2004年7月の井上力
参院選・原和美へのご支援ありがとうございました

このページにお探しものがないときはここをクリックしてください

日付

見出し

7月29日(木) 市民病院移転に意見を言おう
7月26日(月) 指定管理者制度について
7月22日(木) 外部評価は善意に満ちています
7月14日(水) 闘病観察・6
7月12日(月) 原和美さん得票結果

このページの頭へ

トップページへ

2004年7月29日(木)の井上力
市民病院移転に意見を言おう

大半の地域では既に配布されている『広報こうべ』8月号に新中央市民病院基本構想(案)についての「意見募集」が掲載されています。

『広報こうべ』によれば、「設備の老朽化や医療技術の進歩などに対応」する必要があり、「課題解決に向けた調査・検討」をしてきた。「検討結果を踏まえ基本構想(案)を策定」したので、「みなさんの意見でよりよい病院に」してほしい。というのです。

きわめて分かりやすい問題は老朽化ですが、今の市民病院には建て替え用地も確保されており、現地建て替えではなぜいけないのか、築後24年で老朽化するまで放置した責任は誰がとるのか、第一の問題です。

深刻な問題が多すぎます。

かねて指摘してきましたが、既に開業している先端医療センターが病床規制のもとでベッド数を増やし、あわせて「先端医療」ほどではないにしろ「末端」ではなく「中端」?(「端」に「中」はありえないですね)の医療の場所が、となりになければいけないと言うのです。

この「中端」は現在の病床数を減らし、「先端」が先端であるために患者を供給し、逆に「先端」で一命を取りとめた患者を、市内の病院にではなく公立病院にとどめておく必要があるのだそうです。医療の進歩に献体や毒味が必要であることを否定しませんが・・・。

別途配布された「概要」には移転後の市民病院の「専門医療センター」化について、「心臓病」「脳卒中」「がん」「おかあさんとこどもの医療」「移植・再生医療」「感染症」があげられています。

「先端」と「中端」の役割分担はまったく不明で、結局「診療報酬」および税金からだされる「高度・不採算医療補助金の適切な分担」ということになるのでしょうが、以下のような興味を惹く表現があります。

先端医療センターで開発された最先端の医療を、高度先進医療として臨床へ導入された段階で、従来の方法では治せなかった病気の治療に導入し、患者さんのQOL(生活の質)の改善をめざします。

先端医療センターは「最先端医療センター」であるらしい。新・中央市民病院は「先端医療センター支援病院」ということらしい。

400億円、現状より300床も減らして600床、独立行政法人化、そして1.3キロも遠く、神戸の町のはずれへ。問題だらけです。8月31日まで意見募集があります。神戸市のホームページをご覧ください。

このページの頭へ

トップページへ


2004年7月26日(月)の井上力
指定管理者制度について

けさ阪神大石駅前でマイクを持っていて、一瞬「あれっ間違えたかな」と思ったのは「参院選から2週間です」と言ったときでした。考えれば「まだ2週間」。ずいぶん日がたったように感じます。

外郭団体に関する特別委員会が始まり、きょうは2回目で生活文化観光局5団体の審査でした。勤労市民センターや文化ホール・文化センター、須磨の水族園など、指定管理者制度への各団体の対応やこれを指導する生活文化観光局の対応が焦点でした。

勤労市民センターは全部まとめて指定管理者を公募したい、という表明がありましたが、文化センターは「何もまだ決めていない」という答弁でした。

交通はバス事業について5つの営業所を民間委託するという方針を出しています(指定管理者ではありませんが)。どちらかといえば営業成績のいいところが民間の手に渡ります。言い方を変えれば「民間で引き受けてくれそうもないほど成績の悪い営業所もある」という表明でしょう。

(恐慌の下で)労働力商品の価格は他の商品の価格と同様、その商品生産に要した価格まで下がる・・・道をたどります。指定管理者の究極の「夢」は「無人化」です。六甲道のいくつかの駐車場のように(これも指定管理者ではありません)。

指定管理者制度の下で、最後までカギを握るのは「選定委員会」という行政がつくる「第三者機関」風の委員会です。新社会党が主張してきたようにこの構成がどうなるのか、ここでの議論がどう公開されるのかが、決定的なカギを握っています。しかも公開された議論に市民が参加して意見を表明することです。

実は施設ごとの収支は、議会にも公表されていませんし、データがない状態です。共通経費や委託料を財源とする事実上の補助金をどう個々の施設に分配するかは、今後の作業です。

選定委員会に、競争相手であるはずの外郭団体の理事や、市から外郭団体に派遣されている幹部職員が入り説得力を持てば、「改革」はできませんし、改革するためには徹底した市民の参加が必要です。

このページの頭へ

トップページへ


2004年7月22日(木)の井上力
外部評価は善意に満ちています

外郭団体に関する特別委員会の審査が、20日から始まりました。冒頭、審査方法について例年どおりの提案が委員長からあり、私から次のような2点の提案をしました。新社会党は理事を出していません。審査方法について理事会でどんな議論があったのか、あるいはなかったのか、わかりませんが、私の発言に対して委員長から「結論が理事会で出たこと」だという説明はありませんでした。

1.住宅供給公社が都市整備公社に吸収合併されたことなど、外郭団体の重要な動向について、特別委員会は審議機会を持たず、従って記録にも載らない。各局別に団体審査をしたあと、市長、助役に対する総括質疑の時間をつくるべきだ。

2.外部評価委員から文書報告を受け取ったが、詳しく聞きたい。参考人として招き、質疑の機会をつくるべきだ。

1点目は昨年も提案したことで、同趣旨の提案が、自民党新政会からもありましたが、実現しませんでした。2点目は初めての提案で、理事会で協議することになりました。

外部評価(神戸市外郭団体経営評価委員・平成15年度活動報告書)は3月25日に出されました。1年目も同じく第1回定例会最終日の、3月20日に出されています。

「評価委員」は岡村修、谷口知史、西村順二の3氏。
肩書きはそれぞれ、「公認会計士・税理士」「(株)日本総合研究所研究事業本部経営戦略クラスター(大阪)クラスター長主席コンサルタント」「甲南大学経営学部教授」です。

評価報告は順次紹介したいと思いますが、「外部の専門家としての視点で民間企業と比較した場合、経営面における主体性・独立性の欠如は大きな課題であると指摘せざるを得ない」など、外郭団体の本質変更を求める指摘などもある一方、各団体への「助言・提言」では「当社の場合、民間の経営者によっても必ずしも効率的な経営がなされるとは限らず、市は常に、株主として直接・間接に経営内容に関与すべき」(神戸カム(株)に対して)などとも指摘しています。

「助言・提言」は、「・・・てはどうか」という断言を避けた表現も多く、その意味では善意に充ち満ちており、「外部の(経営)専門家としての視点」にしてはトーンが上がったり下がったりしていることも特徴です。

特別委員会は、今後26日、8月2日、20日、30日、9月6日と、開催予定です。

私たち新社会党は、指定管理者制度をテコに、公的部門への大企業・民間営利企業の参入が、とくに中長期にわたって市民生活にどんな影響を与えるのか、民営化・無人化によってプロパー職員をはじめ神戸の労働者の暮らしにどんな影響を与えるのかを、解明する立場で審議に臨みます。

このページの頭へ

トップページへ


2004年7月14日(水)の井上力
闘病観察・6

85歳の母が脳梗塞で倒れたのは3月26日でした。4月30日に転院し、この月末で転院から3か月になります。退院の日は8月6日と決まりました。選挙と定例会のあいだは、妻と娘が病院に通い続けてくれました。

発音の障害はほとんどなくなりました。ツエを持って、あるいは手すりにつかまって20メートルか、ときにはそれ以上、歩けるようになりました。右手の回復はまだまだ時間がかかるようです。

「ウォシュレットやシャワーという介護ロボットがあり、左手にスプーンを持って食べ、字を書くのはパソコンで」と息子が回復訓練の方針を押しつけました。7日に選挙の不在者(期日前)投票があり、「投票はパソコンではできない。左手で書く練習をした」そうです。「はらかずみ」はうまく書けたそうですが、投票者名つまり自分の名前は練習不足でうまく書けなかったそうです。

われわれが宿っている重さ1.4キログラムの脳細胞は、働いているのは2%で、スペアが98%もあるのだそうです。障害がでた右半身が機能回復するかどうかは、母の場合80年ちかくもほとんど働かず、しかし生きていた細胞が働き出すかどうかにかかっているのだそうです。紛れもなくこれは物質であり「神」です。物質でありながら「心」そのものです。生命体のなかの生命です。

脳細胞にはたくさんスペアがあるそうですが、手のスペアは1本、しかも左右そろって暮らしてきたうちの1本で、2本分の働きをするのはかなり困難なようです。

*** * ***

母の場合、倒れて3時間後には検査が終わり点滴を始めてもらいました。「脳外科か神経内科のある病院に」という救急隊員の的確な判断や、両病院スタッフの適切な判断と設備に救われました。4日めからは昼は横にならず、車いすで新聞や小説を読んでいます。

現在入院している病院は、医師と看護士、患者と家族による「四者面談」が月1回行われます。これとは別に栄養指導があります。貼りだされているメニューを娘と埼玉から来た孫が書き写してくれました。高脂血症と高血圧を予防する食事が退院後、家族の責務となります。

よく高齢者が「お迎えが来るのを待つだけ」なんて口にしますが、病気になるとそんなヒマはありません。朝と午後リハビリがあり、立ち、歩く訓練が続きます。退院後は手すりにつかまり、車いすでの生活です。家のなかでも相当忙しい暮らしになるようです。デイケアにも通わなければなりません。

障害も軽く、関係する大勢の方々のおかげで退院までこぎ着けそうですが、定年まで「働く女性」であったこと、年金生活者であって、治療費や自宅改修費を自ら調達できるからこその「不幸中のさいわい」で「まれ」な例かもしれません。3つ目、4つ目の病院や施設をさがしている人の方が多いようです。一人暮らしの方もたくさんあります。在宅か施設か、選択できること自体が「まれ」な例かも知れません。

治療も通院も、リハビリを受けることも、気遣っていただいた近所の方々や旧知の人びとと会い「社会復帰」することも、いまや「サービスの供給」なしには不可能で、行政用語では「受益」です。しかも「受益」には負担がセットだと。

同じ病気で入院している人びとを見て、あるいは話しかけて、私が入院したときの故・笠井先生の一言を思い出しました。「椎間板ヘルニア」のページに書こうとしていたことでもあります。

即刻、「はい入院」と宣言したあと、先生は次のように続けました。

笠井先生
「家族は何人や。歳はいくつや」
井上
「妻と子ども2人、それに同じ団地の1階に住む母です」
笠井先生
「う〜。奥さんに来てもらうように連絡を取りなさい」
井上
「先生。家族を喚ぶなんて、そんな難しい病気なんですか」

ここからが笠井先生でした。立て板に水。医師ですから無口ではなかったのでしょうが、怖い形相になって・・・

笠井先生
「バカモンが。社会党というのはアホがそろとる。この前もお前の先生、太田猛とかいう県会議員が孫を連れて斜頸の手術に来よった。頼まれたから手術をしてやった。孫は火がついたように泣くわな。そしたら、ボクのまえで『お〜。だれが、だれが』とアヤし始めた。ボクは怒ってやった。

「孫がかわいい」太田猛さんの、知られていないお話しですが、今はお二方とも故人となられ、「時効」でもあるでしょうから・・・。

バカモン。孫連れて病院へ来て、医者に自分から頼んでおきながら、なにが『だれが、だれが』や。お前に頼まれたから手術をしてやったんやないか。そんなことも分からん県会議員やったんか、言うてな。

ええか。病気は患者が治す。医者はそれを手伝う。患者は自分一人で治ると思うたら大間違いや。病院は協力してやるが、家族の協力なしに病気が治ると思うか。洗濯物一つ考えても患者には何もでけへんじゃろ。思った以上に社会党はアホぞろいやな。今から先の入院と治療にどれだけ家族がありがたいか、よ〜分かる」

古いことを思い出すのは脳梗塞の前兆現象だと、だれかが書いていました。22年前、1982年夏の海星病院の思い出です。

40歳代、50歳代、脳卒中は今や労働災害でもあります。職場の上司を呼びつけて説教するような医者が、増えることを望みます。

家族が少なくなって、友人が毎日見舞いに来ているというお話も病院で聞きました。40年来の友人だと。

このページの頭へ

トップページへ


2004年7月12日(月)の井上力
原和美さん得票結果

しばらく更新を休んでいる間に、参院選が始まり終わりました。というのも誠に変な言い方です。選挙法(の解釈)に従って更新しませんでした。解釈順法です。

原和美さんへのお力添え、ありがとうございました。

民主党の大躍進、自民党の敗北。そして改憲をめぐる本格的な攻防のスタート。来年、兵庫県知事選挙と神戸市長選挙があるものの、「3年間は国政選挙がない」という状況は今後どう変わっていくのでしょう。「2大政党」が「負けくらべ」をした結果だとすると、表向きは野党が解散を求め、与党は政権を手放すまいとする究極のタマネギ政治が演じられそうな気がします。

貧富格差の拡大、失業、廃業、社会保障の後退・・・お聞きした声は選挙結果にあまり正確には反映されていないように思います。私たちの努力不足です。演説会や街頭行動・・・もっともっとお話を聞く機会を増やします。

年金空洞化、国会空洞化、政党空洞化、政治と社会の空洞化という状況のなかで、実は有権者の選択を決めたのはプロ野球をめぐる某オーナーの大暴言だったのではないか・・・という大胆な分析まで出現しました。「無礼だな。選手の分際で」だれの働きで社会が成り立っているのか、みんな考えました。

などということはさておいて、まじめに総括討論をします。以下の表とグラフは神戸市選管、および兵庫県選管のホームページからつくりました。灘区、神戸市、兵庫県の選挙結果です。

 

党派

候補者名 灘区 得票率

神戸市計

得票率

兵庫

得票率
1 無所属 片上 公人 804 1.52

11,236

1.77 44,345 1.88
2 日本共産党 大沢 辰美 8,615 16.25

99,344

15.68 330,834 14.02
3 無所属   原 和美 6,546 12.35 52,673 8.31 172,390 7.30
4 無所属 宮本 一三 1,236 2.33 14,658 2.31 111,583 4.73
5 民主党 水岡 俊一 18,958 35.75 239,401 37.78 910,114 38.56
6 自由民主党 末松 信介 16,864 31.81 216,320 34.14 791,286 33.52
 
  有 効 投 票 数 53,023 100.00 633,632 100.00 2,360,552 100.00
  無 効 投 票 数 1,950   21,955   104,980  
  投 票 者 総 数 54,979   655,625   2,465,532  
    当日有権者数 101,620   1,213,403   4,474,058  
    投票率 54.10   54.03   55.11  

このページの頭へ

トップページへ