委員会でみなと総局に対する質疑が終わった直後でした。みなと総局からは全議員に委員会配付資料が送付されました。「1日」に書いた「開港までのスケジュール」です。

羽田−神戸便を5,000円など鹿児島や徳島から集約して「神戸空港と運命をともにする」かのようなSKY社ですが、西久保社長はテレビで「コストと安全は別問題」と断言していました。カネをかけずに安全が確保できれば、構造計算偽造問題など起こりません。田原総一朗さんが「そんなこと言っていいんですか。ヒューザーの小嶋さんもこのテレビ見てますよ」とか言っていました。

神戸空港は来年2月16日、・・・実はこの日はナント地球温暖化防止条約発効1周年という、地球環境問題にとって重要な記念日なのですが・・・ぶっつけ本番で滑走路が初めて使われるのです。国土交通省はフライトテストをしましたが、民間航空機は3社とも、一度もテスト飛行することなしに、この日乗客を乗せて飛ぶのです。

かつてBSE牛が日本で未だ発見されていないとき、農水大臣がテレビカメラに向かって焼き肉を食べてみせたのを思い出しました。

あすの川柳は「輸入牛こんどは誰が毒味する」にしました。一番機の人気はきわめて高いそうですが、実機飛行テストをしていないということは知られていません。「客積んで開港の日にテストする・・・神戸空港」ではないでしょうか。

火曜日の総括質疑で聞く項目に入れました。

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2005年12月7日(水)の井上力
数式化された子どもの「生産量」

かつて「経済白書」と呼ばれた経済企画庁の「年次経済白書」は、姿を一変させました。経済企画庁が内閣府(cao.go.jp)になったことは最近の賢いワープロ(ジャストシステムなど)なら教えてくれるところですが、簡単な経済指標さえ数式を間違えていることについては知られていません。

平成17年度「年次経済財政報告」(経済財政政策担当大臣報告)第2章第4節には次のような数式を並べ、なんと、保育所の「生産性」までが定義されています。

医療分野(病院)における「生産量」=1か月あたり患者数

保育所の生産量=利用児童数×開所時間数

いまや日本政府の権威ある白書によれば、子どもの「生産量」や保育所の「生産性」は計量経済によって数式化されたと言うのです。

確かに、かつて経済企画庁が、高速道路や港湾、空港など社会資本整備を説き、その経済波及効果を高らかに謳っていた時代が終わったのは事実です。神戸空港も、開港を控えた最新のパンフレットからは経済波及効果(3,600億円)が消え、27,000人の雇用につながるという表現も消えました。

「経済」ですから何かそれらしい数字を書くことが必要です。デタラメな数字を並べるにしてもその計算式を書く必要があります。しかし、それにしても「保育所の生産性」とは。きょうの分科会で、保健福祉局長に尋ねてみました。

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2005年12月1日(木)の井上力
朝一番の質問者となりました

きょうから決算特別委員会が始まりました。私は第1分科会、あわはらさんは第2分科会、加納さんは9月議会の決算委員でしたので今回は本会議質疑などを担当します。

「ときの話題」だけでもアスベスト、構造計算、市長選挙など。きょうは会計室と行財政局、秘書室というように、一日1局ずつ2つの分科会で審査がおこなわれます。例によって私は非交渉会派ですから、交渉会派の委員が朝から(その順番は毎日交代して)質問に立ち、私の質疑は夕方4時過ぎです。前回選挙後は必ず「最後の質問者」でした。

補欠選挙で当選した新人(森下やす子さん・垂水区)が無所属で第1分科会ですので、今回から私は最後の質問者ではなくなりました。みんな疲れていない朝のうちに質問したいというわけでもありませんが、きょうは会計室の質問をして、朝一番の質問者となりました。

神戸市が銀行に支払う手数料が1件2.1円から5.25円に4月から値上げされています。経過はどうなのか、他都市ではどうなっているのか、会計室長の見解はどうなのか、などを聞きました。

明日は企画調整局、週明けの月曜日は環境局となっています。第2分科会の初日は、みなと総局と消防局で、あわはらさんは空港特別会計の着陸料収入が当初の触れ込みから激減し、赤字のスタートになるのではないか、空港ニュースでかつて市民と約束した実機飛行テストはどうなったのか、などを尋ねました。

なお神戸市みなと総局から、きょうの委員会開催中に送付されてきた4通のメールのうち、「日程」は以下のとおりです。

きわめて重要な日程、「開港反対・市民集会」がぬけていますが!?

○1月19日(木) 神戸空港緊急計画連絡協議会の開催
           於:神戸市消防局水上消防署内

○1月27日(金) ハイジャック・テロ訓練の実施
           於:旅客ターミナルビル内

○2月2日(木) 神戸空港連絡橋(神戸スカイブリッジ)供用開始

          神戸空港駐車場の営業開始
           於:旅客ターミナルビル北側等

          総合防災訓練の実施
           於:神戸空港エプロン付近

○2月4日(土)
○2月5日(日)      開港前市民見学会の開催
○2月11日(土)      於:旅客ターミナルビル内
  

○2月12日(日) 神戸空港開港記念式典、空港内覧の開催
            於:神戸ポートピアホテル(記念式典)

           旅客ターミナルビル内(空港内覧)

○2月16日(木) 神戸空港開港

           神戸空港に係る航空機騒音の監視を開始
           於:明石市内、淡路市内、神戸市内

○6月頃旅客ターミナルビル固定搭乗橋の4本目設置
   於:旅客ターミナルビル3番搭乗口

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