2010年11月の井上力

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11月30日(火) 沖縄知事選。なお続く漂流
11月25日(木) スマートフォンなかなかです
11月22日(月) 軍医の派遣やめろ
11月18日(木) 沖縄・イハさんガンバレ
11月12日(金) 指名解雇に反対です
11月11日(木) 非正規の正規化へ
11月1日(月) 2つめの中二階いらん
   

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2010年11月30日(火)の井上力
沖縄知事選。なお続く漂流

今年5月28日の日米共同声明から、 一昨日でちょうど半年でした。半年前、鳩山政権が漂流して流れ着いた小島で当時の首相はまず社民党の福島党首に下船を命じ、つづいて小沢幹事長と自らも船から降りました。代わって船に乗り込んだのが菅直人首相で、船はただちに再び漂流を始めました。 沖縄県知事選挙の結果は、なお漂流を続けざるをえない現実を示しました。

この文書の最後にある「伝統的な安全保障上の脅威に取り組む」を(壊れている)羅針盤として船は、なお進路定まらず漂流します。

伊波さんが勝てば、政府と沖縄県の間の対立が深刻になり、「暗闇のトンネルに猛スピードで突入する」恐怖が現実になるところを、避けることができた(よかった)とする論評がありますが、現実は異なります。どちらかと言えば正反対に、漂流が続きます。

普天間基地問題の漂流も続きます。移設先を「県外」とする仲井真知事は、橋下大阪府知事が言っているから「関西空港を見ておきたい」と言い、これに橋下知事は「(以前、関空がいいと言ったが)関空は伊丹と経営統合する流れがきまっているので、申し訳ないがそういう状況でない。将来性の見えない神戸空港を視察してほしい」と発言したそうです。

ウィキリークス(http://www.wikileaks.org/)右への変更、書き換えは12月4日http://www.wikileaks.ch/)が明かしたアメリカの外交公電ほどの重要性をいささかも持たない軽口ですが、二重三重の間違った認識を改めるべきです。

第一に、海兵隊は、そして安保条約は、抑止力ではない。仮に、抑止力だとすればそれは日米共同声明が言うように、「伝統的な脅威」に対処するものであって、非伝統的な、つまり新しい脅威には対処できない。しかも、伝統的な武力行使は真珠湾攻撃のように、常に敵の攻撃能力を最初に叩くこと。だとすれば都心に軍事基地を置くほど愚かなことはない。専守防衛と言っているから先制攻撃されるのではなく、ずっと戦争中の国の軍隊、ましてや敵前上陸専任の海兵隊は、一般アメリカ市民の居住地から遠ざけて配置すべきだから、沖縄と岩国に来ている。

第二に、関西空港は並外れて愚かな2期工事の結果、たしかに広さの点で普天間基地を上回るが、神戸空港は270ヘクタールに過ぎず、480ヘクタールの普天間基地の移設先として決定的な欠陥がある。幸い!?、遊休地の多いポートアイランド2期のかなりの部分を米軍に提供しなければ、これは不可能。

第三に、神戸空港が米軍基地となれば、その空域確保のために、関西空港も伊丹も、離発着ルートを全面的に変更することとなる。明石海峡大橋上空から淡路島全域にかけて、その空域としている関西空港は、使い物にならなくなる。

第四に、もちろん神戸市民の生活、神戸のまちの歩んできた平和の道への、深刻で重大な大阪府からの挑戦状であり、許せるものではない。神戸市長が深夜便の就航を渇望しているが、それは市民の願いでも何でもない。

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2010年11月25日(木)の井上力
スマートフォンなかなかです

スマートフォンは、パソコンでネットを見る者には必要ない、などと勝手に考えていましたが、そうではないようです。ケータイで見ることができなかったトップページも、結構きれいに見ることができます。「いまどきの神戸空港」にも貼り付けた自画自賛の「自画」です。

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2010年11月22日(月)の井上力
軍医の派遣やめろ

防衛相が医官・看護官10人をアフガニスタンに派遣するための布石をどんどん打っています。法整備の必要性と言ったかと思えば、APECの際に約束を交わしてしまい、「最高指揮官」たる首相の指示ではなく防衛相の指示で海外派遣してしまうそうです。

26日にカブールに入る「西元徹也防衛大臣補佐官(74歳)をトップとする調査団」を出してしまいました。民主党の自民党化が嵩じて、用語を旧日本軍のものに復古させる暴挙が計画中だそうですが、医官はさしずめ軍医。

自衛隊は軍医の早期退職で隊内の軍医不足が深刻だそうです。他の職種?と比べて女性軍医の昇格が早いそうです。

(1)体力的・肉体的な訓練は、気候をはじめとする環境の変化に対応できる体力をつくりますが、他人の健康管理ができるからと言って、軍医が並外れた体力を持っているかどうか定かではありません。体力よりもっと心配なのは人格や識見です。航空幕僚長だった人がデモの先頭に立って騒いでいる昨今です。また、来る日も来る日も羊の肉・・・イヤな人もいるだろうな、なんて取り越し苦労でしょうか。そうではないのかも知れません、毎日刺身が出たり?

(2)ある意味で自衛隊も社会の縮図だとすれば、外国語の習熟(英語を除いて)はどうなんだろうと心配になります。ISAF(NATO)は多様な言語の集団です。武器を持って戦闘行為の最中は、ほぼ会話の不要な一瞬でしょう。でも傷ついたISAF隊員の治療が英語だけで可能だとはとても思えません。ましてやカブールから戦場へ送られる、あるいはその逆の兵士の健康管理に、言葉が通じなくても軍医は務まるのでしょうか。傷ついた兵士の治療より、敵の実情を聞き出す作戦優先の現場で、日本の軍医は命の尊さを訴えることができるでしょうか。軍医も生活者です。カブールは実質占領下ですから英語で暮らせる町になっていることは想像できます。同時に、アフガニスタンは30年間の戦場で、同じ民族でも民族の言葉が継承しづらくなっていることも想像できます。

(3)軍医自身の健康問題にしろ、軍医の言語の問題にしろ、軍医派遣について中村哲さんの意見を聞いてみてはどうでしょう。あるいはJICAなどすでに現地に入っている民間人の意見を。

(4)元統合参謀本部のトップが、現地調査に行かずとも学習できる教材がネット上にあります。iCasualtiesの墓標。http://icasualties.org/oef/

(5)同サイトの上部フレームのFatalitiesをクリックすると、45ページ(きょう現在)にわたって亡くなった若者の情報が掲載されています。年月日、国籍、氏名、階級、年齢、被った戦闘行為の種類・事故の種類、州、地域・都市名、所属軍隊名、出身地方、出身都市、連隊名、原隊名。訳が間違っているかも知れません。元統合参謀本部長は、この他に何倍、十何倍の傷病兵がいるのか、毎日傷ついているのか、その帰国後の運命は如何なるものか、そして沖縄や岩国で訓練を受けた若者がどれほどいるのか・・・調べてからカブールへ行ってほしいのです。

きょう段階のアフガニスタンでの有志連合の死者数をグラフにしました。昨年一年間で521人、今年は11月21日までに655人です。雪の多い冬でも一日一人以上、夏場、百人を超えたのは今年6月でした。ISAFが掃討作戦を手控えた9月の総選挙と、その前後のタリバンとの和平交渉の情報がでた10月、久しぶりに前年同月を下回りましたが、11月は早くも過去最多の44人です。

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2010年11月18日(木)の井上力
沖縄・イハさんガンバレ

憲法・兵庫会議の沖縄知事選応援行動に参加して、日曜日から火曜日まで沖縄へ行ってきました。イハ(伊波洋一)さんの確認団体「平和とくらしをまもる県民の会」法定ビラ1号の各戸配布など。普天間基地返還後の経済効果をイハさんは次のように訴えています。

一日目:平和運動センター〜北中城(きたなかぐすく)〜豊見城(とみぐすく)市民会館
二日目:那覇市天久(あめく)〜うるま市〜北中城
三日目:嘉数(かかず)の丘〜浦添市牧港〜海軍壕跡など訪ね、ビラ配りと街頭宣伝をしました。

北中城村の新垣邦男・村長が執務を終えて宣伝車に飛び乗り、村の人々(かつての豊見城ほどではないものの人口16,500人)に訴えておられました。

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2010年11月12日(金)の井上力
指名解雇に反対です

「座して死を待つより起って反撃に転じよう」とは、40年前、国労本部がマル生反対闘争に臨んで委員長が呼びかけた名句でした。最近、場違いにこの句が使われました。TPP(環太平洋パートナーシップ協定=ETAのブロック版)にどう対応するか協議した菅内閣の閣議の様子を、仙谷官房長官が「座して死を待つより打って出て競争力を」と言ったそうです。

まず政府レベルで議論されているのは、電機製品や自動車など競争力のある製品を海外で売るために農業などは壊滅すると言われているので、この真意は「農業に競争力を」、あるいは税金で農家収入をさらに補てんして、主要製造大企業の延命をはかっていこうということだと思います。菅首相の場合はもっと時代錯誤で、現代を幕末の鎖国政策だと断じ、TPP参加を開国になぞらえています。まさか「幕府=鎖国派、天皇家・長州藩=開国派」と思い込んでいるはずもないでしょうが。

戦争中は「座して死を待つより戦って死ぬ」が美徳とされ、よく使われたそうです。語源は「男子死中に活を求むべし、座して窮すべけん」(後漢書公孫述伝)だと言う説が説得力一番です。リンク先まちがっていて削除しました司書の方々の共同研究のようですし。

「死中に活を求める」と旧憲法下の若者の「戦って死ぬ」とでは大違いです。また今、日本の農業者を「座して死を待つ」と喩えるのはいかがなものでしょうか。田畑を耕し、高齢になっても働き続けて全人口の食用に余る米の生産を担っている人々が「座して」いる、「死を待っているだけだ」とは。菅直人さんはサラリーマンの息子であることを自負していたはずです。当時のサラリーマンは子どもに「お米は一粒たりとも粗末にしてはいけない。お百姓さんがエライ目をしてつくってくれたひと粒一粒だよ」と諭したはずなのに。

いま「座して死を待つより反撃に転じ」るべきは、労働者です。とりわけ日航や全日空に働く人々。一足も二足も先に航空業界は自由化。日米航空自由化(オープンスカイ)協定(正式締結は今年10月25日)は「空のビッグバン」とも呼ばれてきました。格安航空会社を全日空が準備し、日航にもそれを迫っているのが政権です。パイロットや客室乗務員、地上職労働者の賃金、着陸料、航空燃料の価格、航空機のリース料または減価償却費・・・チケットの販売経費にいたるまで、両社とも値下げ交渉に熱心です。賃金値下げ交渉の決め手は解雇です。

きょう日航がパイロットと客室乗務員について指名解雇(管財人らは整理解雇と表現)を決断したと報じられています。これとたたかわなければ、まさに「座して死を待つ」ことになります。

10月と11月、希望退職に応じない特定の労働者に対して「ブランクスケジュール」を渡して退職を強要したことについて、日航、全日空の労働組合が抗議しています。他はどうか分かりませんが、2つ、紹介します。

日航乗員組合の見解
http://www.jalcrew.jp/jfu/57sokuhou/11.14karisyobun.pdf

全日空乗員組合要請文
http://www.jalcrew.jp/jfu/57sokuhou/no57087.pdf

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2010年11月11日(木)の井上力
非正規の正規化へ

けさの『毎日』が、日本郵政の「ゆうメイト」正規化試験の結果を報じています。私が手にした記事(大阪13版)の見出しは「非正規8438人 正社員に」「日本郵政:人件費168億円増」。一方、ホームページには「日本郵政:8438人を正社員に登用へ」「非正規社員の4%」という見出しもあります。

日本郵政の発表は次のとおり。

発表日:2010年11月10日

タイトル:非正規社員から正社員への登用にかかる最終合格者数について

日本郵政株式会社

1. 最終合格者数 

  応募者数 一次審査合格者数 最終合格者数
日本郵政株式会社 56人 24人 20人
郵便事業株式会社 28,617人 11,141人 6,503人
郵便局株式会社 4,446人 1,923人 1,715人
株式会社ゆうちょ銀行 736人 256人 131人
株式会社かんぽ生命保険 279人 120人 69人
5社計 34,134人 13,464人 8,438人

2. その他 

 ○ 不合格者のうち、希望者に対し、再度の登用選考に向けて研修(集合研修、通信教育講座等)を行う。 

 ○ 月給制契約社員について、一定の要件(勤続年数、勤務成績)を満たす者を対象として、来年春頃に正社員登用選考を行う。

『毎日』は取材して次のように報じています。

一方、正社員化に伴い、1人当たり年間約200万円のコスト増が見込まれ、日本郵政の人件費負担は今年度分だけで168億円増えることになる。雇用を重視する菅政権の政策には沿うが、一方で「日本郵政グループをスリム化させる」という方向に逆行するため、批判もありそうだ。http://mainichi.jp/life/job/news/20101111ddm002020018000c.html

郵便の集配で言えば通常配達は100%非正規が担っている状態を考えると、上記報道はいかがなものでしょう。「負担」が168億円(今年度分については残り5か月なので、数字自体が誤り)だと!そもそも負担と言うのはおかしいです。逆に、非正規で残るゆうメイトに払われない総額は、4,000億円。これは昨年度連結決算の「当期純利益」4,500億円に見合う額です。

以下の表を。日本郵政のホームページから正規社員数http://www.japanpost.jp/financial/disclosure/2010/pdf/05.pdf

人件費(ゆうメイトは物件費)のデータを加えています。資料と書いている欄はhttp://www.japanpost.jp/financial/disclosure/2010/pdf/06.pdfのページ番号です。

   

人件費(百万円)

資料

 
全従業員

42万超人

       
うち非正規

21万人

       
 うち正規に登用

8,438人

     ×200万円 =168億円
   非正規で残る

201,562人

 

 

 ×200万円

4,000億円
うち正規

226,967人

       
 うち日本郵政

3,251人

連結で 2,372,269

127

   
   郵便局会社

111,253人

939,878

155

   
   郵便事業会社

94,110人

1,131,217

161

   
   ゆうちょ銀行

12,060人

不明

     
   かんぽ生命

6,293人

     

グループ全体で正規22万6,967人の人件費が2兆3,722億円。単純平均で一人あたり1,045万円です。もちろん社会保険料負担、ボーナス、退職金引当などを含む数字。

この額が大企業正社員と比較して多いのか、少ないのかは知りませんが、1,045万円−200万円=845万円が、ゆうメイトに払われている例は100%ありません。300日×8時間×1,500円(時間給)=360万円です。どこをどう増やしても、また社会保険料などで2倍にしてみても845万円にはなりません。しかも多くのゆうメイトは、正規になると時間あたり手取り賃金は下がると言っています。

従って「スリム化」どころではないのです。4%どころでなく合格率を上げること。より速いピッチで正規化を。今回の試験は支店ごとに合格者数が決まっていたのではないかという疑いが持たれています。テストも面接も絶対評価で(何と言っても現に仕事を、それも部門によっては100%、現に担っている人々です)。テストの結果を開示すること。社内での格差解消を。

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2010年11月1日(月)の井上力
2つめの中二階いらん

関西広域連合が設立に向け、けさ申請がおこなわれました。わが『おはよう新社会党です』は、この問題。参加する7府県の面積と人口は次のとおりです。連合の「長」と議員は直接選挙で選ばれるものではありません。

奈良県は
不参加

人口
(万人)

面積
(平方`)

議員

滋賀県

140

4,017

京都府

262

4,613

大阪府

883

1,897

和歌山県

99

4,726

兵庫県

559

8,395

徳島県

78

4,146

鳥取県

58

3,507

(奈良県)

139

3,691

 
 

2,218

34,992

20

人口、面積は表示未満切り捨て
府県庁所在地を東から並べた順

「府県庁所在地を東から並べた順」としましたが、連合に加わらなかった奈良県が入ると実は滋賀の次は奈良ということになります。奈良市役所の方が京都市役所より東にあります。

免許証などの番号に表現されていますが、都道府県コードではどうなっているか?次のとおりです。

25 滋賀県
26 京都府
27 大阪府
28 兵庫県
29 奈良県
30 和歌山県
31 鳥取県
 

鳥取を除く
中国地方の4県

36 徳島県

そもそも、北海道から沖縄まで北から南へ、東から西へ機械的に番号をつけたのでしょうが、市町村コードはもっと無秩序につけられています。下関市が山口市より番号が若く、北九州市の方が福岡市より若い番号です。都庁が移転しても千代田区が「01」、国会議事堂があるからでしょうか(東京都のコードは「13」です)。市町村合併でますます番号はメチャクチャになっています。削除や新設ばかりでなく、変更もあります。

関西広域連合の議決は20人の議員の全会一致ということになっていますが、入っていない奈良県の意向を考慮すれば、そもそも設立不可能です。道州制ではないとか、直接請求権があるとか言い訳がいろいろなされていますが、そこまで言うなら関係府県住民の直接投票で発足・設立を決めてほしいものです。

わが『おはよう新社会党です』にも書きましたが、兵庫県知事が並べている必要性は、例示された問題ごとに関係府県と市町村が団体を造って行うことも可能です。国の出先機関を移管する受け皿は、市町村や都道府県です。

「県は中二階」と指摘されていますが、2つめの中二階をつくる必要はありません。屋上屋を重ねる必要はありません。労働局は県に、ハローワークや労基署は市に。顔の見える行政を。国道工事事務所も県土木も、市町村へ。もちろん財源付で。

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