2008年2月の井上力
岩国への思い深まりました

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2月26日(火) 後期高齢者は受益者か
2月25日(月) その後の岩国
2月19日(火) 県・市とも暗闇に光り見えぬ予算
2月18日(月) 闘病観察・21
2月14日(木) 岩国市長選挙総括・追加
2月12日(火) 岩国市長選挙・遠くからの総括
2月8日(金) 匿名だからこその被害ではないか
2月7日(木) 噺家の人々は・・・
   

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2008年2月26日(火)の井上力
後期高齢者は受益者か

後期高齢者保険の通知が届いて、保険料について「どうして?」と、みんなおっしゃいます。「収入は世帯主の収入で捉え、保険料は個人で払う」とは、取り立てる方に都合が良すぎます。「高齢者の特性に応じた医療」が「治る病気も治せない医療」になる心配もあります。一人暮らしの人は一人暮らしができる条件があるわけで、保険料はベラボウに高額の例が多いようです。世帯分離をした方がいいのかという相談も。国が家族を解体するという奇妙な時代です。

「半年間(総選挙まで)凍結、その後の半年(総選挙が遅くなっても投票日まで)は保険料1割」としたことが、窓口負担の「1割」とまぎらわしく、混乱に次ぐ混乱です。

健康で会社勤めの人の保険(健保組合や政府管掌)と船員保険、老人健康保険、そしてそこから4月に切り離される後期高齢者が加入する保険、さらに「その他」の人が入らなければならない保険と、保険を分割しました。その他の人が入っている保険を名づけて国民健康保険。特定の雇い主がいなくても国民健康保険組合をつくる建設国保などもあります。

制度の変遷は、結核などでバタバタと人が倒れた時代の徴兵・徴用・労働力確保を目的とした時代や、日本国憲法のもとで「健康にして文化的な生活」を国家が保障すると宣言された時代を経てきています。新自由主義への 明文改憲が課題になって以降、医療を市場と化し、健康を市場に開放する「なし崩し改憲」の時代にあわせ、後期高齢者医療保険制度はつくられました。

しかし、長い間、制度変更の議論のいつも中心は「受益者負担」です。私には病気になることや、従って健康を取り戻そうとすること、またそのため治療を受けることが「受益」だとはとうてい思えません。労働者に早めに治療を受けさせることの方が雇い主の受益だと思いますし、政府も自治体も、社会の名において予防や早期発見・早期治療を「させる」ことを社会の受益だとしてきたのではないでしょうか。後期高齢者という「被用者」になる可能性のない世代だけの保険は、健康保険の隔離政策です。おかしなことに「国民」ではない?!と。

市場化という点でも疑問がわきます。ガン保険は市場化できても、それは高齢者が増え、ガンが不治の病でなくなるに従って市場は大きくなったのであり、後期高齢者を市場化すれば日本の医療が退化するだけです。ちょうど神戸市が敬老パスをICカード(ピタパ)にして「ピタッとあてればパッと100円取る」仕組みが公共交通の衰退をもたらすのと同じように。

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2008年2月25日(月)の井上力
その後の岩国

「これからも大好きな岩国で過ごしてまいりたいと思っております26日に一部訂正」という前岩国市長・井原勝介さんからのお手紙をいただきました。「内」と書かれてました。選挙で被選挙権を行使した人間が、選挙がすんだら声も姿も消すことが大嫌いです。9年間、市長としてやってこられた井原さんが、岩国にとどまるには、勇気がいるかとも思いますが、このハガキを見てとても嬉しくなりました。

岩国では11人の市議グループが正式に結成され、その申し入れに新市長は「市民の安心・安全の確保を第一条件に、市民の目線で国、県と交渉する」「愛宕山への米軍住宅に否定的」「夜間離発着訓練をしないと(米軍に)確約させる」姿勢だそうです。井原さんが選挙後の語った「やってきたことがすべて消えたわけではない」ということでしょう。沖縄・北谷の少女暴行事件後の外出禁止令は岩国にも出され、艦載機受け入れ・基地容認の立場の人々に対しては別の意味での「ムチ」が振り下ろされています。

食糧自給率がここまで下がった日本で、ギョーザ事件があったからと言って、直ちに日本農業を再生する力を社会が持ち合わせていないのと同様に、基地経済と言われるものから脱却するには政府の息の長い施策が必要です。しかも「基地を受け入れるための振興策」ではなく、基地を減らし、なくすための振興策が必要です。兵庫県知事が12日の記者会見で何も答えなかったことが象徴的です。いわゆる「アメとムチ」の本質は「ドクとムチ」だから。岩国にだけ投げ与えられているのではなく、すべての自治体に「補助金・交付金・支出金」「その補助金の後払いとしての交付税措置」「起債の許可や承認」として「与えられる」ドクは、アメやオブラートで包まれていますが、軽くても習慣となり、毒性の強さでは麻薬の比ではありません。

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2008年2月19日(火)の井上力
県・市とも暗闇に光り見えぬ予算

神戸市予算案がきのうの夕刊以降、兵庫県がきょうの夕刊以降、'08年度予算案の報道が解禁されました。

自衛隊の軍艦「あたご」がその舳先で漁船をまっぷたつにし、寒い海に2人を投げ出したニュースが朝から続いています。レーダーに映らないはずはなく、満月に近づいていますから、未明とはいえ、相当明るかったのではないかと思います。

防衛省への連絡が90分後、首相には2時間後だったそうで、ことによれば「当て逃げ」状態、漁船と衝突したことに気づくのが相当遅れたとか、従って救助作業が遅れたとか、しなかったとか、DQN(こんな風に使うのか?わからないw・・・!)な状態だったのではないでしょうか。

『世界』3月号に、田岡俊二さんが「ミサイル防衛の発射実験に自衛隊が成功した」ことについて、「次はセンターフライ、と教えてもらって捕れただけ」と野球の練習にたとえておられますが、敵(的?)を照らせても、味方を照らせないレーダーでは、困ったものです。

暗闇に光が見えないと言う点では、県と市の予算案もまったく同じ。行政が市民生活に目を向けるときにはレーダーから目をそらし、あるいは明るい暖かい部屋の中から暗闇を見つめるがごとく、「上」を見るときだけ最新鋭・高性能レーダーで、事前にコースを聞いた上でそこを凝視するのでは困ります。

「事前にコースを聞く」こととは、同じ借金でも、国債と同じように赤字公債でも、行革推進債という名前の借金は「おいしい」なんていう情報を聞いて鵜呑みにすることです。または他の借金をそれに振り替えることです。

赤字国債が本格化して30年以上過ぎました。'75年、日本経済が新自由主義政策へと舵取りを始めたとき、古いケインズの金融政策の全面展開の姿をとりました。県・市の予算はグローバル化時代・少子高齢化時代の新自由主義政策の全面採用です。高齢者も市場、乳幼児も市場、県土もあらゆる公有財産も市場だという宣言です。「商品の集積体」であると。娘が通う「資本論講座」に私も参加しなければ・・・。

兵庫県の予算案

神戸市の予算案

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2008年2月18日(月)の井上力
闘病観察・21

母は昨年9月、大腿骨骨折で入院3週間、クリニカルパスどおりの転院をせず自宅に戻って、その後の生活パターンはほぼ一定です。週2回のデイケアと週2回の訪問リハビリ、昼ご飯は週5回、灘区五毛の交差点にある「ママランチ」のお世話になっています。Tさんはじめ近所の方々が訪ねてくださいますが、外出機会は決して多くありません。先日は管理組合の総会に出席したり、老人クラブの新年会に出たりしましたが、月1回、六甲道診療所へ通院することと美容室へ行くくらいです。

「A」というデイケアセンターから、京丹後(網野町)へカニざんまいの遠出をしませんかとお誘いを受け、主たる介護者としては介護を口実に参加しました。理学療法士3人、看護師1人、患者より多いスタッフが付き添って、カニと風呂以外に往復の雪景色など、「主たる介護者冥利につきる」遠足でした。

非常に重い言語障害や右手硬直の脳梗塞3年で職場復帰を果たした50歳代、パーキンソンで長い闘病中の60歳?・現役・・・など、こういう場に出てこられるのですから、条件の良い方でごく一部だとは思いますが、母も勇気を得たようでしたし、私も同様です。

先週(10日と11日、直後に再放送あり)NHKが『闘うリハビリ』を放送しました。凡人は「ヘエ」「ヘエエ」と感激するばかりでした。ネット上には様々な角度からの感想がアップされています。

かつて通院を高齢者の贅沢であるかのように言い立てた厚生労働省は、いまリハビリ日数を制限する根拠として、「症状固定」という患者にとっては絶望的な言葉を患者と家族に浴びせます。「症状固定」の次に用意されている絶望は「廃用の程度」評価です。患者どうしが、あるいは「主たる介護者」を交えて、闘病経験を交流したり、NHKがやっていたような「脳の働かせ方」の最新知識を学ぶことが必要です。

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2008年2月14日(木)の井上力
岩国市長選挙総括・追加

けさの「木曜行動」に、岩国市長選挙総括を簡単に載せました。井原勝介・前市長の「9年間」という訳ではありませんが、岩国問題・米軍再編問題は、何度も、木曜行動でうったえてきたことでした。

 岩国市市長選挙(10日投開票)で、空母艦載機の移転に反対してきた井原勝介・前市長が敗れました。

 「艦載機受け入れで市民に一人2万円配られる」など流言飛語のあげく、「対立より笑顔」と福田陣営の街宣車。連合山口は前市長を推薦していたのに、当選が決まった福田事務所には連合岩国の幹部の姿も。

 「アメとムチがまかり通る」「岩国はむごいことになった」「岩国の沖縄化だ」「政党は4月の衆議院補選をにらみ、岩国を利用した」

 様々な声が上がっていますが、井原勝介さんは「岩国の子どもたちや孫たちに、申し訳ない結果」と述べ、「わたしたちのしてきたことが消えてしまった訳じゃない」と、1782票差の惜敗に「兵を語り」ません。

 投票直前「名護には交付金」という政府の情報操作や橋下知事発言など「国」が岩国を攻撃しました。

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2008年2月12日(火)の井上力
岩国市長選挙・遠くからの総括

空母艦載機の受け入れに「原則ノー」かそれとも「来るものは来る」か。選挙はこれほどシンプルなものではありませんが、おおむね、この選択は「来るものは来る」とした岩国市民の結論が出ました。僅差ですがこれが結論でした。

私は告示前日の2日に岩国へ行き、市議11人が主催した集会(2,200人)に参加しただけであり、灘で月曜と木曜に駅前で配るチラシをとおして「焦点は岩国」とうったえつづけてきただけでした。「仮に私が住み、活動しているまちに『空母艦載機』問題が浮上したら、私や仲間たちを含む人々は、どうしただろう」 「他府県居住者にできることは?」「でも米軍再編は私の問題」など、いろいろ考えましたし、これからもっと、考えなければなりません。けさの『おはよう新社会党です』でも、沖縄の少女暴行事件とあわせて「私たちの問題として考えましょう」と、呼びかけました。

佐高信さんのすすめで大勢の立ち見の人々が壇上にあがりました。集会終了風景。真ん中右より、遠目には落合監督風の丸刈りが前市長の井原勝介さん、その右が天木直人さん、さらにその右が森田実さん。

選挙ですから、井原さんとその陣営が「どう考え、たたかったか」ということだけで、それをふり返ることはできません。福田良彦さんの陣営が「どう考え、たたかったか」をふり返る必要があります。

告示直前には「艦載機を受け入れれば1人2万円ずつ配られる」などの流言飛語(作戦?)や、大阪・橋下新府知事の岩国市民に対する攻撃などの全国問題としての作戦と、「対立より笑顔」という戦術が、どこでコーディネートされ、一つの司令部から発せられていたのか、あるいは寄り合い所帯がたまたま上手く機能しただけなのか。

「20歳代男性は7割が福田」(出口調査結果)となるわけですが、私も岩国に行って感じた、あるいは神戸で運動をしていて感じる傾向を、対する井原さんの陣営が分析していたのか、どうか。若者の一般的な傾向と片付けてしまうわけにはいかないはずです。

広島経由で大阪まで2時間余。「テレビは広島、新聞は北九州」しかし、政治は山口。「外」に目を向ける若者の意識を引きつけるのは、神戸の経験からしても難しい。「外」を見てきた中高年の経験を若者に押しつけてみても始まらない。

井原さんの9年間、とりわけ'06年住民投票と旧岩国藩への「合併」。井原さんが「わたしたちがやったことすべてが消えたわけではない」とまとめておられるようです。「国」を相手にたたかうには、とくに若者が経験を積み、自民党と公明党の政権の本質を体験を通して学ぶ時間が必要だったのかも知れません。岩国の皆さん、ご苦労様でした。米軍再編・MD構想・日本の軍産複合体制化の入り口の時代に、大きな役割を果たしていただきました。いや、日本がアメリカと深く結びついていた時代の終焉期に、岩国の皆さんは井原勝介さんというすばらしいリーダーを得て、自治を問いました。岩国から私たちが学ぶべきはその「自治」です。

米軍再編は、中間報告の段階で自治体の負担増など自治体の合意を取り付けるのは日本政府の責任であるとされていました。井原市長が住民投票に踏み切ったのは、まさにそのタイミングでした。政権は「国際公約」(安倍晋三)らしく国会の批准を得ることもなく、新しくできた領土の一部(埋め立て地)を新たに提供しました。再編交付金をめぐる「アメとムチ」

岩国 新庁舎建設と米軍再編そして市長選
1996年12月 SACO合意 普天間から空中給油機12機が岩国へ
1997年1月 貴舩悦光市長(当時) 給油機受け入れ表明
   6月 滑走路沖合移設工事 (2001年3月芸予地震)
1999年4月 井原勝介市長
2003年4月 井原勝介市長・2期め
2005年2月 国が新庁舎工事の補助金支給決定(9月着工)
   
   10月29日 米軍再編中間報告 厚木の空母艦載機を岩国へ
2006年3月12日 住民投票 艦載機移駐反対が有資格者の過半数
   4月23日 合併に伴う市長選挙 井原勝介氏圧勝
   5月1日 米軍再編 日米政府合意(その後閣議決定)
   10月22日 市議選 移駐反対17,容認12,その他5と報道
   12月18日 国の予算に庁舎建設補助金ゼロ(20日原案内示)
     26日 (市議会)2票差で井原市長問責決議
2007年3月23日 (市議会)予算案否決 庁舎建設財源凍結
   5月13日 新庁舎募金「岩国市新庁舎募金の会・風」設立
   6月8日 (県)愛宕山開発中止,米軍住宅受け入れへ
     26日 (市議会)ふたたび当初予算案否決,2票差
     29日 防衛省への補助金申請を条件に当初予算案可決
   10月31日 庁舎建設財源を合併特例債とする案を否決
     31日 米軍再編基地交付金,6自治体へ不交付(官報)
(座間,岩国,名護,金武町,宜野座村,恩納村)
   11月9日 総務省の解釈変更(5日)で臨時市会開けず
   12月1日 怒りの1万人集会in錦帯橋(神戸からも参加多数)
     26日 井原市長辞職表明(28日辞職)
2008年1月4日 井原勝介・前市長が出馬表明
     5日 福田良彦・衆議院議員が出馬表明
     8日 「名護にも座間にも再編交付金」などが報道された
   2月10日 福田良彦氏が市長に当選

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2008年2月8日(金)の井上力
匿名だからこその被害ではないか

いらだちが募る社会だからといって怒ってばかりいちゃ、損です。笑顔が健康にどれほどいいか、分かっているのですが・・・。

きのう、ある方のお見舞いに行って、大失敗を経験しました。よく存じている方ですが、奥さんのフルネームが出てこないのです。結局、事務所に戻ってフルネームを確認し、往復30分ほど、バカなことをしました。

個人情報保護法の運用マニュアル(Q&A)を、社団法人・日本病院協会がつくっています。 フルネームさえ口にすれば受付簿もなしに、フリーパスという個人情報保護法症候群の被害にあったのでした。色づけは引用者。

  質問 回答
29

入院患者への面会者への対応

病院内で見舞い客と思われる人から、入院患者の名前をいわれ病室の場所を尋ねられた場合は、どう答えたらよいですか?

お答えしない方がよいでしょう。なぜならば、患者が望まない人に入院している事実を明らかにすることだからです。

しかし、従来の慣行ではお知らせしていると思います。

厳密には、患者に予め希望を聞いておくことが必要でしょう。

30

入院患者への面会者への対応

外来受付や看護詰所に、面会人がきて、○○さんは、何号室ですか、といわれたら、どのように答えてよいのでしょうか?

予め、面会の問い合わせに答えてよいか聞いておくことが必要です。

その場合に、特定の人に限って決めておくことは、実務上困難が伴うでしょう。

31

入院患者への面会者への対応

面会に来られた方に対し、入院病棟及び病室の案内は個人情報漏洩にあたるのでしょうか。面会の照会に対する対応も予め入院手続き時に本人に確認すべきなのでしょうか?

入院しているか否かを軽々しく答えることは漏洩になる可能性があります。

常識的な範囲で運用するしかないと思いますが、厳密には、面会者が来院した場合の応対は、患者の希望を伺っておくことが望ましいでしょう。

32

入院患者への面会者への対応

住所と名字だけで、名前がわからないが、入院していると聞いたのでお部屋を教えてください」といわれるケースや「民生委員をしているので、入院しているか教えてほしい」といわれるケースなど、お答えしてもいいのでしょうか?

いずれの場合にも、本人の了解が必要です。

部屋の番号だけではなく、入院の事実に関してもノーコメントということが必要です。

33

入院患者への面会者への対応

田舎から来たという親戚が面会を求めてきたら、その患者が入院していることを話してもよいでしょうか?

予め、面会の問い合わせに答えてよいか聞いておくことが必要です。

その場合に、特定の人に限って決めておくことは、実務上困難が伴うでしょう。

このマニュアルで現場が混乱しています。受付簿(カード形式も含め)を置かない病院が増えています。<個人情報保護><セキュリティ>そして<スタッフ全体の多忙>という3つの要素が重なっているようです。 在院日数の短縮化、アウトソーシング、不審者の増加?、治安が悪くなった?なども背景にあります。

きわめつきは、ごく一部の「匿名入院」について、首をかしげることが多くなりました。もっとも、医師の判断で面会を禁止する、あるいはそれをアドバイスされるケースは昔からあり、あるいはマスコミ対策上、入院の事実を隠す必要があったり、「匿名入院」もやむを得ないことが、これも昔からあります。総理大臣が国会に行かず病院に行ったこともありましたから。

しかし、病室の氏名札に「入院中」と書いている人が多くなり、病院がそれを勧めているケースも目立ちます。かなりの場合、一人でも多くの人と顔を合わせ、会話する方が、健康にはいいと思うのですが。闘病中「あなたが必要だ」と語りかけられることによって、治療効果が上がるのではないでしょうか。多くの場合、「がんばれ」で、それを重荷に感じたのでは逆効果かも知れませんが。また、病院協会が言うように「会いたくない」面会者がいるかも知れませんけど。

佐賀県で昨年11月に起きた「人違い殺人」について、調べてみたら、すべてが個室で、すべてに「名札をつけない」病院だったそうです。もちろん銃を持たない、暴力団がいない、病院には不審者を入らせない、など色々対策はあるとしても、34歳の青年が、妻や子どもや親を残し、何の脈絡もなく命を落としたことは、ことによれば逆に名札さえあれば、防げたのではないでしょうか。

監視カメラを病院や保育所に置き、名札をつけず、部外者をできるだけ近寄らせない・・・とられている対策は、このケースでは裏目に出たと言えるのではないでしょうか。まれなケースを全体に押し広げることも愚かですが、尊い命が奪われたことについて、もっと世の中が考えてもいいのではないでしょうか。「だから生命保険をかけておけ」には賛成できません。

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2008年2月7日(木)の井上力
噺家の人々は・・・

大阪府知事の「話芸」・タレント・弁護士に、落語協会?や芸能プロダクション、そして日本弁護士連合会は、怒りの声を上げるべきではないでしょうか。

弁護士のW先生は年末、いろいろと私へのアドバイスをしてくださった上で「タレント『弁護士』が府知事選に出るとか。苦々しい思いでおりますので、言いたい放題言わせていただきました。期待しているのです・・・。」と書いておられました。

けさ、早朝行動のあと必ず行く喫茶店で、常連の某噺家に、けさの『木曜行動』を渡しました。コラム欄に「話芸」批判を書いていたものですから。

宣伝車の上で飛び上がり、走り回ったのですから、かれが自慢すべきは話芸ではなく曲芸です。でも曲芸師やサーカスの団員は、あんなもの曲芸ではない、と怒るでしょう。

話芸を、真理でないもの、その場かぎり人を笑わせるもの、と考えているようです。「芸人じゃない。芸者だ」なんて批判は、芸者という職業を冒とくすることになりそうです。

1年間はリコールが禁じられていることを知り、その空白をこのように利用する、こんな政治家を見たことがありません。「政治家じゃない。政治屋だ」という批判も、政治屋という、悪いなりにも苦労重ねて成り立っている職業を冒とくするものです。

弁護士が強い者に媚びへつらってどうするんでしょう。きょうは伊丹の自衛隊を表敬訪問したそうです。これ以上強い者は米軍だけという武装集団に媚びていては始まりません。職業に貴賎はありませんが、知事職に就いた人のなかに、こころざしの貴くない人がいます。

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