画 Sachiko Tanabe
井上力にメール

ここがお粗末 神戸空港

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お便りは井上力へ

タイトル

更新(追加)日

機長、CAの労働基準は?

2010年8月31日

利用者 計画の3割台に

2010年8月27日

航空機燃料税下がると・・・

2010年8月18日

神戸空港に自立の道?

2010年8月9日

古くなった需要予測という手法

2010年6月10日

ついに人手に渡る・・・か(2)

2010年5月17日

ついに人手に渡る・・・か

2010年5月13日

混迷・関西3空港(2)

2010年4月19日

混迷・関西3空港

2010年4月13日

2年ぶり対前年同月増も危機は深刻

2010年月5日

規制緩和ここまで

2010年月11日

「地方空港は地方税で」宣言

2010年月10日

茨城空港開港記念フライト満席

2010年月1日

<搭乗率=採算>の瓦解

2010年月10日

やっぱり二番底

2009年12月7日

日航撤退の背景にあるもの

2009年11月9日

日航が神戸空港から完全撤退

2009年11月5日

流用477億円 支払利息は399億円に

2009年10月30日

「入場者数」か「入出場者数」か

2009年10月6日

JALもANAも・・・「ダイジョウブだ」

2009年9月24日

JAL撤退でどうなる?(試算)

2009年9月17日

神戸空港は着工10年

2009年9月9日

利用者減/連続16か月に

2009年7月8日

「健闘」に「復興支援」

2009年6月17日

いつまで続く?利用者減少

2009年5月13日

ついに13か月連続減(1か月乗客)

2009年4月7日

ついに17万人台(1か月乗客)

2009年3月7日

いよいよスカイマーク空港

2009年2月3日

乗客減少・年間25万人

2009年月10日

羽田激減その他も厳しく

2008年12月16日

8か月連続の対前年割れ

2008年11月8日

チャーター便飛べど

2008年9月7日

利用者減る一方

2008年7月12日

利用ピークを越した?

2008年4月10日

新年度は管理収支の赤字必至

2008年4月3日

319万人に届かず  さらに2年間

2008年1月31日

あらためて空港島売却計画について

2007年5月17日

3たび「ありとキリギリス」

2007年3月28日

搭乗率下落とまらず

2007年2月12日

偽装空港の本領発揮

2007年1月13日

あいつぐ撤退(続報)

2006年12月27日

あいつぐ撤退

2006年12月25日

スカイ便、搭乗率回復したが・・・

2006年11月12日

質的に変化し始めた神戸空港

2006年10月12日

搭乗率低迷

2006年8月17日

これで黒字というの?

2006年2月23日

 

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2010年8月31日に追加

機長、CAの労働基準は?

スカイマーク社は頻繁に「就航」と「運休」を繰り返しており、神戸市が国交省などに予算要求した際の根拠が日に日に崩れています。

夜12時までの離発着など、規制緩和を求める神戸市の国に対する要望の根拠はスカイ社の計画だけでした。

19便/日(7月)まで落ち込んだ神戸空港の定期便を、神戸を拠点にしたとするスカイマークが27便/日まで増やす予定で した。今年10月21日の羽田の新滑走路・ターミナル供用開始が迫り、来年3月12日の九州新幹線が視野に入ります。 JALの更生計画は大量の人員削減計画で、空でも労働力は買い手市場です。九州新幹線やリニアは、航空需要の減少と予測するのが妥当だと思うのですが・・・。

いわゆる「自立」への第一歩ですが、自立と言っても競合相手もあり、飛行機は飛べば降りる飛行場が必要です。来年度国家予算要望は、次のとおり。「参考」もあわせて読むと・・・。

(1)スカイ社の事業計画提案では、神戸空港の運用時間の延長が必要

(2)スカイ社の計画は「いずれも国の発着規制(羽田・那覇)をクリアすることが条件」

↓ 就航都市数は開港の頃、以下のとおりでした
↑ 日経新聞が報じたスカイマークの増発計画
(『日経』8月7日)
↓ 神戸市が国家予算要望に「参考」としてつけられた文書の一部
神戸市)ファイルを開いて8ページめ

8月7日に『日経』がスカイマークの北九州空港への参入を次のように報じています(要旨)。タイトルは「北九州−羽田、深夜発着で6割安 スカイマーク」「那覇便も『24時間運用』活用

8月10日からスカイマークが北九州−羽田、北九州−那覇の2路線。9月から鹿児島−羽田、10月から熊本−羽田も。スターフライヤー航空やスカイネットアジア航空と競合。

北九州−羽田は14,000円。スターフライヤーの34,800円の4割。前割21と名づけられた3週間前購入の航空券なら7,800円。那覇への到着は午前2時10分。航空機が稼働していなかった時間帯に飛ばすため「収支トントンでも構わない」と。

記事はこのあと、スターフライヤーの対応を書いています。

なお、スカイ社がき のう発表した11月のダイヤでは、羽田着2時15分(北九州0時50分発)という便が飛ぶそうです。午前2時15分着です。小倉−品川の新幹線正規運賃・特急料金は21,890円です。

機材は夜勤手当を要求することもなく、基準どおりの整備が行われればいいのでしょうが、機長やCAの労働基準はどうなっているのでしょう。国際線なら当たり前という反論があるでしょうが、北九州−羽田はれっきとした国内線です。外国人パイロットと「労働ダンピング」(中野麻美さん)下の労働力の売買。航空局は事故が起こるまで目をつぶり、労基署は訴えがあるまで見過ごすつもりでしょうか。

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2010年8月27日に追加

利用者 計画の3割台に

 産経新聞は、3空港懇に参加する大阪府に対し、議論のたたき台となった資料のすべての公開を求める情報公開請求を実施。空港別の需要予測が非開示とされたため、異議申し立てを行った。府情報公開審査会は24日、府に対し全面開示を求める答申を出していた。

と、報じたのは『産経新聞』8月25日夕刊(1めんトップ)でした。知事、市長ら多くの公人が手にし、兵庫県は独自の試算をして対抗したデータが、ひた隠しにされてきたのですが、明るみに出ました。すでに関西の官・財界の「3空港一体運用」案は、国交省成長戦略会議の結論で完全否定されていました。4月にも『産経新聞』などが会議の様子を報じ、「伊丹の930万人」「3空港で1,500万人」ということは「残りの570万人を関空と神戸が、どう分けあうのだろう。いったいどこまで少なくなるのか」と思ったものでした。

3空港需要予測を、兵庫県がおこない、昨日発表しました。何と最大4,721万人(平成34年=12年後)だそうです。財界=関経連(懇談会事務局)は16('04)年度1,948万人がピークで、需要予測は平成32('20)年度1,551万人、平成37('25)年度1,623万人、世界経済の低迷が続き、リニアが開業すれば930万人としました。(兵庫県に資料請求中)上記の数字はけさの『産経』より。表にしてみると以下のとおりです。
と、このページに書いたのは4月13日でした。上記「請求中」にくわえ、中田作成さんが産経と同様の公文書公開請求をしておられます。

今回の記事を元に、表を造り直してみました。赤ベタ白ヌキ(背景を赤くし、文字を白で)部分が、関経連(3空港懇談会事務局)が出して非公開とされていた需要予測です。

(いずれも西暦、年度   単位:万人/年)
関経連 '04年伊丹
実績
'20年伊丹 '25年伊丹 伊丹
下方値
1,948 1,551 1,623 930
  '25年3空港/国内線 リニア開業後3空港/国内線  
  2,344 1,500  

'07年神戸実績

'25年神戸  リニア開業後の神戸  

297

245〜289(下方値〜上方値)

137〜162(下方値〜上方値)

 
兵庫県   '22年3空港(最適運用) '22年3空港(現状維持)  
  (国際線を含む)4,721 (国際線を含む)4,213  
神戸
空港
'09年実績 '10年〜'14年度 '15年度以降  

233

403 434  
 

137万人は、神戸市の計画434万人の32%、162万人は、同38%(いずれも小数点以下切り上げ)にすぎません。

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2010年8月18日に追加

航空機燃料税半減
利用者に吉報/空港設置者に凶報

神戸空港の着陸料収入が、計画とまったく違ったものになっていることは周知の事実です。'07年度以降をグラフにすると以下のとおりです。資料は神戸市。市のトップページからだと→くらし・手続き→交通・空港→神戸空港→アーカイブス→財政計画→開港後の管理収支。グラフと表を、'06年度からのものに21日、差し替えました

単位:百万円

  '06年度 '07年度 '08年度 '09年度 '10年度 '11年度
  計画 実績 計画 実績 計画 実績 計画 補正 計画 予算 計画
着陸料 779 899 1,220 899 1,305 738 1,592 687 1,667 608 1,667
停留料 8 10 11 12 12 9 26 11 26 11 26
土地使用料 37 45 37 45 37 45 37 45 41 45 41
地方交付税 120 110 196 193 240 232 328 333 410 414 484
県補助金 158 158 209 195 227 244 251 261 299 265 199
航空機燃料譲与税 84 197 187 195 199 182 213 164 222 150 222
雑入等 1 74 1 15 1 149 1 334 1 573 1
収入合計 1,187 1,493 1,861 1,554 2,021 2,448 2,448 1,835 2,666 2,066 2,640
                     
管理経費等 739 727 739 754 739 650 739 662 739 636 739
消費税 0 0 24 0 48 44 52 29 67 25 72
市債償還費 323 288 547 501 795 732 1,148 1,134 1,411 1,395 1,654
予備費 10 0 10 0 10 0 10 10 10 10 10
支出合計 1,072 1,015 1,320 1,255 1,592 1,426 1,949 1,835 2,227 2,066 2,475
                     
収支 115 478 541 299 429 173 499 0 439 0 165

国交省が航空機燃料税の引き下げを(年末の政府税調で)行うと報じられています。旧空港特会(空港整備勘定)の財源が地方空港の乱造につながり、航空会社に赤字路線就航を押しつけ、日航破たんをもたらしたという国交相の言い分です。離島や半島、北海道や南西諸島など、他に代替する交通手段の少ない地方空港が、神戸空港や静岡空港の巻き添えにされるのは気の毒ですし、これが市場主義ということでしょう。同税が環境対策に使われず、就航機を増やし(結果として)環境を悪くするために使われてきたのも皮肉です。

航空運賃が引き下げられるという利用者への吉報は、空港設置者には凶報です。'09年度実績の1億6,400万円から半減して8,200万円かそれより少なくなります('11年度の計画は2億2千2百万円)。神戸空港の管理会計に大きな穴があくことは必至です。これまで次年度への繰り越しや「基金」から「雑入等」として収入に計上してきた財源も枯渇し、もともと数字の根拠があいまいな地方交付税と県補助金では赤字を埋められず、借金の返済額も増えます。すでに着陸料収入は「市債償還費」の半分以下となり、着陸料収入だけでは管理経費(人件費や電気代など)さえ捻出できない状態です。

政府税調への国交省の要求の中身が明らかになりました。地方分(航空機燃料譲与税)については据え置きとするそうです。8月26日追記

この種の会計にひとたび赤字が生じるとどうなるか、ベイシャトル(海上アクセス)の例でも明らかです。

「三空港の一体運用までの間、夜間離発着など規制の緩和を」という「要望」は何とうまく的をわざわざ外しているのでしょう。的外れ。規制緩和されれば管理費の支出は増加し、ラッシュ時間帯以外の時間帯の便が減るだけです。

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2010年8月9日に追加

神戸空港に自立の道?

(1)日航撤退後の神戸空港

2010年6月1日、鳩山政権がガタガタ音を立てているなか、神戸空港は日航の就航しない空港となりました。6月と7月の旅客数は以下のとおりです(神戸市発表)。

 

6月

7月

2009年

176,829

199,592

2010年
対前年

144,341
81.6%

161,026
80.7%

ANAが機種を徐々に大型に替え、「提供座席数」は、7月のANAが120,546席(対前年4,774席増)、7月のSKYが101,598席(対前年46,728席増)でした。提供座席数の総数では58,408席減(AMXを含む)です。「日航の穴をスカイに埋めてもらう」と神戸市は言ってきましたが、そのようにはなっていません。SKYの提供座席数が10万を超えたのも初めてではありません。過去最大は、開港第2年度('07年)8月の119,399席でした。

(2)財界が「決起」

「神戸空港の在り方」に関する地元選出国会議員と神戸経済界との懇談会が8月5日に開かれたそうです。「神戸地区選出国会議員」は民主、自民、公明3党、「神戸経済界」は神戸商工会議所、兵庫県経営者協会、神戸経済同友会、兵庫工業会、神戸青年会議所の5団体で、市長と市会正副議長はオブザーバーだそうです。

「関空と伊丹の経営一体化」(国交省)「民営化して関空が神戸空港を経営」(市長)「民営化」(神戸商工会議所)「三空港の一体運用」(かつての県・市と神戸商工会議所)・・・紆余曲折がありました。

兵庫県・神戸市・神戸商工会議所の三者で5月31日、国交相あて要望がすでに出されており、参院選結果を受け、財界と新旧与党の間で再出発ということでしょうか。

「関西3空港の一体的効率的運用を実現させるとともに、それまでの間、神戸空港の運用規制の緩和など機能強化を」

神戸新聞』は「地元財界に危機感、神戸空港の規制緩和に向け決起」と報じました(6日朝刊)。写真説明では「神戸空港が自立する方策を話し合った」とも。また記事は「議員側の冷静な反応も浮き彫り」と伝えたのでした。

だされた方針は、以下の規制を(一時的に)撤廃すること。

▽1日15時間の運用制限
▽同60回の発着枠
▽自己利用チャーター限定の国際便

8月9日現在の出発回数・到着回数は次のとおりです。なお、9月からスカイマーク社が縁浅からぬ鹿児島へ、一日3便(離着陸6回)就航、9月は茨城便休止。

  出発便 到着便
7時台
8時台
9時台
10時台  
11時台
12時台
13時台
14時台
15時台
16時台    
17時台    
18時台  
19時台
20時台
21時台
     
20 20

15:55発の那覇行きANAが飛んだあと、18:55札幌からANAが着陸するまで、滑走路も見学者も売店も「運用時間」に、ちょうど3時間の空きがあります。発着回数では20回ゆとりがあります。朝晩の「ラッシュ」時、電車と一緒にはできないでしょうが、1時間に最大4本、まだまだゆとりがあるのです。問題は運用時間や発着回数ではないのです。

規制のあるなしにかかわらず、財界は利用者を神戸空港に送り込む自信があるとも思えません。誰も規制していないのに、空港島の用地を買う企業がありません。財界は2,000億円そろえて周辺の用地を買い、そこで大量の雇用を創り出すこと、まずその約束を果たすために「決起」してほしいのです。

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2010年 6月10日に追加

古くなった需要予測という手法

国土交通省・成長戦略会議の報告書と、「成長戦略の工程表」は、いずれも5月17日。とりまとめ素案から「工程表」に進んだことが特徴です。

関西3空港のうち「関空・伊丹」の2空港について(1)関空・伊丹の持株会社方式による経営統合に係る地元等関係者調整、関連予算要求、法案準備(2)関空の国際競争力強化策は、LCC誘致、貨物ハブ機能の強化策(3)伊丹を関空の補完空港として活用、などは来年度概算要求(つまり、さっそく)段階。

関空・伊丹の持株会社方式による経営統合は2〜3年後に実現するとされています。そして伊丹を「将来的なリニア等の周辺状況の変化等を見通し、廃港・関空への一元化を検討する等、民間の経営判断により、具体的な活用方策を決定」とも。

ここに、(1)これまで投じた税金の多少と関係なく、伊丹の廃港を決定するのは民間(市場原理に委ねると読め)であることと、(2)神戸空港については経営統合の対象外であることが宣言されたのです。もう一つの大きな特徴は、(3)需要予測ありきの従来の手法は成田と羽田について適用し、関西3空港については適用しないと宣言したことです。過大な需要予測が大量のムダな滑走路を造ってしまったというわれわれの批判が的を射たということでしょう。

5月10日、神戸の商工会議所がこれに先ず反応し、兵庫県知事がその日のうちに、神戸市長もやや間を置いて、「神戸も民営化するから仲間に入れて」と、やってしまったのでした(このページのちょっと下をご覧ください)。兵庫県=神戸市連合軍が需要予測が、鉛筆をなめ、こんなもんだ、いやもっと多いなどとやっているうちに、経営者が過半数を占める成長戦略会議と大阪府知事連合軍が、上記の結論をさっさと出してしまったのです。

『科学的社会主義』誌に投稿した文書はトップページからもリンクしています。

さて、中田作成さんが、兵庫県に行っていた情報公開請求に対する回答があったそうです。開示されるべき公文書は次のとおりです。

関西3空港懇談会に提出された(1)懇談会事務局による3空港の需要予測(2)兵庫県による3空港の需要予測。いずれも予測のバックデータ<根拠・前提など>を含む、と完璧です。請求されたのは4月19日。最終的に文書が部分公開されたのは6月7日だったそうです。

・・・ちょっと用ができ、中断します・・・ 更新を忘れ、とりあえず以上。8月9日


2010年5月17日に追加

ついに人手に渡る・・・か(2)

「民営化して関空・伊丹と経営統合を」と県(5月10日の定例会見)・市(5月13日に市長が記者に)・財界(5月10日の定例会見)の足並みがそろったように見えます。あらためて私(たち)の懸念することをまとめてみると、次のとおりです。

(1)神戸空港については、「用地を売却して造成の際の借金は返済できる」としてきた従来の市民との約束を果たすこと。

(2)負の財産とは言え市の財産処分を県と商工会議所が発表し、4日後に新聞記者の取材に対してこれに追随したことは由々しき事態。すべてを撤回し、また撤回を求めること

(3)国交省・成長戦略会議の「とりまとめ素案」について、評価(知事発言)より前に、その説明を受け、県民、市民に説明すること

問題は、あまりにも深刻です。そもそも政府出資の持ち株会社が関西空港株式会社と「株式会社化された伊丹空港」を傘下に納めるというのですが、「バランスシートの改善」(とりまとめ素案)以前に、そもそもバランスシートたり得るのかこそが疑問です。破たんと破たん処理、すなわち債権放棄、そして二次破たんから行政が建設費の十分の一以下の価格で買い取らざるを得なかったWTCと同じ道筋を歩むように見えます。WTCの場合は府庁移転ということが焦点化されました。このときこれを「成長戦略」と呼んだ人はいません。今度は「管理権の値段は1兆3千億円という関空の負債解消と釣り合うのか」「管理権にどれくらいの値がつくか」「神戸がくっついてくるとその値段は上がるのか、下がるのか」・・・など。

神戸空港には250億円の国の補助金、そして市や県の補助金が入っています。そのまま、つまり行政が債権放棄せずに民営化する、株式会社化するのかどうか。神戸空港の特会には県の補助金や市の交付税が入っていますが、関空と同様に「なお、新たなスキームに基づく経営の抜本的効率化を図るまでの間は、激変緩和の観点から、時限的に何らかの支援措置が必要となるケースも想定される」(とりまとめ素案)と、おおらかに救済されることがあるのか、どうか。それどころか、国の補助金を返済し、つまり持参金を付けなければ持ち株会社の傘下に入れてもらえない可能性が大きいように思えます。

そもそも神戸空港は「民営的手法」を駆使して市場原理に委ねた「管理」をしてきたのです。関空と同様に「再民営化」したとして、民間資金は集まるのでしょうか。神戸空港が売りたいのは周りの売却用地です。それを買わない財界に、滑走路(の管理権)を売るのでしょうか。


2010年5月13日に追加

ついに人手に渡る・・・か

国交省成長戦略会議が4月28日、同省所管の5つの分野について「成長戦略」「とりまとめ素案」をだしました。151ページにおよぶ報告書です。『科学的社会主義』誌に関西三空港問題で投稿しました。発売されたらアップしたいと思います。

航空に関しては、羽田、成田のまばゆいばかりの未来を描いています。関空と伊丹の経営統合への道を示して関空補給金の凍結を解除します。加えてオープンスカイに踏み込むこと。LCC(ロー・コスト・キャリア=格安航空会社)に門戸を開けること。3空港懇談会の結論とは異なる内容であることから、「神戸はずし」だ、「神戸も民営化して経営統合を」と、10日、神戸商工会議所会頭と兵庫県知事が発言しました。

けさのビラで「最悪のシナリオ」と以下のように指摘しました。

********************

神戸商工会議所の水越会頭と井戸・兵庫県知事が10日、神戸空港を民営化して関西3空港の一体経営が望ましいと定例記者会見で表明しました。

神戸空港を造る前にも心配の声を上げて住民投票を求め、利用者が年々減ってまた心配している市民を、無視した大フライング発言です。発言を撤回し、神戸空港と関西3空港が陥っている危機について説明し、そのような関西3空港、5本の滑走路を無謀にも造りつづけてきた県と市、および財界の不明を詫び、この危機を打開するために市民の協力を仰ぐ議論を呼びかけるべきです。

4月28日に国交省・成長戦略会議がだした航空分野の「とりまとめ素案」は、昨秋来、大阪府知事と兵庫県知事が市民不在で繰り広げてきた場外乱闘の軍配を橋下知事の方に上げました。伊丹はいずれ廃港、民営・関空をもう一度民営化し、民営化した伊丹空港と経営統合するとしました。

神戸空港については造成段階の負債返済のため、用地を売却することが市民との約束です。関西空港に出資し、伊丹の存続も、つまり3つの空港、5本の滑走路に自ら責任を負うべく行動してきたのが神戸の財界と知事や市長です。

その責任を果たすより前に神戸空港を人手に渡すのでは筋が通りません。最悪のシナリオです。


2010年4月19日に追加

混迷・関西3空港(2)

3空港懇談会(12日)にだされた関西経済連合会の「関西3空港の将来需要予測」には重大な欠陥があります。「世界経済順調回復シナリオ」「世界経済底ばい継続シナリオ」のそれぞれ「上位」「下位」を想定しているのは手堅そうに見えますが・・・。

(1)兵庫県も使っている航空分科会の試算や内閣府の経済成長率予測が前提になりうるか?

(2)なかでも人口減少が交通・運輸分野に与える影響は無視できない

(3)兵庫県の需要予測と同じく、成田・羽田発着枠の拡大が関西3空港にプラスの影響を与えると試算しているが、関空から羽田へシフトする国際線の計算は不要か?

関経連のデータを紹介します。

  2000年 2005年 2008年 2009年 2010年 2015年 2020年 2025年  
国際旅客 1,285 1,114 1,011 910          
      最大値 930 1,071 1,212 1,345  
      最小値 890 813 829 875  
  2000年 2005年 2008年 2009年 2010年 2015年 2020年 2025年 リニア開業
国内旅客 2,396 2,416 2,318 2,044          
      最大値 2,092 2,277 2,442 2,586 1,600
      最小値 2,036 1,965 2,044 2,111 1,350

下は、同じ会議に兵庫県知事が出した需要予測を加えて一つのグラフにしたものです(関経連は最大値のみ、リニア開業後を削除しています)。リニア開業後の国内線を除けば、控え目な方も願望丸出しの方も、なにやら小学生が夏休みの終わりに宿題をがんばる姿のようなグラフです。実態は、関西国際空港も大阪国際空港も、兵庫県元知事が提唱する大阪湾国際空港も、「着陸料と航空券のダンピングが国際化する国内線空港」なのです。

自動車を空輸する時代でも来ない限り、国際線の需要はパッとせず、地方に空港を造りすぎ、首都圏の滑走路が不足する状態を羽田の拡張で解消したものの、国内線でも激しいダンピング競争を航空会社に強いて破たんをもたらし、空港島の造成費は回収できず税が投入される宿命を、このグラフは物語っています。

関経連は、関西で若者の雇用者数が、このグラフのように右肩上がりになるようがんばるべきです。けっきょく「狭い日本にリニアは要らない」と断言した兵庫県知事は、「リニア」のところに「札幌や沖縄、離島以外の大半の国内線」を置き換えて冷静に将来を見つめるべきではないでしょうか。関経連も同様です。


2010年4月13日に追加

混迷・関西3空港

どうする?開港第5年度
関西3空港懇談会が
多彩に塗り替える需要予測
そして低迷する実績

関西3空港懇談会は、伊丹の存廃問題、とりもなおさずそれは3空港の存廃問題なのですが、結論を先送りしただけでなく、関経連(懇談会事務局)と兵庫県が、それぞれ需要予測を発表するという混乱の極みのうちに閉会しました。この間の名暴言(傍言か)集をつくってみました。

だれ 発言のないよう いつ どこで
橋下・大阪府知事 小中学生なみの決議 '10年3月24日 記者会見
下妻・関経連会長 幼稚園児みたいな '10年4月12日 3空港懇談会
下妻・関経連会長 (大阪vs兵庫バトルの勝敗を)じゃんけんで決めたら '10年4月12日 3空港懇談会
井戸・兵庫県知事 (上記を)ほどほどにしなさいということを言われたのではないでしょうか '10年4月12日 定例記者会見
井戸・兵庫県知事 狭い日本にリニアは要らない '09年11月24日 定例記者会見
貝原・前兵庫県知事 関空−神戸をリニアで結び大阪湾空港に '10年4月6日 兵庫地域政策機構のパンフレット
井戸・兵庫県知事 (上記を)有意義な提言をいただいた '10年4月8日 記者会見
井戸・兵庫県知事 関東の大震災は近畿のチャンス '08年11月11日 近畿ブロック知事会議
橋下・大阪府知事 不適切発言連発の私が見ても不適切 '08年11月11日 直後の記者会見
井戸・兵庫県知事 羽田ハブ化で関西の航空需要は激増 '10年4月12日 3空港懇談会のあと
橋下・大阪府知事 楽観的に過ぎる。過去の需要予測と同じ '10年4月12日 3空港懇談会のあと

すべての発端は、中央新幹線(リニア)が2025年、東京=名古屋間を40分で結び、その後2045年には大阪へ延伸するというJR東海の計画です。橋下知事は2025年の段階で東京=大阪間の航空需要がほぼなくなることを見越し、伊丹を廃港にし土地(国有)を売却し「その資金で新大阪=関空間を7分で結ぶリニア新線を建設」しようという「構想」です。

荒唐無稽。高槻方面からモノレールが通るだけの伊丹空港が、どれほどの賑わいのまちとなるのか、跡地がどんな値段で売れるのか、それこそ「子どもでも分かる」のです。伊丹のにぎわいは、国際線が就航していた関空開港前の話です。

JRの計画と橋下構想に振り回されて、ついに兵庫県側からもリニアの構想が打ち出されたのは、役人の世界の常識、市民から見ればとんでもない非常識ですが、このリニア、大阪や東京の方に向かうのではなく、何と、関空へ15分のリニアを5,200億円で、と明瞭な方角違いなのです。関空が完成しても伊丹の存続を決めた'90年の大失敗と、伊丹空港からのモノレールが完成したものの「あっちを向いていた」大失敗を思い起こさざるを得ません。しかも完成したときには国際線はなくなっていました。いつも計算違いをするからスーパーコンピュータを持ちたがっているだけなのです。

スパコンでないと計算できない?はずの3空港需要予測を、兵庫県がおこない、昨日発表しました。何と最大4,721万人(平成34年=12年後)だそうです。財界=関経連(懇談会事務局)は16('04)年度1,948万人がピークで、需要予測は平成32('20)年度1,551万人、平成37('25)年度1,623万人、世界経済の低迷が続き、リニアが開業すれば930万人としました。(兵庫県に資料請求中)上記の数字はけさの『産経』より。表にしてみると以下のとおりです。

(いずれも西暦、年度   単位:万人/年)
関経連 '04年伊丹
実績
'20年伊丹 '25年伊丹 伊丹
下方値
1,948 1,551 1,623 930
  '25年3空港/国内線 リニア開業後3空港/国内線  
  2,344 1,500  
兵庫県   '22年3空港(最適運用) '22年3空港(現状維持)  
  (国際線を含む)4,721 (国際線を含む)4,213  
神戸空港 '09年実績 '10年〜'14年度 '15年度以降  

233

403 434  

伊丹・下方値について欄を間違えており、訂正しました。4月19日

 
上のグラフは「きょうの井上力」に載せ、4月19日の『おはよう』に載せたものです。4月19日に追加してアップしました。
'08(H.20)年度の実績数値が関経連と兵庫県で異なる理由はわかりません。調べていません。方や暦年、方や年度?方や西暦、方や元号

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2010年3月5日に追加

2年ぶり対前年同月増も、危機は深刻

神戸空港の2月利用実績を神戸市が公表しました。

底のない鍋はない。春の来ない冬はない。ついに神戸空港の利用者数の対前年同月割れは、23か月でストップしました。189,299人、昨年2月は173,776人、この不景気な折になんと8.9%ものアップです。今年度の利用者数がようやく200万人を超え、「最大の地方空港」という面目をほどこしましたが、需要予測の319万人に追いつくには3月があと5つほど必要です。(財政難の明治維新革命政権は、新暦の採用を急きょ決め、役人の月給1か月削減に成功したそうです。翌年にうるう月があったため)

行き先別では那覇・石垣が増え、会社別ではANAが減り、SKYが激増。

利用者数 JAL ANA SKY
'09年2月 61,660 75,037 36,196
'10年2月 63,621 64,518 60,158
       
提供座席数 JAL ANA SKY
'09年2月 85,348 119,506 48,321
'10年2月 87,969 91,446 90,270

SKY激増の背景には、表のように提供座席数を6割も増やしたという事情があります(4.8万席から9万席へ)。ついに提供座席数でも利用者数でも、3社が同水準となりました。この1年間の推移をグラフにしました。

SKYが増便。座席数・利用者数とも3社横並びに。過去最大提供座席数(月)はJAL、ANAが16万余、SKY11万余。

もっとも、神戸空港の危機が去ったわけではありません。JALの完全撤退(5月末)や、それに伴うANAへの団体、教育旅行利用の集中が、その一つです。

SKYがJALを補完することを神戸市は求めてきました。2月はその傾向が現れたようにも見えます。しかし、新規就航の福岡便は16,638席に対して3,538人、搭乗率は21.3%だったことが明らかになりました。3月からは一日1往復とし、4月11日を最後に運休すると発表しています。さらに、神戸関連のスカイマーク便は高い搭乗率(80%台)を維持してきましたが、ここに来て急速に搭乗率が下落しました。12月25日から就航の那覇便は12月が66.6%、1月は39.0%でした(SKY公表資料。2月実績は未発表)。SKY神戸空港発着の搭乗率は1月68.4%(昨年は75.4%)、2月66.6%(同73.4%)です。これが二つめ。

格安航空会社(LCC)専用空港化と関空国有化論という神戸空港の危機も深刻になっています。

便数を減らせば行政が増便を要求し、便数を増やせば搭乗率が落ちる。でたらめな需要予測の上に造られた空港、高速道路、新幹線、フェリー・・・。雇用と家計収入が減り続けてなお「成長」を描くためには、明治新政府に習って「新新暦」でも考案するしか打つ手がないのです。春と秋に新しい連休を(道州制の社会実験?)、つまり国民の休日を廃止するという国交省のプランが打ち出されるのも頷けます。もっとも移動休日など同じような手法を使って連休を増やした結果、観光施設の雇用はますます観光客のピークの日だけに限られ、あるいは老舗の旅館やホテルの廃業ラッシュが続いています。カンフル剤は、それが効かなくなったあとが怖い。

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2010年2月11日に追加

規制緩和ここまで

神戸−福岡便が2月に就航し、早くも4月11日までで運休だそうです。国交省へのスカイマーク社からの届け出・発表を『朝日』『読売』などが報じています。3月1日からは1便が運休で、1日1往復となっていました。

会社からの発表は以下のとおり。

その他今後の各種運賃の設定について

2010年4月29日以降ご搭乗分の各種運賃につきましては、2月下旬(予定)にご案内させていただきます。なお「神戸-福岡線」は、2010年4月11日をもちまして運休を予定しております。

『朝日』の記事は、次のように書いています。

 スカイマークは10日、2月1日に就航したばかりの福岡―神戸線を4月12日から運休する、と発表した。同月16日に就航予定の茨城―神戸線に機体を回すためと説明している。現状では福岡線の再開のめどは立っていないという。

 福岡―神戸は1日2往復で結ばれていた。大人・普通運賃は9800円。

 同社営業推進部によると、同社は国内8路線を12機のボーイング737―800で結んでおり、3月11日に開港する茨城空港と神戸を結ぶ便を就航させると、機体が足りなくなり、福岡―神戸分を振り向けることにしたという。

 広報担当は「安い運賃によって北関東の新たな需要が開拓できる。福岡―神戸については、機体の確保や社内態勢のめどが立てば再開を検討したい」と話した。

運賃は届け出制ですから「運賃ゼロ」つまり運休も、ありです。航空会社は営利を得ることが目的で設立され、公共性や安全性についての規制とは異次元の世界のことででもあるかのようです。

茨城空港への就航が国交省から航空業界に対してあれほど強く求められ、ついに神戸市との関係を悪くさせてまで、スカイ社だけがこれに応じました。日航撤退の穴埋めをしたい、就航便を増やしたい神戸市は、+2(福岡便就航2月1日)−1(同運休3月1日)−2(福岡便廃止4月12日)+1(茨城便就航4月16日)という計算に追われています。だからスパコンが必要なのかも?

上記の計算式は間違っていますが。

国交省の成長戦略曰く。「専用ターミナルでLCC(格安航空会社)を」と。さしずめ茨城空港と神戸空港は、すでにLCC専用空港なのでしょうか。「運航コスト削減のため、搭乗橋を使用せず階段式のタラップで」・・・。


2010年2月10日に追加

「地方空港は地方税で」宣言

国交省の成長戦略会議の中間整理素案について、共同通信が1月31日に報じた内容は以下のとおり。赤字は引用者。

航空ビッグバン・航空と空港の大競争時代。地方空港の切り捨て(市県民税で!)宣言だと私には読めます。「地方空港は地方税で」宣言です。

航空分野の中間整理素案要旨 成長戦略会議

 基本認識 「国内各地に空港を造り、路線網を広げる」から「徹底的かつ効率的に使う」パラダイムにシフトさせる。地方重視の裏返しで、首都圏・関西の基幹空港を「強くする」ことへの注力が不足。

論点1 首都圏空港の容量拡大とフル活用

一、羽田空港の国内・国際のハブ(拠点)化を達成する発着枠の配分方針を策定。「アジア近距離ビジネス路線に限定」ルールに代わる昼間時間帯の路線選択の考え方、ビジネス客が多い路線の運航が可能となる国際線枠の配分を検討。

一、成田空港の発着枠が8万回増える前提で、国内路線の拡充、ビジネスジェットの運航を容易にする運用方針を設定。

 論点2 関西空港のバランスシートの改善と関空、大阪(伊丹)空港の一層の活用

一、関空のバランスシート改善では、成田国際空港会社の株式上場益、大阪空港の民営化や資産処分による創出資金を活用する方向で検討。

一、関空の競争力強化では、大阪空港との役割分担を踏まえた健全な競争環境を担保した上で、専用ターミナル建設などによるローコストキャリアー(LCC)誘致、貨物ハブ機能の強化を検討。

一、大阪空港は、アジアシャトル便(ソウル、釜山、上海など)も運航する都市近接型空港として位置付け。国内線は新幹線との非競合路線を中心に小型機による多頻度便が中心。(地元の協力が得がたければ、中期的には廃港もあり得る)

 論点3 公租公課と空港整備勘定の在り方

 一、「無駄を廃し真に必要なものに注力する」観点から、空港整備の可否を厳しく精査する仕組みを構築。必要な整備は一般会計と民間資金でのファイナンスが原則。

一、当面の間、空港整備勘定は存続

 論点4 航空ネットワーク維持政策の見直し

 一、路線参入・撤退の自由を明確な行政方針とする。離島など生活必需路線は自治体などの判断で補助金を支払い、その条件で運航を希望する航空会社に委ねる。羽田国内線の発着枠配分の在り方は市場メカニズムの活用の可否も含め別途検討。

 論点5 空港経営の効率化のためのガバナンス構築

 一、国内空港の大部分は空港そのものと空港ビル会社などの空港関連企業が別組織(いわゆる上下分離)。航空システム全体の運営コスト削減のため

(1)航空収入・非航空収入を連結した形で各空港・空港関連企業の収支状況を透明化

(2)空港関連企業が支払う地代の値上げ―を速やかに実施。

一、中期的には上下一体の空港経営にシフト。

論点6 LCCの参入促進

一、アジアからの旅行者を増やす取り組み、国内観光需要の拡大、日本経済の取引費用逓減による成長促進の観点から、LCCが参入しやすい環境をつくる。具体的には

(1)成田、関空などでのLCC専用ターミナル建設

(2)航空交渉や発着枠配分でLCC参入への積極的取り組み

(3)国内LCC企業の参入障壁となる規制の緩和―を行う。

 

なお、1月の神戸空港利用状況について、2月−1月の区切りで各紙が「開港以来最低」と報じています。対前年同月の利用者数減少は23か月連続。『おはよう新社会党です』に載せたグラフは以下のとおり。


2010年2月1日に追加

茨城空港開港フライト満席

3月11日に開港する茨城空港へ、神戸空港からスカイマークが記念フライトです。土曜日に売り出した切符は、もう売り切れたようです。

神戸空港の開港一番機の乗客は議員や役所の関係者、それに報道などでした。ほとんどの人がトンボ帰りだったようです。プレミアがついたという噂も耳にしました。今回の満席はどうなのでしょう。

SKY141便(神戸8:20→茨城9:30)で茨城へ行く場合、帰りの直行便がなくどうするのでしょう?未確定ですがSKY144便(茨城14:10→羽田14:30)か、アシアナ航空=OZ167便(茨城15:00→仁川15:20)があるようです。仁川まで行ってしまえばそこはハブ空港ですから日本国内どこへでも多数の便があります。もちろん、茨城で用のある人はこの心配は無用です。帰りは新幹線でしょう。

スカイマークが茨城・神戸便の定期便を国交省と交渉しているというニュースがありました。初の国内路線です。滑走路の針金は撤去され、ターミナルビルにテナントが入るとして・・・。けさの『おはよう新社会党です』の見出しは「『基地直行便』困る」にしました。


2010年1月10日に追加

<搭乗率=採算>の瓦解

神戸市が8日、12月の神戸空港利用者数(乗降)を発表しました。対前年同月・利用者数減は22か月になりました。

上記グラフは12日にアップしました

先月から神戸市は年度ごとの搭乗率の変遷をホームページ上で強調しています。搭乗率保障など、自治体(設置者)と航空会社の相互依存があたかも問題を解決するかのような施策が地方空港のいくつかで採られており、その関係かと思います。

搭乗率について言えば、昨年6月から12月まで7か月間、対前年同月比で改善が続きます。またその前の月(5月)を除いてさらに7か月間('08年10月〜'09年4月)改善は続いたのでした。しかしマイレージ(ポイントサービス)や株主優待を行うJALとANAにとって、搭乗率は採算性を示す指標ではなくなっています。

以下に、着陸料収入と直結する「提供座席数」(月ごと)の変遷を並べてみました。

    年 月 提供座席数 搭乗率
(全便)これまでの最大 '07年3月 428,965 66.7%
(全便)最近 '09年12月 262,676 66.7%
JALのこれまでの最大 '06年12月 164,932 49.5%
JALの最近 '09年12月  97,675 63.0%
SKYのこれまでの最大 '07年3月 101,430 78.7%
SKYの最近 '09年12月 60,003 84.0%

会社ごとの提供座席数(容量)を年度ごとに並べると以下のようになります。

 

JAL

 ANA SKY AMX含む
'06年度 1,889,272 1,670,346 974,628 4,534,246
'07年度 1,638,533 1,637,625 1,159,583 4,435,741
'08年度 1,556,323 1,564,280 665,823 3,800,154
'09年度12月まで 959,946 938,812 518,256 2,436,748

乱暴な計算ですが今年度一年を通しての「容量」はどうか・・・という計算

(実績×4÷3) 1,279,928 1,251,749 691,008 3,248,997

日航の撤退,SKYの新規就航などの影響を考慮していない数字です

*** * ***

日本航空の破たんとその処理をめぐる大きなニュースが相次ぎますが、国会は歴代国交大臣(運輸大臣)を参考人として招致し、あるいは地方空港設置者を国会が喚んで、問題の所在を明らかにする必要があります。 国交省航空局の責任も重大です。

「問題」は終わったのではなく今も続いています。法的整理、上場廃止、マイレージをどうするか、不況打開はいつか、でなく、事態は深刻です。今も深刻な事態が積み上げられている、その際たるものは閣議決定された新年度予算です。拡張・沖合移設される岩国飛行場へのANAの就航(羽田へ一日4往復)準備が盛り込まれました。

・・・予算案では、10年度は国交省が整備を担うエプロン(駐機場)や、基地と共有する滑走路とエプロンを結ぶ誘導路、職員が勤務する庁舎などについて設計や測量に入る見通し。
 財務省は「額はこれから固めるが、12年度の開港に向けて整備を進めていく」と説明。46億円が見込まれる総事業費については未定としている。・・・
(中国新聞12月26日)

元大臣とANA社長(当時)の対談(2000年1月)があります。 ときは2000年の航空法改正(運賃自由化)で大競争時代が鮮明となったときでした。「大都市圏の容量不足」を補うためとして神戸空港島の埋め立てが始まった直後です。

空港等のインフラを充実させ
海外からの集客観光に力を
http://www.nikai.jp/book/book06/p083.htmより
「二階俊博事務所ホームページ」は
http://www.nikai.jp/

野村  ところで私たちだけではどうすることもできない問題もあります。羽田をはじめ、大都市圏の空港客量(容量?引用者)が不足しています。羽田の再拡張、首都圏の第三空港建設にもご努力を頂いていますが、一層積極的にお願いします。
二階  羽田は今後新B滑走路の使用開始にともない容量が拡大されても、21世紀の初頭、再び限界に達することは目に見えています。首都圏の空港客量(容量?引用者)が不足していることは明らかです。咋年の補正予算や、いま国会で審議をしております十二年度予算等において、新たな首都圏空港の調査に合計18億円の予算を計上し、事業化に向けてスピードを上げるつもりでおります。我が国は首都圏のほかにも近幾圏、中部圏と巨大な経済圏があります。いま新たに世界の五〇か国から、これらの地域に飛行機の乗り入れ希望が殺到しています。乗り入れ航空協定は外務省が交渉し、条約を結ぶことはご承知の通りですが、歴代外務大臣が国際会議等に出席された際、諸外国の外務大臣からいつもこの陳情があるそうで、この前も河野大臣から、「何とかなりませんかね」と言われております。
野村  力強いご決意を伺って安心しました。首都圏のみならず関空も中部も急ぎます。
二階  その通りです。関西空港は21世紀初頭に現在の一本の滑走路だけではパンクします。名古屋もそろそろ限界ですし、関空二期工事、中部国際空港の整備は全カを尽くします。
野村  航空会社からだけではなく、国民の皆様の願いでもありますから。五〇か国の皆さんが来られるということは文化や学術の振興に大きな活力を与えることになりますし、当然日本からもビジネスや観光はもちろんのこと、海外留学生もさらに増えるでしょうから、あらためて経済効果だけではなく、日本の交流にかかわる総合的な国費による効果を調査すれば国民の皆さんの理解も一層深まるでしょう。
二階  このところ野党から毎日公共事業がどうだ、というご意見が続いていますが、私たちのやっている空港や港湾、鉄道は急にやりたくても一年や二年でやれるものは何もない。「計画的に着実に、やがて完成の日、必ず国民の皆さんに喜んで頂ける。正しい評価を得られる日が必ず来る」と私は運輸省の皆さんにいつも言っております

「やがて完成の日」にお祝いはありました。開港一番機は神戸でもJALでした。そして開港からわずか3年半で、「正しい評価を得られる日」は、確かに来ました。


2009年12月7日に追加

やっぱり二番底

神戸市が、11月の神戸空港利用者数(乗降)を発表しました。「下げ止まりちかし」と予想していたのは(私の)間違いでした。二番底です。ついに21か月連続して対前年同月比で利用者数は減少。2年前の11月の利用者数251,901、1年前214,509、そして今年182,885です。

下のグラフは12月14日に追加しました

需要予測は年間319万人です。一度も達成できたことはありません。今回の発表で注目されるのは、どこまでも下がり続ける「提供座席数」です。かつて1か月40万席あったこともありましたが、11月は250,490席。開港以来の最少です。全便満席にできたとしても、一年は12か月しかありません。250,0490×12=3,005,880人、とうとう319万人にぜったい届かない数字になってしまいました。今年2月に255,086人というのがありましたが、255,086×365÷28≒3,325,228だったのです。単なる21か月連続対前年同月割れではないのです。

利用者数は、それ自体が管理収支に直結する数字ではありません。ターミナルビルの売店収入、ポートライナーの料金収入などが打撃を受けます。ターミナル会社の会計も雲行きが怪しくなっています。

提供座席数の減少は、航空機の小型化によるものですが、これが着陸料収入と直結しています。「9月17日」にも紹介した管理収支(特会)の計画と今年度の予算は以下のとおりです。着陸料(A)で管理費(F)を賄い、地方交付税(B)兵庫県補助金(C)航空機燃料譲与税(D)はすべて、空港施設(何と言っても値段が高そうなのはボーディング・ブリッジ<搭乗橋>です。償却年数5年とすると、もう買い換えの時期が迫っています。あの茨城空港では節約のため、ないそうです)についての借金返済(G)に消えてしまう形になっています。

着陸料の見込みが莫大なものであったため、この会計(空港特会)がピンチに陥ることは想定されていませんでした。だからというか、それでいてと言うか、借金の元利がどんどん膨れていく仕組みです。減価償却をせず、したがって施設の更新は全部借金にたよる他ありません。今は「基金」と「繰越金」が数億円ありますが、これが設備の更新のために貯められているのではなく、「雑入等(E)」へ組み込まないと予算が立たないことになってしまいました。ドンブリのなかをよく見たら借金だけだったというドンブリ勘定なのです。

(単位:百万円)
    開港時計画 2009年度予算
    2009年度
着  陸  料   1,592 687 (A)
停  留  料   26 11
土地使用料   37 45  
地方交付税   328 333 (B)
県 補 助 金   251 261 (C)
航空機燃料譲与税 213 164 (D)
雑  入  等   1 334 (E)
収入合計 @   2,448 1,835  
         
管理経費等   739 662 (F)
消 費 税   52 29  
市債償還費   1,148 1,134 (G)
予  備  費   10 10  
支出合計 A   1,949 1,835  
         
管理収支@−A   499 0  

当面、応急処置が必要です。来春の日航撤退による着陸料収入の減・2億6千万円を、スカイマークの増便・就航による増で補うことができるのでしょうか。搭乗率は記録的です。便数で補うことが可能になったとして、利用者数および着陸料収入、そして教育旅行のANAへの集中・・・。

*** * ***

神戸空港に関するニュースが毎日でます。

★大阪府知事/9月14日「伊丹を廃港。その跡地(国有地)を売却して大阪駅北ヤードから関空へ8分で行けるリニアモーター線を建設」

★3空港懇談会座長/同日「それぞれがガタガタ言うんじゃなく、一元管理の体制づくりを検討しよう

★日本航空/9月16日「一日8便とカウンターなど、神戸空港から撤退」

★関西経済同友会・代表幹事/10月22日「神戸空港を廃港、首都圏地震に備えるヘリポートに。伊丹縮小して関空をハブ空港に」

★10月29日『朝日新聞』などは来年度、650億円の神戸空港島債(企業債)を償還するためその一部395億円を20年債発行(借入)でと報じた

★兵庫県知事/11月4日「関空やめてもいい」

★11月30日、三空港懇談会・幹事会は、関空への補給金160億円を仕分け人にストップをかけられた問題で、12月14日に「一元管理」を提案すると発表。「赤字の関空会社が黒字の伊丹を経営する」など世紀の珍案が出てきそう

★大阪府知事/11月30日「沖縄の米軍基地の訓練移転先は関空の他、神戸空港も」

基地の移転、海兵隊の訓練移転は、川柳に


2009年11月9日に追加

日航撤退の背景にあるもの

『おはよう新社会党です』599号(きょう付)に載せた表です。

神戸空港/10月の利用実績 (神戸市11月7日発表)

 

便数

利用者数
(乗・降)

対前年
同月比

提供
座席数

搭乗率
日本航空 JAL

84,856

85.6% 114,203

74.3%

全日空 ANA

73,150

88.2% 108,026

67.7%

スカイ SKY

46,256

112.6% 52,746

87.7%

天草エア AMX

939

81.4% 2,262

41.5%

22

205,201

91.5% 277,237

74.0%

↑ 19か月連続して利用者数は減少しました

日航の撤退が神戸空港の存在をいかに危うくさせるか、神戸空港に離発着する飛行機のなかに日航の占める割合がいかに多いか。他が補完したり代替できるものではありません。けさのチラシでは

 市や商工会議所は「搭乗率は高いから」と引きとめてきましたが、「他社で穴埋めを」と言う国交省と企業再生支援機構に押し切られました。
 スカイマーク社が増便を発表していますが、B737-800という170人乗りでは日航の穴は到底埋まりません。修学旅行や割引客は全日空に集中することになり、航空会社は採算度外視が続きません。

と訴えました。

神戸空港の開港('06年2月16日)以来、「会社別・月別・利用者数」を「日航」と「日航以外」に分けてグラフにしました。以下のとおりです。元のデータ

開港初年度は1か月半であり、グラフから割愛しました。「日航除く」とはANAとSKY、そしてAMXです。会社ごとに季節で就航機種を変えたり、減便や路線廃止、あるいは新設を何度もしています。

顕著な傾向は「日航除く」が'07年度に「増」で'08年度は「減」なのに対し、日航は'07年度「減」で'08年度「増」とまったく逆のパターンです。'09年度は「日航除く」が緩やかな減少であるのに対し、日航の減少カーブは急です。日航はあたかも'08年度までの健闘の反動が一気に出たかのようです。

搭乗率の向上を目的とした就航機種の小型化は、航空会社全体としての収益性を向上させるものでしょうが、小型化=搭乗客減という方程式は覆りません。神戸市が搭乗率のみをより所に「なぜ撤退するのか」と迫っても、会社の決断は別のところにあったようです。45路線という全体削減計画から今回、神戸とセントレア関係中心に8路線が先んじて発表された意味が、何かありそうです。

最後は収益が赤か黒か、同じ区間を飛ぶ他社があるかどうか、あるいは公共交通としての役割という本来、神戸市がもっとも「引き留め」のより所としなければならない要因(実はありません。新幹線、在来線、高速道路、国道、加えて海の港とすべてがそろう交通の要衝であって離島・半島ではない。おまけに1時間もかけずに行ける空港が2つある。関空までは市税を使ってベイシャトルを運行している)が撤退先行発表の判断となったようです。もともとの就航が政治的であったことから、撤退にも政治的要素があったことは容易に想像できます。

素人考えですが、神戸空港ターミナルに占める日航の場所、とりもなおさずスカイマークと全日空のカウンターの場所、なども・・・。「探すの大変」ということもありませんが。着陸料などを全体の4割も払っている会社の扱いとしては・・・。神戸空港を利用する方は、ぜひカウンターの配置をご覧ください。撤退前提でこうなったのではありません。一番機が飛んだ日からこの場所でした。当時「金持ちケンカせず、かなあ」なんて部外者は笑ったものですが、ツルや日の丸を付けて国内ではどこへ行っても別格の扱いしか受けたことのない会社(とその担当者やその部署)が、なぜこうなったのか謎です。このような感情論が公式に口をついて出ることもないでしょうが。

もう一つ素人考えですが、増加する修学旅行の団体には「教育旅行割引」があり、データがありませんがどの会社が多く引き受けていたかは容易に想像できます。大きな機材を持ち、何かのときに自社で代替機を確保できる会社が頼りにされます。神戸市は修学旅行の誘致に熱心ですが、航空会社の経営という視点からはどう評価されていたか分かりません。

以上「2つの素人考え」は、「神戸市と撤退する日航の関係」であって、日航の経営危機およびその経過や背景とは関係ありません。またこれを理由に「撤退は当然」と考えるものでもありません。無謀な空港建設計画と日航の無謀な就航計画であったことが、撤退表明で鮮明になったのです。


2009年11月5日に追加

日航が神戸空港から完全撤退

JAL(日本航空)は、きょう夕方、神戸空港からの完全撤退を含む「路線便数計画の変更」を発表しました。『日経』も報じました。神戸空港関連では、来年2010年3月末で羽田便(一日2往復)を、2010年5月末に札幌便(一日2往復)、那覇便(一日2往復)および石垣便(一日1往復)です。いずれも「運休」ですが神戸空港については「地点撤退」です。

ちょうど10年前の9月、埋め立てを着工し、「神戸市が航空会社を造らない限り就航機はない」と言われた神戸空港でしたが、'03年10月24日の『毎日新聞』(大阪本社)が1めんトップで「神戸空港'06年3月開港」「スカイマーク参入」と報じ、その後、日航、全日空が路線開設を発表、'06年2月16日に開港しました。

神戸市と民主党・自民党は、スカイマークが増便計画を発表していたことから、その前倒しと補完=増便を求めています。前原大臣の「別の航空会社が日航が飛ばなくなる路線を補うのも1つの方法」(きのうの閣議後会見)という発言で1日に152万株(3億円超)が動き、着陸料収入は国交省の値下げなどを待たずに数億円単位で減収となります(こちらは年単位)。

なお、冒頭にある「札幌2往復便の運休」ですが、現在、JALは3往復就航しており、数が合いません。前原大臣が「補う」と言い、スカイ社がかねて発表していた中期計画では「2010年度、新千歳と福岡に4〜6便」です。「運休しない1便」は、カウンターなど「地点撤退」したあとですから、飛ばすのではなく「スカイ便に引き継ぐ」ようです。両社と国交省の関係、両社間のこれまでの関係や、「猛烈に反発する地元自治体」の関係、あるいは、すでに大量に何年も前から修学旅行などで入っている予約の関係(日航の修学旅行割引運賃とスカイ社の運賃との差額を精算?どこが?)かと思われますが、ややこしいことです。この段落、ご指摘に答え、調査もせずに。7日に追加。

「つまりこの巨大な生産手段と交通手段を魔法のように地中から呼び出した○○○は、自分で地の底から呼びだした魔物をもはや制御できなくなった魔法使いに似ている」という行(くだり)を思い出します。○○○には、「近代ブルジョア社会」という単語の代わりに「神戸の行政と政治」を入れて。

住民投票条例を住民が直接請求し、それを否決した市会の暴挙から11年。リーマンショックから1年。いずれにしても、きょうは神戸空港史上、最大の出来事が起きた日です。それは起工式でも一番機が飛んだ日でもなく、きょうです。


2009年10月30日に追加

「流用」477億円 支払利息は399億円に

『朝日新聞』がきのうの朝刊で報じ、以後各紙やテレビも同様の情報を流しました。神戸空港島造成にあたって神戸市が借りた10年債は今年から順次、元本の返済が迫られます(下の表の赤ベタ白ヌキ部分)。来年度は650億円。その650億円のうち395億円を、今度は20年債で、と神戸市が準備しているというスクープです。

空港島造成の資金計画(1998年10月神戸市港湾整備局=現みなと総局)とその実績
(「神戸空港計画に係る財政計画について」のうち「臨海部土地造成事業」)

(単位:億円)

 

年度

 

'99
(H.11)

'00
(H.12)

'01
(H.13)

'02
(H.14)

'03
(H.15)

'04
(H.16)

'05
(H.17)

'06
(H.18)

'07
(H.19)

'08
(H.20)

'09
(H.21)
(予算)

 

工事費

実績

282

664

386

393

219

204

98

14

12

14

13

 

2,299

 

計画

384

679

431

495

288

55

50

100

       

2,482

利息

実績

3

11

18

22

22

24

25

25

28

29

31

 

239

 

計画

12

32

46

52

52

52

52

       

298

実績

286

676

404

414

241

228

124

39

40

43

43

 

2,539

 

計画

384

691

463

541

340

107

102

152

       

2,780

 

起債

実績

265

650

374

280

205

208

(―)

(―)

       

1,982

 

計画

384

691

463

186

19

       

1,743

土地処分

実績

     

98

30

14

121

72

105

104

55

 

599

 

計画

355

321

309

52

       

1,037

留保資金

実績

21

26

30

36

7

6

3

△ 33

△ 65

△ 61

△ 11

 

△ 43

端数処理のため内訳の和は合っていません

なお、この財政計画のなかでは「起債の償還は平成21年度から平成25年度までとなり、これについては上記1,037億円
以外の土地処分収入約2,000億円を充てる。」とされていました。

(1)上記財政計画は、とっくに破たんしていて、「建設中の土地売却」による不足金は、「建設中」だけを計算すると1,037億円−335億円=1,002億円の不足です。開港後の土地売却を加えても未だに、1,037億円−599億円=438億円の不足です。

(2)つまり、「完成後の土地売却」には未着手、いやマイナスです。

(3)当初は、このページでも再三述べてきたように、「平米26,000円または平米270,000円」という捕らぬ狸の総額3,002億88百万円−1,037億円=1,965億88百万円という「完成後の土地売却計画」でした。「建設中の土地売却」には、みなと総局が持っているヘリポートを移転させること、固定翼機機能用地には兵庫県が県内コミューター空港網(こうべ・たじま・はりま・いたみ・・・一時はあわじを加え、「県内5空港」と豪語)の拠点として用地を取得すること、新交通は西端の結婚式場まで延伸するほか、車庫用地(このページの'07年5月17日、15番の「鉄軌道車庫」=210億60百万円也)を終点付近に取得すること、などがうたわれていたのです。

(4)上記の表には、10年前の借金の返済計画は書かれていません。10年前、埋め立てを始めた9月から年度末までに借りた額は265億円でした。その返済は'09年度中にしなければなりません。累計で599億円の土地売却収入がありますが、それぞれの年度で、売り上げの全部を工事代として使ってしまっているのです。そのことを上記の表は示しています。そこで「留保資金」という便利な財布が登場するのです。みなと総局が持つ新都市整備事業会計という、団地造成や埋め立てて土地売却をおこなってきた会計の内部留保資金です。「空港島造成事業の会計からではない」と言う意味では他会計流用です。「流用」の累計は来年度で477億円にもなります。計算式は265−43+255です。265億円は本年度の起債償還額、43億円は内部留保への空港島埋め立て事業の貢献額、255億円は650億円=来年度返済額のうち、新たな借金の395億円を引いた額です。

(5)395億円の新たな市債で、利息は395億円×2%(0.02)=約8億円、これを20年間払い続けるわけで訳ですから、上記の表の累計239億円に160億円を加えて、399億円となります。

(6)となりの街では総事業費1,000億円を超える埋め立て地の超高層オフィスビルを85億円で買えて、「よかった。よかった」という話があるようです。相次ぐ債権放棄の果てに。担保や信用と別世界で国も自治体も借金が可能です。担保の代わりに普通、経済や金融で使う意味と異なる「信用」がカネを貸す側の根拠になってきたのですが、その「信用」は、政府が「事業認可」という形で(神戸空港の場合は埋め立て免許を神戸市長が持っていたので、飛行場設置許可とか今回のように市債発行許可などの形で)おこなってきました。政権交代で、神戸市長が民主党の推薦を得るため必死になった背景には、旧態依然の許認可をめぐるこのような事情がありました。「民主党の方が人気があるから」という軽薄な動機だけで動くあの「一家」ではなかったのです。『朝日』は正鵠を得ています。


2009年10月6日に追加

「入場者数」か「入出場者数」か

(1)空港利用者数(神戸空港では旅客数)は、航空機から降りてくる人数と乗り込む人数を合計しています。利用者数は「2人」とカウントされます。

(2)例えば私が神戸空港から新千歳へ行く際に「1人」、新千歳から神戸へ帰ってくると「1人」、合計2人です。ちっともおかしいところはありません。飛行機に私は2回乗るのです。だから「2人」です。神戸から新千歳への旅行者は、ただし「1人」です。ところが空港利用者(神戸では「旅客数」)という数字をだすとき、神戸で乗るとき1人、新千歳で降りるとき1人、そして新千歳で乗るとき1人、神戸で降りるとき1人、空港利用者数は「4人」にもなるのです。1人が空港という場所を利用した回数は「4回」だからだそうです。

(3)「提供座席数」という数字があります。座席を提供するのは航空会社であって空港ではないはずです。JALであったり、ANAであったり。私が札幌へ(千歳市へ、あるいは北海道へ、が正確です)往きはJALで、帰りはANAでだったとすると、JALの座席を1つとANAの座席を1つ「提供され」るのです。だから2便で2席のはずですが、国土交通省の統計上は「4席」としています。そうしないと(2)で述べた「4回の利用」と辻褄が合わなくなるからです。「搭乗率」という数字にいたってはとんでもないことになります。離着陸両方の座席数をカウントします。従って「提供座席数」「旅客数」は、航空会社から見ると実際の2倍ということになります。 以下のように国交省資料では国内航空需要は2012年、2億人突破です。

(4)たとえば野球場に入った人の数と座席の数とは相当、意味が異なります。野球場では入るときに1人、出るときまた1人、というようにカウントしません。「きょうの甲子園は9万人の出入りがありました」とは言いません。定員が47,808人ですから、これでは消防法違反です。

かくして・・・何も隠してませんが、神戸市が公表した「神戸空港利用状況」9月分によれば、旅客数(見学者を含まない数字)は、220,980人、対前年同月比で19か月連続減少の96.5%、提供座席数は273,141、搭乗率は80.9%でした。月別でみた搭乗率は開港以来、最大です。

神戸市長はJALに「搭乗率では優秀な成績だから撤退を考え直すべきだ」と9月28日7日1文字訂正に申し入れたそうです。9月のJAL搭乗率は83.0%と、開港当初を思わせる好成績です。しかし、搭乗率は経営安定のためのひとつの要因に過ぎません。

利用者数の減少が機材の小型化と機材の効率運用をJALに命じた結果、JALはジャンボその他の大型機を遊ばせて新しい小型機種を大量に購入しなければならなかっただけなのです。神戸では、乗り入れている他社にあわせて低料金化をすすめ、不採算路線になってしまうという宿命を背負っています。

神戸市の319万人という需要予測、国交省の国内航空需要1億人突破(この数値は空港利用者数ではなく、搭乗者数)という予測のデタラメさについては、後日。

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2009年9月24日に追加

JALもANAも・・・「ダイジョウブだ」

経営危機のJALが撤退すると神戸空港は深刻な経営危機に陥ります。けさの『毎日』には、<今年度中に羽田便全廃、来年度中に神戸空港から完全撤退>という「経営改善計画」が報じられています。

日本の航空政策の弱点は、首都圏で滑走路が足りないことと、地方に空港が多すぎることです。離島や北海道、九州も関西圏も、国際線も国内線も、見境なく滑走路を造り続け、高速道路も新幹線も、そして空路も、同じように網の目のように張り巡らせるという政策に矛盾が生じるのは当然です。最後に完成した静岡空港と神戸空港は、それらの矛盾を一身に背負う運命にありました。

1996年12月19、20両日開催された運輸省(当時)主催の「神戸空港設置に関する公聴会」には、官政財の名だたる顔ぶれが集まり、公述しました。神戸市が発行した『神戸空港ニュース』NO.14(平成8年12月31日)には、賛成者98人、条件付賛成者9人、反対者57人の公述要旨がそれぞれ公述順に掲載されました。趣旨が意図的に曲げられている。私は条件付賛成ではなく反対だ。直前の公述への反論を述べたつもりだが、この並べ方では真意が伝わらない。・・・『ニュース』自体への異論・反論もたくさん出ました。

公聴会から13年たちましたが、開港3年の今日の事態を心配する意見は、賛成者にはありません。とりわけ官政財のなかでもその意見が重いはずの航空事業者は、4社も登場して次のように述べたのでした。氏名が明記されていますが、法人としての表明ですから省略します。

●日本エアーコミューター取締役企画室長  定期、不定期航空運行事業者として、地方都市との交流の活性化、都市間コミューターの拠点整備の観点から賛成だ。

●日本エアシステム参与  飛行機は国民各層に利用され、今後も需要は伸びる。神戸市は空港を契機に復興をと考えておられ、完成したら当社も就航したい。

●全日空企画室統括部長  航空需要は堅調に増大する。神戸市は国土軸上でも重要な位置にある。三空港の適切な機能分担により、魅力的な航空ネットワークを。

●日本航空施設企画部長  国内航空旅客需要はこの二十五年で五倍強に伸びた。世界の大都市と比較し、まだまだ空港整備は遅れている。新しい神戸の創生を。

*** * ***

なお、この『ニュース』によれば、私の公述は以下のとおりです。

●井上力 神戸空港には百の非常識がある。神戸空港の設置管理者議決は強引であった。住民自治、地方自治本来のやり方を守るべき。このまちのために、空港を造らせない。

ここで言う「神戸空港の設置管理者議決」とは同年3月22日に委員会付託を省略して市会本会議で決められた「第157号議案 第三種空港を設置し、管理する地方公共団体を定めることに関する協議の件」です。

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2009年9月17日に追加

JAL撤退でどうなる?(試算)

経営危機のJAL(日本航空)が毎日のように「本日の一部報道について」という発表を繰り返しています。「この報道は当社が発表したものではございません」と。

企業年金に関して、提携に関して、資金調達に関して、提携と資金調達に関して、経営改善計画に関して・・・連日です。4-6月期の決算が世界同時不況(企業の出張削減)とインフルエンザで990億円の損失ですから、「火のないところに煙はたたない」し、リークされたものでしょう。

16日には「6,800人の人員削減」「神戸、静岡など7空港からの完全撤退」「ただ地元自治体の反発は必至で、今後の調整は曲折も予想される」と報道されました(わが『きょうの井上力』にも)。

「地元自治体」との関係は、深刻です。どこの空港も着陸料収入とカウンターなどの賃貸料で賄われています。以下は神戸空港の開港時の「管理収支の見通し」と今年3月の予算です。ジャンボ機など大型機を中心に一日30便が離発着すると、着陸料収入は15億92百万円・・・です。開港から3年で下記のように着陸料は6億87百万円まで下がってしまいました。

(単位:百万円)
    H21年度  
    2009年度 予算
着  陸  料   1,592 687
停  留  料   26 11
土地使用料   37 45
地方交付税   328 333
県 補 助 金   251 261
航空機燃料譲与税 213 164
雑  入  等   1 334
収入合計 @   2,448 1,835
       
管理経費等   739 662
消 費 税   52 29
市債償還費   1,148 1,134
予  備  費   10 10
支出合計 A   1,949 1,835
       
管理収支@−A   499 0
 

神戸空港一日の便数(9月)

  千歳 羽田 熊本 沖縄
日航(JAL)  
全日空(ANA)  
スカイマーク      
天草エアライン      

現在、全22便のうち8便がJALです。おおざっぱに見て、JALが三分の一だとして、着陸料、停留料、地方交付税、航空機燃料譲与税など、ほぼ全ての収入の項目で三分の一の減収になります。一方、支出の方ではJALが撤退した分だけ管理経費が減らせるはずもありません。

空港特会の収入が約12億円となり、市債償還がやっとという会計になります。開港のときの見込みでは24億円もあった収入が、3年で半減です。支出は18億円、差し引き6億円の赤字が出ます。管理経費の赤字を埋めるための借金を赤字公債と呼びます。雪だるま式に膨れあがるのは目に見えています。

しかも支出の方は、今後6年ほどの間に増え続けて10億円もアップする予定です。バスのように「走らせなければ経費も減らせる」性格のものではないのです。その予定は次のとおりです。

単位:百万円

2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
2,227 2,475 2,666 2,810 2,876 2,800

兵庫県は補助金を出しています。乗降一人一回あたり100円にもなっていますが、便数が減ればこれが、160円とか170円になり、無視できない割高な補助金となります。

「地元自治体の反発は必至」です。地元住民の地元自治体に対する反発も必至です。

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2009年9月9日に追加

神戸空港は 着工10年

9月13日、今年は日曜日ですが、空港島造成工事が始まったのは10年前のこの日でした。つまり「10年債」ですから10年後にあたる今年、この借金の返済が始まります。

償還計画については、このページの「2007年5月」を。まもなく市長選挙ですが、ここで当選する市長は、265億円+650億円+374億円+280億円=1,569億円、任期中ずっと返済に追われなければなりません。

神戸市の8月分の利用状況ホームページが更新されました。8月はお盆で帰省客や夏休みで海外・国内旅行など、旅行業界は忙しい月です。

開港以来の8月の旅客数は以下のとおりです。市のホームページにはすでに初年度のデータは載っていません。特徴としては、インフル対策で市の施設無料化や、高速道路割引に左右されない札幌・沖縄便が多いという特性にもかかわらず・・・です。会社別では機材を極限まで効率化したSKY便が実に94.4%という搭乗率を記録しました。

月別に見た旅客数(利用者数あるいは搭乗者数あるいは乗降者数)で、過去最大は開港第2年度('07年=平成19年)8月の292,552人でした。2番目に旅客数が多かったのはやはり開港第2年度('06年=平成18年)3月の285,976人です。

 

旅客数

提供座席数

座席利用率

'06年

243,979

370,673

65.82%

'07年

292,552

391,561

74.70%

'08年

249,344

329,368

75.70%

'09年

223,670

280,348

79.80%

なお、利用者数減少はとまらず、18か月連続となりました。

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2009年7月8日に追加

利用者減(対前年同月)連続16か月に

神戸空港の6月利用者数は、176,829でした。(神戸市が公表

計画では年間319万人の利用者を見込んでいました(需要予測)。単純に12か月で割ると1か月あたり265,833人となりますので、これを「目標」として目標達成率を計算してみました。航空会社は関空発着便の撤退をすすめていますので、いずれ対前年同月比の減少は止まるのでしょうが・・・。

 

利用者数

目標達成率

市の需要予測 265,833  
'06年6月 210,395 79.1%
'07年6月 231,674 87.1%
'08年6月 200,592 75.5%
'09年6月 176,829 66.5%

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2009年6月17日に追加

「健闘」に「復興支援」

神戸市は5月の神戸空港から離発着した航空機の旅客数などを発表しました。前月より増えたものの旅客数の減少は止まらず、対前年同月比で15か月連続減少となりました。20万人を割り込んだのは2月、4月についで3度目です。

全便 旅客数 増減 増減率
'06年5月 235,655    
'07年5月 248,692 13,037 5.5%
'08年5月 235,024 ▲13,668 ▲5.5%
'09年5月 180,992 ▲54,032 ▲23.0%

民主党が国土交通省に資料を請求したことが『朝日新聞』で報じられていました。

 新型の豚インフルエンザの発生が観光に与えた影響について国土交通省が調べたところ、羽田―神戸間の航空利用客が前年より4割も減ったり、近畿地方の宿泊施設で約3万件のキャンセルが発生したりしていることがわかった。感染が広がった関西での影響が、改めて示された。

 同省が5月末、航空各社やJR、近畿地方のホテルなどに聞き取り調査を実施。1日に民主党に資料を提出した。

 航空は神戸で感染が確認された5月16日から27日までを対象に、日本航空と全日空に聞き取りを実施。羽田―神戸の旅客数は計約1万3千人で、前年よりも40.9%少なかった。羽田―大阪(伊丹)は約16万人で前年比24.8%減、羽田―関西は約3万8千人で同21%減だった。(以下略、赤字は引用者)

きのう国土交通大臣が閣議後会見で「新型インフルエンザの影響に対する関西の振興支援策」を発表しています。3社が運航している「5月の神戸・羽田便」については、次のとおりです。 「関西の復興支援策」は、飲食店や中小企業にではなく航空業界に対して行われるのでしょうか。

羽田便 旅客数 増減 増減率
'06年5月

112,243

   
'07年5月

122,819

10,576 9.4%
'08年5月

106,444

▲16,375 ▲13.3%
'09年5月

85,374

▲21,070 ▲19.8%

『朝日新聞』の記事にある国交省の「5月16日から27日までは約13,000人、対前年40.9%減」という情報を考慮すると、それ以外の期間は「健闘」だったようです。「それ以外の期間」は1日から15日までと28〜31日までの19日間です。 ただし3社のうち、SKYを除くJALとANAへの聞き取りということで、いささか不正確です。

下記のように4月と比べると実は、5月は「健闘」でした。「連休の高速道路どこまで乗っても千円」を考慮すれば大健闘だったのです。

    対前年増減 対前年増減率
羽田便 16〜27日   ▲40.9%
それ以外  

5月 ▲21,070 ▲19.8%
4月 ▲32,979 ▲29.6%
       
全便 5月 ▲54,032 ▲23.0%
4月 ▲56,439 ▲25.8%

なお、27日という日は神戸市長が「ひとまず安心宣言」をした28日の前日です。兵庫県知事は25日の記者会見で「22日から・・・緊急事態であるという意味での認識は解除されたという効果を持」ったと語っています。アップ直後に一部書き換えました

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2009年5月13日に追加

いつまで続く?利用者減少

神戸空港の4月の利用者数などが公表されました。おもな特徴は以下のとおりです。「きょうの井上力」の方でも関連する情報をアップしました。

(1)1か月の旅客数としては、過去最少の162,422人(搭乗者=乗り込んだ人数・一日あたりだと2,707人)

(2)3月まで就航していた仙台便がなくなりましたが、旅客数減少の主たる原因ではありません(3月の同路線利用者数は4,220人)

(3)'08年3月に始まった対前年同月比で旅客数減少は「足かけ3年度」つづき、連続14か月となりました 。対前年同月比の減少幅は56,439人(218,861−162,422)で過去最大

(4)提供座席数262,428は、2月の255,086(9,110/日)についで少なく、一日あたりでは8,748/日と過去最少

(5)羽田便の旅客数が10万人を割り込むのも、これで昨年6月から10か月連続となり、78,366人。3月の76,839(2,479/日)についで少なく、一日あたり2,612人間違いを訂正しました5月15日

(6)航空会社別では70%台以上の高い搭乗率で路線を維持してきたSKYが61.6%と過去最少を記録しました

(7)神戸空港ターミナル会社は6月の株主総会で旧住友系の初代社長が退任し、川重出身の新社長を迎えます。「本体(空港ターミナル)は相対的に順調、ベイシャトルが危ない」という認識の市の人事のようですが・・・。さらに本体つまり空港島の用地売却、輸送用機械器具製造業用地などの売却を断念し、「利用計画見直し」とされています(?)が、必要なのは市の総路線(基本計画=マスタープラン)を点検し、関連部分を白紙撤回することです。このままでは大震災後、にわかに打ち出した「神戸長江交易プロジェクト」の二の舞を演じているだけです

(8)不況の深化、高速道路への逸走の影響などもあり、ゴールデンウィーク・5月に好転する芽も摘まれています

(9)神戸空港推進の方々、神戸空港利用促進派の方々には絶望的なデータを並べましたが、ひとつ、皆さんにとって明るい材料を指摘します。昨年の4月は対前月で276,018人から218,861人へ57,157人の利用者減少でした。今年は3月の223,840人から4月の162,422人へ61,418人減りました。仙台便の4,220人が皆減であることを踏まえるならば、「底打ち」感を見いだす人もいそうです

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2009年4月7日に追加

ついに13か月連続減(1か月乗客)

公表された神戸空港の旅客数を'07年度と'08年度、グラフにしました。昨年3月に始まった対前年割れは13か月連続となりました。

旅客数は対前年86.7%、約40万人(395,486人)減の2,576,726人で、市の需要予測319万人に比して613,274人少なかったという結果でした。

開港初年度、453万席を数えた「提供座席数」=離発着便すべての座席数は、開港2年目が443万席、そして'08年度、380万席へ減少しました。

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2009年3月7日に追加

ついに17万人台(1か月乗客)

神戸空港は2月、開港3周年を迎えました。神戸の財界は搭乗記念割引などを用意し、祝いました。発表された2月の搭乗者数は惨憺たるものでした。

神戸市の発表では対前年同月76.1%、ずっと維持してきた20万人をあっさり割り、173,776人でした。羽田便も76,839人と過去最少。対前年同月で5万人以上(54,449人)の減少も過去最大。対前年比減少記録は12か月に伸びました。一日あたり片道の搭乗者数は3,103人です。

鹿児島便がなくなったこと、去年がうるう年だったこと、不況が深刻になっていること、搭乗率はいいので航空会社は魅力を感じているはずだ?・・・理由はありますが。

4月からの累計で2,352,877人、飛行場設置許可や埋め立て免許の際に「利用者が多いはず」と言って目標に掲げてきた「319万人」に及ばず、年間で260万人にも届かない可能性が高まりました。計画との差は60万人にもなります。

計画では2010(平成22)年度には予定乗降客数を「403万人」とし、連動して空港特会の着陸料収入を「16億円」も見込んでいるのですが、実績は「7億円」を割り、見込みと現実が年を追うごとに乖離していきます。ジャンボが次々と離着陸するはずだったのに、日本の空に、もうジャンボは飛んでいません。エミレーツ航空が大量に買ったどデカいジェット機が就航しないことは確実ですし。そのエミレーツ航空でドバイを経由しブラジルへ行ったことのある兵庫県知事は「関空と神戸を結ぶトンネルを掘って直通電車」構想を蔵の中から取りだし、救済策だと考えているようです。B/Cはどうなるのでしょう?そもそもそんな先まで神戸空港は保つのでしょうか?いっそ、ドバイまでトンネルを掘れば?

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2009年2月3日に追加

いよいよスカイマーク空港

神戸市が1月の利用者数を発表しました。11か月連続して「対前年割れ」です。(以上、2月7日)「きょうの井上力」も神戸空港関連が増えています。

2月16日で神戸空港開港3年です。抗議集会と記念行事がおこなわれます。

JALとANAが撤退して4月から一日22便となります。灘区で一番新しい市バス路線26系統(昔も26系統はあったのですが)は12便で、往復を数えると24便です。

前回までに報告したとおり、減便、撤退、乗降客数の減少は、開港から3年で神戸空港の将来性をとても危うくしました。かつての開発基金、いま新都市整備事業会計が持つ内部留保のすべてが、かつての山や緑地と同じように「削られる」危機に直面しています。

神戸新聞が月末に報じたところでは、スカイマークが減便撤退の穴埋めをするそうです。同社のサイトには中期計画がアップされていませんが、一連の報道をグラフにすると次のようになります。

2009年4月の就航予定とSKYの中期計画

 

 

 
















便

JAL

         

17

JTAなど

   

     

ANA

       

SKY

           

17

α

増便時期

 

A

@

B

A

C

C

SKY増便

 

@'09年12月

A'10年(4〜6往復便)

B'11年〜'12年

C'13年〜'14年(検討)(『神戸新聞』1月31日)

 

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2009年1月10日に追加

前年割れ10か月連続に
乗客数減は25万人(
暦年)

神戸空港の利用者数は減少の一途を辿っています。神戸市の月例発表より。

 '08年旅客数 2,703,294
 '07年旅客数 2,961,471
 増減 -258,177
 
 
1月 2月 3月 4月 5月 6月
'08旅客数 221,920 228,225 276,018 218,861 235,024 200,592
'07旅客数 210,665 218,781 285,976 221,125 248,692 231,674
増減 11,255 9,444 -9,958 -2,264 -13,668 -31,082
 
7月 8月 9月 10月 11月 12月
'08旅客数 201,205 249,344 228,911 224,312 214,509 204,373
'07旅客数 238,363 292,552 268,320 249,263 251,901 244,159
増減 -37,158 -43,208 -39,409 -24,951 -37,392 -39,786

12月の特徴は、対前月で「提供座席数」は増なのに、旅客数は1万人もの減少を記録したことです。

「提供座席数」は一昨年の12月、401,879席と開港以来3度目の1か月に40万席の大台を記録しました(他の2回は、開港初年度末の1月と3月)。いずれも大の月で、12月はルミナリエ観光や帰省客など。しかしその前後の月(9月以降とその後ずっと)は、すでに提供座席数でも対前年減少をし始めていました。その 一昨年12月、ANAは搭乗率で55%を割り(54.8%)、全社で今年は317,914席と8万席余も少ない結果となったのでした。一部あいまいな表現を訂正し、誤りを削除しました。1月13日

「提供座席数」は空港管理収支(空港特会)に連動します。ANAへの神戸市の「話し合い」を、年末の市長定例会見は最後には「口を出せない」としながら、次のように記者に答えています。'96年12月の飛行場設置許可についての公聴会(当時の運輸省主催)には、ANAもJALも公述し、路線や便数まで約束したわけではありませんが、神戸空港は必要だと主張しました。私もその一人ですが公述人164人という歴史的公聴会でした。

記者  空港の関連になりますが、全日空の羽田便の3便のうち昼の便をなくす方向で考えていることが一部報道で出ていますが、市長の考え方を伺いたいのですが。
矢田市長  この羽田便の減便は何としても維持してほしいと、先日も全日空の本社へ神戸商工会議所の水越会頭と一緒に、今後の神戸の便数維持について、ぜひ配慮していただきたいと、かなり時間をとっていただいて話をしてきたところです。重ねて副市長も何回も全日空と話し合いをしている状況です。 これは神戸空港だけの問題ではないのです。全国の空港全体について、全日空の経営の状況から考えて見直しを図っていかないといけない、と言われています。しかし、実際に利用される人の利便を考えたときに、搭乗率がとても高く、あえて便数を減らすことは、ちょっと理屈に合わないのではと話をしています。
記者  そのような理屈に合わないことを、市長の主張に対して全日空側はどういったお答えをされているのですか。
矢田市長  全日空は、全国で様々な便を運航しているため、神戸だけ現状のままで考えていただくのかどうかはわかりません。 考えてみると、原油が高騰したことによって海外便ではサーチャージを課金し、この高騰に対する手段として随分経営努力をされたようです。今回の場合は、普通に考えたら原油価格は急落したわけですから、下がっているのに何故という話になります。やはり、先物買い的に予約をして調達を考えておられるようですから、そういうようなことも何か要因であるのかなと思わないことはないです。これは各社の経営の中身であり、我々が立ち入れないので申し上げることではないです。
太字は引用者。

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2008年12月16日に追加

前年割れ9か月連続に
羽田激減その他も厳しく

おはよう新社会党です』第559号は、世界同時不況に対し自治体の備えがいかになかったかを訴えました。その脇に次のグラフと短いコメントを載せました。

神戸空港(空港特会)は、'08年度、着陸料収入835百万に対し支出1,515百万円で兵庫県が243百万円の補助金を出す。利用者数と着陸料収入はほぼ連動。何より、来年度から埋め立ての借金返済(毎年200〜660億円)が始まる。

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2008年11月8日に追加

8か月連続 対前年割れ

昨年の9月から顕著になった「提供座席数」(=着陸料収入)の減少は、ついに昨年12月を例外として14か月連続となりました。

「利用者数」(乗降合わせて)は、'07年度の合計が294万人でしたが、今年9月までの1年間で280万人、10月までの1年間では278万人とさらに減少しました。神戸市が空港建設の根拠とした「319万人」の87%です。

スカイマークのパイロット2人が退職したために大量の欠航を出した「スカイ・ショック」(兵庫県関係者)は6月・7月の激減となりました。しかし、乗客数の減少は3月から、提供座席数の減少は昨年の9月からで、今も続いています。

下がり続ける法則があろうはずもないのですが、麻生内閣の支持率や世界の株価と一緒で、「底割れ」を心配している向きもあるようです。少なくとも「ご祝儀相場」が空港にもあったようです。

神戸空港の開港は'06年2月16日。'07年度は実質「開港2年目」'08年度は「開港第3年度」です。

'07年度上半期

4月

5月

6月

7月

8月

9月

利用者数(乗・降)

221,125

221,125

231,674

238,363

292,552

268,320

対前年同月(%)

102.7

105.5

110.1

115.6

119.9

110.6

 

'07年度下半期

10月

11月

12月

1月

2月

3月

利用者数(乗・降)

249,263

251,901

244,159

221,920

228,225

276,018

対前年同月(%)

105.9

112.5

116.6

105.3

104.3

96.5

 

'08年度4〜10月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

利用者数(乗・降)

218,861

235,024

200,592

201,205

249,344

228,911

224,312

対前年同月(%)

99.0

94.5

86.6

84.4

85.2

85.3

90.0

 
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2008年 9月7日に追加

チャーター便飛べど

久しぶりにあすの『おはよう新社会党です』に神戸空港問題を書きました。今年4月に「3月までの7か月間で、対前年乗客減が6か月」と報告しましたが、さらに4月以降も対前年割れが続いています。6月・7月にスカイマークが「パイロットが2人辞職して大量欠航」となったことが大きな原因ですが、その後も対前年同月の減少幅は、いっそう大きくなっています。

対前年減少幅がだんだん大きくなっています

 

4月

5月

6月

7月

8月

'07旅客数(A)  221,125 248,692 231,674 238,363 292,552
'07提供座席数 363,158 374,625 345,559 375,294 391,561
'08旅客数(B) 218,861 235,024 200,592 201,205 249,344
'08提供座席数 358,381 343,289 311,860 317,946 329,368
(B)−(A) ▲2,264 ▲13,668 ▲31,082 ▲37,158 ▲43,208

ついに対前年同月で、4万3千人の減少です。凄まじい減少です。

下の表のように、旅客数は開港初年度とぴったり同じ水準です。一方、「提供座席数」が大幅に減り、航空会社にとっては効率的な「機材の運用」ができたということでしょう。

日経新聞が、8月28日から30日まで「航空・逆風下のサバイバル」という特集をしましたが、それに符合するものです。「運んだ空気の量」が大幅減少、着陸料を節約し、原油高や世界の航空不況に対処しているということでしょう。

ただし、神戸市の収入面では着陸料に直結するのは提供座席数であり、小型化・効率化を進める航空各社の動向は、神戸空港には暗雲が立ちこめます。神戸市の計画では旅客数が年間319万人、その機種は今はないジャンボなど超大型まで見込んでいたのです。エミレーツ航空がドバイから飛ばす新開発の800人乗り(富裕層向けは450人くらいらしい)では関空でさえがエプロンからはみ出すと言うし・・・。

  4月 5月 6月 7月 8月
'08旅客数(B) 218,861 235,024 200,592 201,205 249,344
'08提供座席数(C) 358,381 343,289 311,860 317,946 329,368
'06旅客数(C) 215,267 235,655 210,395 206,115 243,979
'06提供座席数(D) 348,001 361,188 359,521 372,330 370,673
(C)−(D) 10,380 ▲17,899 ▲9,803 ▲54,384 ▲41,305

『おはよう』には、次のように書きました。資料は神戸市です。

熊本便復活・国際貸しきり便飛ぶも誤字訂正

乗客減そして収入減

 神戸市は8月の神戸空港利用者数を公表しました。スカイマークがパイロットが2人やめて大量の欠航を出した6月、7月から回復基調にあるものの、旅客数は開港初年度(06年)に逆戻りです。旅客数が前年を下回る傾向は昨年9月から続き、丸一年となりました。まだ一度も当初計画の年間319万人に届いたことがありません。旅客数・便数の減少は着陸料収入の減少に直結、ますます兵庫県の補助金への依存を強めそうです。

 兵庫県と神戸市は、来年度国家予算に対する要望で、「神戸空港の便数倍増と運用時間の延長(深夜運行)」を掲げました。カナダ製のプロペラ機での熊本便「復活」や、神戸・天津友好都市35周年記念事業で貸し切り便(オウンユースチャーター機、市長ら200人)を飛ばすなど、「利用者が多い」というキャンペーンに必死です。

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2008年7月12日に追加

利用者 減る一方

ついに羽田便の利用者数が10万人を割った!

けさの『神戸新聞』が市が公表した利用状況について、報じています。スカイマークのパイロットが2人減ったために運休が続き、その影響が搭乗者数=利用者数に顕著です。

下のグラフは、神戸空港の、そしてどの地方空港にとってもドル箱の東京・羽田便についてです。昨年12月から座席提供数は減り続け、利用者数は92,426人。一日あたり、鉄道乗客数と同じ数え方(それぞれの駅からの乗車人数をカウント)をすると、1,540人となりました。

 

対前年同月・航空会社ごとの乗客数で見ると、ANAも4月=96.6%、5月=98.0%、6月=99.7%と苦戦、JALは対前年では伸ばしていましたが6月は97.4%と落ち込みました。SKYは4月=90.0%、5月=73.0%、6月=57.8%です。

全路線合計での乗客数(乗・降)のピークは'07年3月の285,976人で、逆にこの6月の200,592人は、開港直後以来の少ない数字です。再来年には単純平均で毎月335,833人が乗降する計画なのですが・・・。

燃料高から関空や中部空港の国際便は80%の搭乗率がある路線でも、各社が撤退表明しており、原油高の影響は今後現れてくる見込みで、先行き、ますます危ない雰囲気です。

何度も言いますが、もっと危ないのは来年度から始まる造成費の元本返済資金です。

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2008年4月21日に追加

利用はピークを越した?

いろいろありながら開港以来、乗客数を増やしてきた神戸空港ですが、3月の利用実績が公表され、第一年度に続き第二年度'07年度も、「319万人」に届かず、「297万人」(これ自体は対前年度24万人増)だっただけでなく、重大な一つの事実が明らかになりました。

搭乗者数が増えるに従って航空会社は便数や航空機の機種(「機材」)を変更します。搭乗可能人数を「提供座席数」と呼びます。勘違いしている空港もあるようですが、機材に合わせて搭乗者数が増減するのではなく、搭乗者数に合わせて「提供座席数」は決まります。航空会社経営は科学または算術です。逆に言えば、空港さえ造れば搭乗者数は、そのキャパシティに合わせて増えるというのは空想であり、非科学です。本四架橋をキャパシティに合わせて車が通らないのと同じです。

さて神戸市が先に発表した年度末までの集計で、提供座席数は、第一年度より第二年度の方が少なかったのです。

  第1年度 第2年度 増減

提供座席数

4,534,246 4,435,741 ▲98,505

搭乗者数

2,738,143 2,972,212 +234,069

つまり、空席は実に33万席も減らすことができた訳です。空気を運ぶか客を運ぶか、航空各社にとってきわめて大切な数値は、劇的に好転しました。

対前年度の増減だけを月ごとに表にしたものは以下のとおりです。<+>は増、<▲>は減です。6月まで新潟、熊本便があり、代わって7月から石垣便が加わるなどの変更もありました。旅行代理店が「仕入れ」と呼ぶ「企画商品」に合わせた予約があって、航空各社は機材を選定します。開港直後と国体のあった第一年度は、航空各社の期待どおりに搭乗者数が伸びなかった。第二年度は期待を裏切られないように「提供座席」を航空各社は減らした。ということでしょうか。季節的な変動もあり、一概に▲が増える傾向だとも断言できませんが、SKY社の動向なども報じられており、熊本便復活というすごいニュースも伝えられていますが、「ピークを越した」と考えるのは早計でしょうか。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

なお、2ヘクタールの売却が決まりそうで、「売却にはずみがつく」と『神戸新聞』が2月に報じ、神戸市が3月21日に1.6ヘクタール(16,210平米)の契約が完了したと公表した用地は、'04年度に売却を開始した「保管施設用地」と「業務施設用地」(このページの昨年5月17日の図のKL)で、あわせて2.5ヘクタールの一部です。かねてヒラタ学園が進出すると言われてきた「小型航空機機能用地(固定翼)」の一部(同図F)は、三分の二を借地で、三分の一を売却で。訓練飛行に滑走路が使われることになるのは来年4月以降のようです。

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2008年4月3日に追加

新年度は管理収支の赤字必至

開港3年目・2008年度、神戸空港は早くも正念場を迎えます。例年どおり、予算定例会の港湾交通委員会にみなと総局が出した'07年度の決算見込みが4月1日付でホームページにアップされました。

空港島の埋め立て・造成など、神戸市民がもっとも心配してきた「臨海部土地造成事業」の巨額の起債償還は、'09年度から(10年債ですから)です。空港島の、使い勝手は悪いのに高価な(27万円/平米)土地が、今年中にどれくらい売却できるか、売却のために値下げするのか、想像もつきません。

一方、県からの補助金や地方交付税、あるいは航空機燃料譲与税をドンと投入する「管理収支」の方は、比較的健全だと見られてきたのですが、早くも第2年度で赤信号がつきました。収入は、4億円もの予算との乖離があります。

市が発表している数字は以下のとおりです。この調子ですと、'08年度は予算との乖離が5億円、'09年度には7億円、2010年度以降は着陸料が想定の半分程度しか入らないということになるのではないでしょうか。

(単位:百万円)
年度 '06年度 '07年度 '08年度 '09年度 '10年度 '11年度 '12〜'14平均 '15年度

着陸料予算

779 1,220 1,305 1,592 1,667 1,667 1,719 1,754

同上決算

899 836            

収入合計予算

1,187 1,861 2,021 2,448 2,666 2,640 2,932 3,097

同上決算

1,493 1,466            
                 

収支予算

115 541 429 499 439 165 148 297

収支決算

478 136

         

下はこれをグラフ化したものです。

始まった'08年度以降、さらに着陸料収入が増えつづけるという予定だったのですが・・・。


2008年1月31日に追加

319万人に届かず  さらに2年間

スカイマークが<神戸−羽田>便を4月から2便減便する意向であることを、『神戸新聞』がネット版できのう報じました。2月で開港から2年を迎えますが、実質初年度の'06年度2,738,143人、そして'07年度は12月までで2,246,049人、神戸市は「当初319万人、2010年度から403万人、2015年度434万人」と搭乗者数を見込んできました。今年度、開港以来最大の搭乗者数を記録することは確実ですが、開港初年度見込みに今年度も到達しないことも確実になり、その上、27便から25便に減便されることで、来年度('08年度)も目標到達は難しくなりそうです。

あらためて神戸空港の「見込み」を表にすると以下のようになります。

年度 '06年度 '07年度 '08年度 '09年度 '10年度 '11年度 '12〜'14計 '15年度
(平成 年度) (H.18) (H.19) (H.20) (H.21) (H.22) (H.23) ・・・ (H.27)
搭乗者数見込み(万人) 319 319 319 319 403 403 (@403) 434
  同 実績 (万人) 273              
着陸料収入見込み(百万円) 779 1,220 1,305 1,592 1,667 1,667 5,157 1,754
一日の便数見込み 27 27 27 27 30 30 (@30) 30
    同  実績 27 27 25          
建設費の利払い(百万円) 323 547 795 1,148 1,411 1,654 5,890 1,977
建設費の元金返済(億円)       265 650 374 693  

空港管理収支は開港直前にようやく明らかにしたものですが、着陸料の他に「地方交付税」「県補助金」「航空機燃料譲与税」が「税金を投入しない」という表向きのポーズをとりながら、実は投入されています。

地方交付税は、大阪府知事になる橋下氏が「府債ゼロ」という前言を取り消して「地方交付税で国が措置してくれる府債は借りた方がトクだ」と、きょう発言したらしいですが、まさにそれです。しかも「措置する」のであって「交付」はドンブリ、福祉関係の交付税と一緒になっていますので、実際はこの額が国から市へ送金されるものではありません。

県補助金は、県の行革新プランとやらで先々どうなるか分からない上、これも「半分は県が負担してね」と神戸市が要求しているに過ぎないものです。法制度的な「枠」はありません。市バスの運行補助まで打ち切る兵庫県が空港の運営にピーク時で4億も出してくれるのだそうです。病人の布団ははぎ取るけど旅客には手厚く?

航空機燃料譲与税は、話題の道路特定財源と似ていて、本来、炭素税的な、環境税的なものですから、広く神戸市域全般の環境保護のために使うべき性格の国税です。

これらがあるというものの、上の表で利払いが着陸料で賄えなくなる時期が間もなくです。便数と着陸料まで見込み違いが生じたというスカイマークの部分撤退は、大きな問題です。なお、神戸市の収支計画は、市のサイトにあります。

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2007年5月17日に追加

あらためて空港島売却計画について

神戸市は空港島の財政計画について、'98年に出した計画とその後の実績とを比較するデータをホームページにアップしています。(従来は手書きのものでしたが、2007年3月20日付で、PDFですが実績を斜体で表しています)

要約すると以下のようになります。官庁会計風に言うと「留保資金は48億円執行した」となります。

これを平易に言うと造成工事費は281億円、計画より少なくすんだが、工事中に売却できる予定だった土地が売れず、収入は568億円少なかった(予定の4割だった)ため、銀行から計画より239億円多く借り入れ、なお足りなかった資金は、48億円を流用した。48億円という額は、おおむね新都市会計から一般会計に繰り出すことを取りやめた金額と見あうものです。

なお、「実績」と言っても2007(平成19)年度の土地売却収入121億円を、見込んだ数字です。

    計画 実績
支出 工事費 2,482 2,313 169
利 息 298 186 112
2,780 2,499 (A)281
財源 起 債 1,743 1,982 239
土地処分 1,037 469 -568
2,780 2,451 (B)-329
新都市整備事業基金から繰り出し

48

起債が年度ごとに、どう膨れあがったか単位:億円)
  計画 実績 償還年度
'99(H.11) 384 265 2009
'00(H.12) 691 650 2010
'01(H.13)

463

374 2011
'02(H.14)

186

280 2012
'03(H.15) 19 205 2013
'04(H.16)   208 2014
1,743 1,982  

 

起債償還(借金の返済)はどうなっているでしょうか。

(4) 起債の償還

起債の償還は平成21年度から平成25年度までとなり、これについては上記1,037 億円以外の土地処分収入約2,000 億円を充てる。

というのが、'98年に提出した財政計画です。

まず、平成15年度までの5年間で起債が終わる予定でしたが、償還は2009(平成21)年度から6年間ということになります。

そして、「上記1,037億円以外の土地処分収入約2,000億円」があり、「上記1,037億円」のうち未だ入って来ていない土地処分収入が568億円も、あるのです。つまり、2,568億円を確保できるのです。いや確保するために土地を販売しなければならないのです。

この際、まだ0.3ヘクタールだけが民間売却という状態で、値下げを断行した空港島の土地売却計画を振り返ると以下のとおりです。計画の上ではすべての土地が3月31日までに「処分開始」となっていました。

地図も表も、初めて作ったのではありませんが、我ながら一番よくできました。お入り用の方は転載してお使いください。

番号 用 地 名 処分開始年度 面積 売り上げ 処分単価
(ha) 予定収入(億円)
@ 空港施設用地 平成14年度 6.7 17.42 26,000円/平米
A 空港施設用地 平成15年度 93.9 244.14
B 空港施設用地 平成16年度 37.7 98.02
C 旅客ターミナル用地 平成14年度 4.5 121.50 270,000円/平米
D 貨物ターミナル用地 平成15年度 2.8 75.60
E 駐車場用地 平成14年度 8.0 216.00
F 小型航空機機能用地(固定翼) 平成16年度 13.5 364.50
G 小型航空機機能用地(回転翼) 平成18年度 12.8 345.60
H 航空機サービス機能用地 平成16年度 11.5 310.50
I 航空機関連機能用地 平成16年度 7.1 191.70
J 総合物流施設用地 平成16年度 8.4 226.80
K 保管施設用地 平成16年度 1.4 37.80
L 業務施設用地 平成16年度 1.1 29.70
M 輸送用機械器具製造業用地 平成18年度 14.6 394.20
N 鉄軌道車庫用地 平成16年度 7.8 210.60
O 緑地(利便施設用地) 平成18年度 4.4 118.80
    236.2 3002.88  

 

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2007年 3月28日に追加

3たび「ありとキリギリス」について本会議で語る

本会議で「ありとキリギリス」を語ったのは、初めてではありません。最初は'93年に神戸空港に反対の表明をしたとき、2度めは、大震災の後でした。今度が3度めです。そして最後です。

 つぎに、神戸空港について総括・検証を求め、また市民意見を反映することを求める請願第178号および請願第179号について討論します。

 市長は、本定例会で神戸空港の用地処分について5割引や定期借地等の方針を示しました。

 思えば、開港してすでに1年。いや1年など、この20世紀から21世紀へとまたがった長大計画にとっては一瞬の出来事です。埋め立ての開始は99(平成11)年、埋め立て免許の出願は住民投票運動を足蹴にする目的を持って98年10月、もっと遡れば基本計画検討委員会の設置は89(平成元)年です。なんと平成の19年間にわたって、「財源調達」を怠ってきた!ことになります。

 その間に大震災がありました。また住民投票で決めようと言う大運動もありました。立ち止まる何度もの機会を、わざわざ見過ごして開港し、そして1年、その上に5割引なのであります。

 19年ぶりに財源調達方針が初めて公表されたのです。それは「半額セール」でした。先ほどの粟原議員の討論で売買実例として今後の用地売却に、大きな影響を与え、ひいては造成事業費の調達そのものを不可能にするのではないかと指摘したところです。

 そもそも、半額セールは、生ものなどの売れ残りや季節商品を廃棄処分するより原価割れでも売ってしまった方がいいという商法です。土地は生ものでも季節商品でもありません。閉店前の大安売りを売り物にしたスーパーもありました。これもしかし、開店直後だけの大安売りではありません。

 ところがわが空港島の用地売却は、開店直後だけの大安売りというのであります。

 財源は工事費を100億円、安くできたから、と。これは大きな間違いです。私たちは消費者として予定より安価で購入できたことを、たしかに「もうかった」などと言います。これはしかし、「もうけ」ではありません。

 100個2万円で仕入れる予定のチョコレートを19,000円で仕入れることが出来た。お菓子屋さんは100個を店頭に並べて、そのうち10個だけ1個あたり100円引きの値段をつけ、あとの90個は元の定価をつけて並べたら、どうなるでしょう。この商法の大失敗の、最大のポイントは1,000円安く仕入れたことを「儲かった」と勘違いしたことです。1,000円余分に利益を得るのは、100個全てが売れたときであります。

  しかも、定期借地では固定資産税の収入も見込めません。
 そもそも、計画段階で経済波及効果を過大に宣伝し、空港が出来れば雇用が増える、空港が出来れば市民所得の拡大に貢献すると言い続けたのが、時の市長でした。

 私は「ありとキリギリス」に喩えて、神戸市政の歩むべき道を提起したことを、今思い出しています。

 なぜ、いま、一人あたり市民所得を政令都市の中でせめて、中位くらいにしたいと表明しなければならないのでしょう。なぜ今、雇用問題がなお深刻なのでしょう。それほど空港建設の19年間、市の財政も神戸経済も後退したのです。空港計画は雇用や市民所得について、出来もしない約束をちりばめてきたのです。

  あと10日ほどで終わる平成18年度は、全ての用地が処分開始を迎える年でした。埋立免許の期限も迫っています。

 環境問題、需要予測、財政計画、空域と海上交通の安全問題など、すべてについてチェックし、総括・検証してその実態を市民に明らかにするべきであります。

 請願を採択し、みなさん、市民との約束を果たそうではありませんか。

 以上、私の最後の討論といたします。

 

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2007年2月12日に追加

搭乗率の下落とまらず

開港1年を目前に、神戸空港への逆風は収まる気配がありません。路線の撤退、減便、長距離バスの撤退、搭乗率の下落・・・。地元では神戸空港はなぜつくったのかという批判の声が強まっています。「きょうの井上力」では、用地のバーゲンセールについて「この商法の問題点は?」と書きました。あすの『おはよう』は、吉田俊弘さんがつくった面とトップニュース、「吉田さんがニュースを解く」いずれも神戸空港問題です。

データを載せるのは後日にしますが、発表された1月の搭乗率がまた最低を記録しました。

井上「ようやく1月の搭乗率がアップされました」
某氏「搭乗率はアップどころか最低だったと新聞に載っていた」
井上「それがアップされたのです」
某氏「また偽装問題か」
なにかよく分からない会話でした。

1月までの搭乗率をグラフにして『おはよう』に載せました。

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2007年1月13日に追加

「神戸空港に438万人!」
偽装空港の本領発揮

神戸市みなと総局は毎月、神戸空港の利用状況を公表しています。

「年間319万人が利用する空港をつくって、どこが悪い」と、開き直ってきました。ところが搭乗者数は一向に増えず、2月の開港からやがて1年を迎えるというのに、やっと100万人を超したところなのです。11月末までの累計で1,092,008人というのが正確な数字です。

もっとも、「需要予測319万人」という数字は、神戸空港の乗降客数だと説明されてきました。

定義は以下のようになっているようです
空港 搭乗者数 出発便に乗る人の数
旅客数 出発便と到着便の両方を数える
旅客機 搭乗者数 座席に座っている人の数
鉄道(駅) 旅客数 駅で乗る人(切符購入者)の数
乗降者数 ラッチを通過する人の数
バス 乗客数 乗って1人、降りて1人と数えるはずがない
タクシー 乗客数 同上

ことばは、よく似ていてもまったく異なるものを示すことがあります。白紙は何も書いてない紙または白い紙ですが、白書に何も書いてなかったら様になりません。「底上げ」と言えば何かの水準を上げることですが、「上げ底」は多く見せるため底に空洞をつくった箱や、転じて、統計数字などをごまかすことです。近年の流行語では偽装です。

神戸空港の需要予測は「上げ底」だ。構想の段階から広く指摘されてきました。そこで「底上げ」をすればいいのに、とうとう「上げ底」をしてしまったのが、神戸市です。ことばは、ちょっと似ていても早とちりをしてはいけない見本です。

神戸市が先日発表した「神戸空港利用状況」は、搭乗率低迷と報じられました。年末の利用者が多くなる時期を含んでも53.1%ですから、その報道は正確でした。

グラフが人の目を欺くのではありません 神戸市の発表です

路線の撤退・減便にうなされた関係者の初夢が、グンと折れ線グラフがあがる夢だったかどうか?

搭乗者数の発表にあたって、当初から見学者数を加えて「上げ底」してきましたが、12月にはついに10万人を割り込み80,731人。「入場者数」を「入館者数」と言い換え、「搭乗者数」を「旅客数」に言い換えた結果が「開港以来438万人が神戸空港を利用した」となるのです。これを偽装と言わずに何というのでしょう。せめて年度替わりにしてほしい。

提供座席数(A)、旅客数(B)、座席利用率(C)は航空会社にとって大切な定義と数字です。クーキを運ぶためにヒコーキを飛ばす航空会社はありません。クーコーのためにヒコーキがあるのではなく、ヒコーキのためにクーコーがあるのです。C=B÷A×100が搭乗率です。

神戸市みなと総局のように、空港の出口でも通る人の数を数えてみても、座席利用率が2倍になったりしないのです。53.1%が2倍になったら、立ち席券を売りたい航空会社が現れないとも限りません。「東京まで2,500円。バスより安い」・・・なんて。学力低下のきわみ。偽装もここまでやるか。だれかがいい初夢を見た代わり、私は悪夢にうなされそうです。

「560万県民が1年間でやがて1回ずつ神戸空港を利用した」と報告しないと、県税の神戸空港へのたれ流しを止められてしまうのかも知れません。


2006年12月27日に追加

あいつぐ撤退(続報)

けさの新聞が報じた神戸空港の路線撤退について、昨日付でみなと総局がだした文書は以下のとおりです。就航都市が「2減1増」7から6へ減少です。就航府県では7から5へ2減です。

 さて、このたび、株式会社日本航空及び全日本空輸株式会社より、神戸空港に係る平成19 年度の路線便数計画について、下記のとおり報告がありましたので、お知らせいたします。

 今後とも神戸空港の利便性向上及び利用促進に努めてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

1. 新千歳線を1 往復増便するとともに、石垣線を1 往復新設する。

2. 仙台線(1 往復)、熊本線(1 往復)を休止する。

*上記の実施時期は、6 月〜7 月で調整中

全日本空輸

1. 東京線、那覇線を各1 往復増便する。

2. 新千歳線を1 往復増便するとともに、新潟線(1 往復)を休止する。(移行時期は6 月中を目途とし、4 月から6 月の運航頻度は調整中)

3. 鹿児島線(2 往復)を休止する。

*上記1、3 の実施時期は4 月で調整中

(参考)

1. 現在の運航状況

鞄本航空10 往復
  (新千歳2、仙台1、東京2、熊本1、鹿児島2、那覇2)

全日本空輸10 往復
  (新千歳2、仙台1、新潟1、東京2、鹿児島2、那覇2)

2. 再編後の運航予定

鞄本航空10 往復(新千歳3、東京2、鹿児島2、那覇2、石垣1)

全日本空輸10 往復(新千歳3、仙台1、東京3、那覇3)

*なお、スカイマーク鰍ェ東京線7 往復を運航。(平成19 年2 月・3 月ダイヤによる)

石垣へのJALは直行便(ANAは乗り継ぎ)です。これで関空から1便、伊丹から1便、神戸から1便となり、「大阪神戸空港」の面目躍如?です。石垣への観光客を広く関西全域から集めるという考え方が功を奏するかどうか。『神戸新聞』によれば「潜在需要はある」というJALの見解だそうです。

それにしても、旅行代理店が押さえている団体前売りは、それほど少なかったということのようです。便がなくなる新潟、熊本でも、これが可能なのは、近くに伊丹から新潟、熊本への便がある、いや元々あったからです。旅行社の「仕入れ」のリスクも小さく、航空会社に路線の撤退と就航を容易にしたという点で、神戸空港はその方面では高い評価を受けるのです。

トータルで、新千歳6便、東京12便、那覇5便、その他4便(鹿児島2、仙台1、石垣1)となります。11月の那覇便搭乗率は46.1%です。開港1年もせずに「乗って残そう○○便」運動と、加えてベイシャトルのために「海から行く関空は近い」運動という2正面作戦となり、加えて神戸空港にはさらに2つの財政問題が立ちはだかります。

一つは、空港会計で、当面毎年約2.5億円ずつ起債償還額が増えることへの対応です。「着陸料収入で賄う」と明言してきましたが足りず、県費に頼らざるを得ませんでした。

もう一つは、造成財源の大半を工事中と完成後の土地売却で賄うと明言してきたのに、土地が売れていないことです。当初計画では「最後の土地の売却開始は'06(平成18)年度」でした。あと3か月であの水たまりを売りに出すことなど、できるはずがありません。


2006年12月25日に追加

あいつぐ撤退

神戸空港に就航する3社のうち、JALとANAが路線撤退を検討していることが明らかになりました。

神戸新聞が12日に報じ、東京新聞など、ほぼ全紙が追いました。また空港特別委員会で、みなと総局長は「聞いていない」としながらも、それぞれ撤退となると乗降客数と着陸料収入がどう減るかを答えました。検討されているのはANAの新潟便、ANAの鹿児島便、JALの熊本便などです。

搭乗率

11月

2〜11月

伊丹便

関空便

新潟
(ANAのみ1往復)
38.0% 33.9%

ANA4便
JAL4便

鹿児島
(両社で4往復)
48.2% 41.6%

ANA6便
JAL7便

ANA2便

熊本
(JALのみ1往復)
41.0% 32.4%

ANA4便
JAL4便

仙台
(両社で2往復)
45.7% 45.1%

ANA系6便
JAL6便

『東京新聞』(共同通信)が確定的に報じていますが、ANAは新潟、鹿児島をやめて、札幌、那覇に各1便増やすようです。

神戸空港は「7つの都市と結ばれている」が自慢ですが、雲行き怪しくなり、おまけに、伊丹とは7つどころかもっと多くの都市と元々、結ばれていたのでした。しかも数多く。


2006年11月12日に追加

スカイ便、搭乗率回復したが・・・

神戸市が毎月初めに発表する神戸空港の搭乗実績ですが、今月は未発表です。東京便のスカイマークだけネット上で公表されましたのでグラフをつくりました。われながら「いまどきの神戸空港」に、熱心なことです。

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

搭乗者数

25,865

69,176

59,794

62,469

58,337

54,671

61,163

52,289

59,462

搭乗率

84.0

90.5

83.8

85.4

78.8

71.2

79.6

63.1

72.7

スカイマークは「搭乗率8割で採算ライン」(西久保慎一社長)としています。9月が63.1%と就航以来最悪の搭乗率でしたが、10月は持ち直して72.7%です。もっとも、これでも月ごとに見たとき、悪い方から3番目で、5月を最後に8割に到達していません。

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2006年10月12日に追加

質的に変化し始めた神戸空港

9月までの「神戸空港利用状況」が発表されました。神戸市は開港後のデータを発表しています。3月末までと新年度とわけると、4月から9月まで'06年度上半期は乗客数1,353,980人となり、「初年度319万人」という広げた風呂敷は、やはり大きすぎました。厳密に言えば「初年度は目標にまったく届かず35万人」でした。

搭乗率を上げて効率化を競い合う航空会社の目標に照らして、それを裏から見れば、何とわずか半年で約100万席の空席を運んだのです。空席の上には空気しかなく、つまり海上アクセス同様に、「空気を100万人分運んだ」のです。

冗談はさておき、各月の乗客数、利用可能座席数、搭乗率は、路線別に以下のとおりです。以下、特徴をグラフで示しましたので、お使いください。またデータもpdfより使いやすくしています。搭乗率は航空会社発表の数字と若干異なります。緊急用の空席の扱いの違いではないかと思われます。

  乗客数 座席数 搭乗率 乗客数 座席数 搭乗率 乗客数 座席数 搭乗率
新千歳 15,325 17,888 85.7 32,495 42,490 76.5 33,566 57,480 58.4
仙台 4,570 8,216 55.6 9,222 19,282 47.8 6,501 18,719 34.7
新潟 2,167 3,848 56.3 4,472 10,132 44.1 3,771 16,644 22.7
羽田 51,103 59,253 86.2 122,123 143,546 85.1 109,678 143,438 76.5
熊本 1,702 3,900 43.6 3,158 9,290 34.0 2,475 8,650 28.6
鹿児島 9,277 15,966 58.1 16,892 38,532 43.8 14,648 37,470 39.1
那覇 25,929 34,484 75.2 55,711 81,932 68.0 44,628 65,600 68.0

110,073 143,555 76.7 244,073 345,204 70.7 215,267 348,001 61.9
1日平均 8,467 11,043 76.7 7,873 11,136 70.7 7,176 11,600 61.9
 
  乗客数 座席数 搭乗率 乗客数 座席数 搭乗率 乗客数 座席数 搭乗率
新千歳 43,080 59,693 72.2 46,322 58,020 79.8 43,869 61,240 71.6
仙台 7,681 19,437 39.5 9,167 18,685 49.1 7,003 19,292 36.3
新潟 3,859 14,880 25.9 1,661 4,440 37.4 1,651 4,440 37.2
羽田 112,243 149,747 75.0 100,033 145,546 68.7 98,178 151,172 64.9
熊本 2,806 8,990 31.2 1,924 8,760 22.0 2,255