2004年12月の井上力
神戸空港・医療産業都市構想のほころび顕在化

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12月26日(日) 同床異夢ですね
12月25日(土) 産業振興局の「得点」?は
12月24日(金) 闘病観察・10
12月22日(水) あの模型は今・・・
12月21日(火) ANA・JALの就航表明
12月20日(月) 「介護予防」と「通院予防」
12月15日(水) 定例会、前半をふりかえる
12月1日(水) まちを語る会

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2004年12月26日(日)の井上力
同床異夢ですね

先日の神戸市会「空港・新産業に関する特別委員会」に配布された図面と同じ図面が、全議員に配布されました。

 755億円=医療産業都市構想にすでに投入された公費
 560億円=ポートライナー(新交通)の複線化延伸工事
 400億円=市民病院の新築費用
3,140億円=空港島の造成費用

この写真のなかに写っているものだけで、これだけの公費をすでに、被災都市・神戸は「復興」「新産業創造」「企業再生」に不可欠として投じてきました。

まわりの空き地をご覧ください。なお、「草原」のようなポートアイランドU期と空港島には「民間企業と国や県の施設」が次々と建設されるとしています。27日のANA・JALの就航表明は、その必要条件だそうです。大手航空会社には過密の羽田空港の発着枠を確保するという目的があります。

神戸市には開港当初の着陸料収入確保という目的があります。本当は格納庫用地の売却というもっと大事な目的がありましたが、それは後回しのようです。

ポートアイランドU期も、空港島も、分譲から賃貸へ、賃貸から無償貸与へ、使用許可からインセンティブ補助(優遇)へ、財政計画はどんどん変更されています。

下のグラフは「10月の井上力」に掲載したものの再掲です

下の写真は、神戸市企画調整局・医療産業都市構想推進本部(三木主幹)から神戸市会事務局の手をとおして全議員に配布された文書から、その一部を転載し、「市民病院移転先」を付記したものです。

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2004年12月25日(土)の井上力
産業振興局の「得点」?は

きのう、文化ホールや産業振興センターの指定管理者(候補)が発表されました。(候補)となっているのは、市会に議案として提出されるからです。2月に開会される予算市会で提案されます。

従来から随意契約(と見なされる)だった外郭団体が、この2件については指定管理者となりました。得点がとても高く、得点から判断するかぎり、誰がどう見ても「妥当な決定」です。

でも得点がどうつけられたかは、詳しく説明を聞いてみないとわかりません。「選定委員会」が選定しました。工事契約で「コンペ」が流行りました。いまはPFI大流行です。大阪のドームやフェスティバルゲートタワーほどではないにしろ、破たんしたとき「コンペ選考委員会」も「指定管理者選定委員会」も、責任を取ることはありませんでした。

産業振興センターも大事ですが、産業振興の現状やいかに。

きのう神戸市が発表したもののなかで、注目したのは工業統計です。平成15年の「全事業所」データ(http://www.city.kobe.jp/cityoffice/06/013/toukei/pdf/kougyou/14kiji.pdf)が発表されました。

「いずれも平成2年以降減少傾向」と「ものづくり」が沈滞。「平成5年('93年)を100とした指数で見ると、神戸市は事業所数(58.8)、従業者数(65.3)、製造品出荷額等(74.5)」だそうです。

「震災は、元に戻すだけではダメで、その間にも先へ歩んでいる他都市に追いつかなければならない」・・・神戸市復興施策である空港=(3,140億円+新交通560億円など)と医療産業都市構想(755億円+市民病院移転400億円など)の「成果」です。

月曜の『おはよう新社会党です』に、「従業者数4人以上の事業所」のデータを載せます。こちらも、一昨年の時点で、事業所数は2,500を割り、従業者数は7万人を割りました。

「都税収入4兆円回復」など、どこの国の話しでしょうか、とTさんからメールをいただきました。産業振興センターの指定管理者応募企業を採点しているヒマがあれば、神戸市の産業振興施策そのものの採点をすべきだと思います。

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2004年12月24日(金)の井上力
闘病観察・10

私の母が脳梗塞で倒れたことを知るI・Tさんから昨夜電話がありました。イニシャルが私と同じITでもあり、友人です。

「親父の様子が先ほどからおかしい。足元がふらふらしている。口調はしっかりしているが・・・」。「素人の判断は危険」と救急車を呼んで、「脳外科か神経内科のある病院をお願いします」と言うべきだとすすめました。

打ち合わせのとおり運ばれた病院(中央市民病院でした)から電話を受け、私も駆けつけました。深夜12時頃に点滴が始まり、救急病棟へベッドを移してもらって3時頃帰りました。きょう昼にも訪ねてみましたが、手や脚の障害は母より軽そうです。けさ帰るときより意識ははっきりしておられました。予断を許さない状態で、3月26日の自分を思い出しました。

家族やまわりのものにできることが多いのか、あるいは少ないのか。

母の場合、倒れて9か月、退院して4か月半。つまり倒れたあと、入院と退院がちょうど半々になりました。大勢の方々に励ましていただき、もちろん入院中は医師・看護師はじめ無数の方々に厄介になりました。

私たちは、津野公男さんの強いリーダーシップの下で、医療生協を四半世紀前に立ち上げました。「入院するような大病を患わないように」「治療偏重の日本の医療を改革する」「予防と社会復帰=リハビリ重視の医療機関」「そしてそのための組合員の運動」

外食が増え、食生活が極端に不健康になり、残業が増え、保健所はどんどん小さくされ・・・そればかりか病院への営利企業の参入が公然化し、胃ガン検診受診者が33,000人から13,000人に激減するような「600円助成の節約」がまかり通っています。

これらは医療生協を志した者の敗北だと受け止めなければなりません。役所や国保が悪いのはもちろんですが、昨晩倒れたIさんや私の母の脳梗塞を経験して、そんなことを考えました。

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2004年12月22日(水)の井上力
あの模型は今・・・

きょうで定例会も終わりました。中田作成先生などから出された請願について討論に立ちました。以下はその一節です。

最近私は、かつて1号館24階にあった空港島の模型が廊下の踊り場に置かれているのを見つけました。かつて空港島の方を見ながら多くの人が見ていたあの模型です。

ある人は「ムダな公共事業や」と語り、またある人は「空港をつくれても震災で家をなくした人の家が建てられへんて、おかしい」と言い、あるいは「住民投票しておけばよかったのに」と言い、ボランティアガイドの方が困った顔をしておられる姿も見かけました。あの模型には島の上にたくさんのビルや格納庫、あるいは工場風のものがびっしり建ち並んでいます。

開港を1年2か月後に控え、島が模型に近づいてくるのではなくて、どうも島の姿と模型が遠ざかっていくことを証明する記念碑になっているかのようであります。あれでは、人目を避けて階段の踊り場に隠したくなる気持ちも分かります。

模型をご覧になりたい方も多いと思いますが、今、階段の踊り場に置かれています。「不審なものを見かけたら、ご連絡ください」という最近よくある貼り紙に、忠実な方なら「あれは何だ。なぜこんな所に置いているのだろう」と疑問をお持ちになると思いいます。

各紙が伝えた神戸空港への大手航空会社の就航情報についても、きょうの討論で触れました。久しぶりに「いまどきの神戸空港」と「ちかごろの井上力」を更新しました。

定例会報告の街頭宣伝をA3のニュースができあがってくる27日(月)に、市内一円で行います。見かけられたらご声援をお願いします。

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2004年12月21日(火)の井上力
ANA・JALの就航表明

『朝日』の夕刊が「ANA・JALが神戸空港に就航」と報じました。かねてから神戸市は「ターミナル会社に出資しており、施設協議も始まっているので、就航してもらえる」という見解を言い続けてきましたから、大ニュースではないはずですが、なぜかこれが大ニュースです。

神戸市幹部は「ありがたい」「ありがたい」と、2度言ったかどうか分かりませんが、「ありがたい」そうです。開港時で27便の計画が相当下回ることが確定したのに・・・。

スカイマークが1年前に就航表明をしました。その第4位の株主は神戸にとても縁のある人で、規制改革会議で病院への株式会社参入などを推進してきた人です。神戸大使となり、近鉄球団を買収して大阪ドームの値下げ交渉をしている(会社の)人です。

神戸の野球場はヤフーに逃げられ、オリックスも試合数半減のうえ、3年後に撤退ということが決まっています。

10月18日に白羽カントクから次のようなメールをいただいていたことを思い出しました。

ご存知でしょうが、スカイマークの大株主はオリックスです(比率第3位)。
そのスカイマークは伊丹空港から数年前に撤退、神戸空港への就航を発表しています。
ただし格納庫は買わん、と。
神戸市買ってえな、と。
格納庫買うてくれへんかったら、飛行機飛ばさへんで、ANAもJALも飛ばない空港、どうすんの?

格納庫用地の問題は、どうなったのでしょう。平米あたり27万円(島全体の平均で)という高額の土地ですから、3社とも軽々しく「購入する」とは言うはずがありません。次のような『航空事情』というサイトの指摘もあります。

オリジナルの投稿者の方への質問だったかもしれませんが、個人的な考えを申し上げると、神戸空港の開港時に日本航空、全日空が乗り入れるとは思えません。スカイマークが乗り入れを表明していますが、羽田〜関西空港線を廃止して、羽田〜神戸線を開設することになると想像します。

全日空は、伊丹に発着枠の問題が生じた場合、一部のターボプロップ機で運航している路線などを神戸に移す可能性はあるかもしれませんが、路線網の中核には組み込まれないと想像します。

日本航空との共同運航としたスカイマークの羽田〜関空線は、単に座席の相互交換だけで、販売協力にまでは至っておらず、新幹線や伊丹との競争に関空では、これまでの同社路線以上に苦戦するのではとも想像しています。

千円、2千円の違いでは、伊丹の利便性には勝てないと思います。また、同じ関西圏に羽田から2路線を設けるだけの財務力や販売力はないでしょうし、どちらが羽田からの乗客が期待できるかと言えば、大手との競争はないだろうと思われる神戸線となり、神戸を優先することになるでしょう。

従って、大ニュースなのです。神戸市にとって「ありがたい」と「幹部」が何回言ったとしても、実は格納庫用地が売れなければ、空港島造成の財源は調達できず、まるで「ありがたい」どころの話しではなくなるのです。大ニュースです。

平米27万円の分譲価格は、平米450円/月で賃貸すると・・・
270,000/450=12*50つまり、金利などいっさいを捨象して50年という長い年月をかけて造成費を返済することになります。

たぶん誰もそんなことを、50年間、覚えていません。

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2004年12月20日(月)の井上力
「介護予防」と「通院予防」

介護保険の「見直し」で、高齢者に中高生のスポーツクラブ並みの「筋トレで介護予防を」などと、とんでもない「迷案」が出ています。「使わな損」だと考える人が仮にいたとしても、そう思わせるような制度にしたのは誰でしょう。高齢者の暮らしの現実を知らない人々が負担を強制しています。

けさの『おはよう新社会党です』の「グラフで読む神戸市政」は介護保険見直し問題でした。「介護予防」は、医療に置き換えると「通院予防」とでも言うものでしょうか。

「要介護4」と「要介護5」で、いわゆる「利用率」はどんどん上がっています。神戸市のサイト内にある「・・・利用割合の推移」が(PDF形式ですが)詳しい。新規に認定される人で増加著しいのは「要支援」と「要介護1」だと言って慌てる方がおかしいと思います。

ろっこう医療生協の鳴海妥先生から教わった「健康曲線」では、病気は急に悪くなり、治るのはゆっくり。老化はゆっくり進むから老化であって、急に悪くなった場合は病気でしょう。

日本語では、「通院予防」ということばはありません。「治療予防」や「手術予防」「入院予防」「処方予防」も。「介護予防」というコトバ自体が怪しすぎます。

要介護度別利用限度額に対する利用割合(単位:%)
データは神戸市介護保険課のホームページより


支援


介護1


介護2


介護3


介護4


介護5

全体

利用率

40.4

32.4

44.5

48.7

54.8

59.0

42.7

 

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2004年12月15日(水)の井上力
定例会、前半をふりかえる

市会定例会も前半を終えました。日程的には三分の二を終えたところでしょうか。来年度予算編成に直結する議会でしたが、緊張感欠如が目立つのは、議員にとって選挙と選挙の間だからでしょうか。

「神戸空港開港を1月17日、震災の記念日にしてはどうか」など、開いた口のふさがらない質問が公然と行われました。

医療産業都市構想への公費の支出は、すでに755億円(733と間違って記し、20日に訂正)にのぼっており、財政計画には基づいていないし、今後も財政計画をつくる計画はない、ただ支援は今後20年間必要(企画調整局長と鵜崎助役)。

市民病院の移転について、もう一度条例に基づく「市民意見の募集」をするが、意見はもともと賛否を問うものではなかったので、参画条例を保健福祉局は適切に運用したと考えている(市民参画推進局長)。

胃ガン検診で600円の負担が必要となったために受診者が33,000人から13,000人に激減したが、改善したい。QOL生活の質という市長見解から日常生活用具の給付や住宅改修について、介護保険見直しのなかで検討する(保健福祉局長)。

「武力攻撃事態への対処」を神戸市事務分掌規則に盛り込んだ際の内部の議論は、乱雑なメモしか残っていない。上層部には相談した(危機管理室長)。「武力攻撃事態」という文言は、法律ができて成熟した用語となった(梶本助役)。

観光交流都市の実現のなかで、公衆トイレや市民トイレの改善をはかりたい(観光監・生活文化観光局長)。

地球温暖化防止条約の発効に備え、市内大企業の環境報告書は取り寄せて配布したい(環境局長)。

以上が、私への決算特別委員会・第一分科会と総括質疑での答弁です。議員団でニュースをつくり、27日に街頭報告をします。

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2004年12月1日(水)の井上力
まちを語る会

日記というよりビラのお知らせ欄のようですが、以下のイベント(新設の灘総支部のホームページでは、日程のことをこう呼びます。いまどきの若者は)をよろしく。

市会の方は決算特別委員会が設置されており、きょうから11日まで分科会での各局審査です。私の所属する分科会は
2日・企画調整局
3日・保健福祉局
・・・などとなっており、私は毎日午後4時に発言します。もう一つの分科会では、加納花枝議員が同じようにがんばっています。

住宅改修見学会 12月4日 (土) 10〜15時 鶴甲団地105
住宅改修勉強会 12月4日 (土) 午後7時〜 六甲道勤労市民センター
まちを語る会 12月10日 (金) 午後7時〜 西郷小学校
まちを語る会 12月17日 (金) 午後7時〜 鶴甲会館

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