2011年2月の井上力

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2月28日(月) いただくハガキから
2月13日(日) 希望と安心の県政
2月10日(木) 民主主義の成熟度
2月6日(日) 政策の住民投票をこそ
2月3日(木) 神戸空港、独立採算の虚構
2月2日(水) 宝くじに当たるほど希なできごと
2月1日(火) 子ども手当の議論に若者が加わって
   

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2011年2月28日(月)の井上力
いただくハガキから

何の根拠もない「70年」という単位に目を(頭を)奪われています。140年前。フランスの1871年はパリコミューン。これから70年後の1941年、日本は米英オランダ・フランスに対して開戦(真珠湾攻撃)し、今年はそれから70年です。

日本国憲法の前文にある「普遍の原理」(そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。・・・ここは、けさ伊吹文明さんが菅直人首相に、つまり自民党が民主党に問うているのを面白く聞きました・・・ほぼ瞬間的に乗ったクルマの中で)は、パリコミューン以来の普遍の原理です。

パリコミューンが実現した多くの基本的人権や民主主義の制度のうち、70年以上を経て日本国憲法に引き継がれているものは、児童の夜間労働禁止=児童の搾取禁止、女性参政権、常備軍の廃止(紛れもなく一度は廃止された)など、実にたくさんあります。

一方で、140年の間、忘れられたり、ねじ曲げられた法制度もあります。常備軍の廃止について世界はすっかり忘れています。また代議員が「議会風のもの」ではなく、「労働者並みの賃金で働く」原則についても。社会主義の主張に属する者こそ、この問題を真剣に考える必要があります。

私がいただくメッセージ(後援会加入ハガキ)で、とても目立つのが「政治不信」です。民主党政権への期待が裏切られたこと、国会論戦やその報道に落胆していること、地方政治についてもしかり。統一地方選挙を前にして、名古屋で起きた議会解散の住民投票結果を真摯に受け止め、この選挙に臨む私のスタイルを仲間と相談して確定しました。

誤解を怖れずに言えば、国会も地方議会も、定数削減ではなく議員報酬削減です。定数は人口に応じて、最終的には議場の広さに応じて、です。議員報酬の理想は労働者並みの賃金で、国会と県議会、および政令市の議員報酬は削減すべきです。

「16年にもわたって高い議員報酬を得た経歴」を私は持っています。反省は色々ありますが、「神戸空港反対」「神戸市会のオール与党体制打破」「二十数年ぶりの請願受付」「二十数年ぶりの記名投票」「二十数年ぶりの委員外議員の発言」「住民投票運動」などなどを密かに自負していたのも事実です。まさに権威は国民に由来するのであって、私や新社会党がこれらの原動力だったわけではありません。「野党は働きが見えるから市民の議会批判の対象の外だ」という思い込みがあったわけでもありません。いずれ、清貧に甘んずる新しい議会に生まれ変わっていくだろうという認識こそが、私の最大の反省です。その人間が・・・難しいことを言って・・・ですが、地方議会に対する住民の怒りや苛立ちについて、私は耳を澄まして、街頭でもどこでも、しっかりお聴きしたいと思います。世界を覆う大失業時代があり、「脱失業は最後の一人まで」という主張とセットで。

パリコミューンは3月でした。名古屋の市会議員選挙は3月13日。住民投票の結果と、また少し異なった民意が示されるでしょうが、失業問題が深刻なこと、議会が変わらなければならないこと。これだけは、はっきりしています。

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2011年2月13日(日)の井上力
希望と安心の県政

『希望と安心の県政−井上力とともに』後援会加入のしおりが完成しました。その一部を「いまどきの県政」にアップしました。表紙は下の写真です。

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2011年2月10日(木)の井上力
民主主義の成熟度

名古屋のトリプル投票の結果を受け、井戸敏三知事が定例会見で見解を述べています。

トリプル投票の結果は、政治の機能不全を打破したこと(することへの期待)を評価。減税が支持されたのなら心配。地域政党はワンイシューの提起があれば勢いを持つ。運動論としてはある。二元代表制の破壊には、いかがかなと懸念。地域政党というより個人政党。減税のひとり歩きは懸念。などなど。

さらに・・・

私はもともと、政令市の区の在り方が一つ問われてくるということと、それから基礎的自治体としての規模を超えている政令市が多いのではないかということを主張してきました。

神戸市の規模は兵庫県全体から見ると4分の1程度で150万人です。ぎりぎりの状況ではないか、基礎的自治体としても100万人以上ではありますが、何とかまとまりをもってやっておられるぎりぎりなのではないかという気はしています。一方で、例えば大阪市とか横浜市とか385万人とか280万人という自治体が基礎的自治体といえるかどうか。

「何とかまとまりをもってやっておられるぎりぎり」とは、さすが言い得て妙。 知事は大阪都構想などについて、適正な基礎的自治体の規模を語りました。住民投票の大きな論点となった議員報酬のことには(当然)言及していません。

私は名古屋市の議会基本条例について、その一部に重大な欠陥があると言ってきましたし、今回の市会解散へといたる一連の動きの、重大な分岐点で市会側が行った大失策だと考えています。

第5章 議員定数・議員報酬等
(議員定数及び議員報酬に関する基本的な考え方)
第16条 議員定数及び議員報酬に関しては、別に条例で定める。これらの条例について、これを制定し、又は改廃するときは、議会基本条例の趣旨を踏まえ、これを提出する。この場合、民意を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を活用することができる。
2 議員定数については、地方自治法の趣旨を踏まえ、議会基本条例に定める議員の役割を果たし、各層の多様な民意を市政に反映させるために必要な人数を確保し、人口比例等を考慮し、別に条例で定める。
3 議員報酬については、地方自治法の趣旨を踏まえ、本市の財政規模、事務の範囲、議員活動に専念できる制度的な保障、公選としての職務や責任等を考慮し、別に条例で定める。
(政務調査費に関する基本的な考え方)
第17条 政務調査費については、使途の透明性を確保するために、領収書等の証拠書類を公開するとともに、政務調査費による活動成果を市民へ報告するよう努める。
2 政務調査費に関しては、別に条例で定める。この条例を制定し、又は改廃するときは、議会基本条例の趣旨を踏まえ、これを提出する。

議員報酬は「本市の財政規模・・・等を考慮」すると(それだけではないにしろ)、どうなるでしょう。

  愛知県議会 名古屋市会 兵庫県議会 神戸市会
'10年度当初予算額

22,449億円

10,344億円

22,045億円

7,661億円

国家予算(10,000)対比

244

112 240 83
議員報酬は?

97万円(月)

減額中・・・79万円(月)
条例は99万円(月)

93万円(月)
減額中13日追記

93万円(月)

愛知県と名古屋市のことはさておき、兵庫県と神戸市の「規模」は知事会見で4分の1。人口規模では、正確には558万人と154万人で3.6対1です。財政規模で言えば3対1にかなり近い割合です。条例は理想を掲げているだけかも知れませんが、現状は、財政規模とは無関係です。高止まりさせるための条項です。理想は「労働者並みの賃金で働く代議員」です。代議員ですから(株主総会とは違うのですから)代議員数は、人口に応じて。その総数は議場の広さが規定します。どこまで行っても財政規模は関係ありません。「今後は市民代表に決めてもらう」というのもまやかしで、これまでも「市民代表」たる報酬審議会の答申を受け、条例を自ら制定してきました。

さらに木によって魚を求めるが如しかも知れませんが、知事会見のなかに(政策についての)住民投票が出てこないのが残念です。

まして今回は民主党衆議院議員が民主党の推薦で当選し、わずか2年で民主党を対立候補にした選挙になりました。これも「民主主義の成熟度」?

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2011年2月6日(日)の井上力
政策の住民投票をこそ

名古屋のトリプル投票は、投票箱がしまって開票作業が始まろうとしている頃です。あすの『おはよう』に、「名古屋のトリプル投票民主・自民惨敗」「井上力コメント『政策の住民投票を』」と書きました。

先月から「記事」を小林るみ子・市議と私の交互に「特集」のようにしていて、あすの『おはよう』は以下のようになりました。

名古屋で行われたトリプル投票は「民主王国」を崩壊させました。市長や知事を党首とする「地域政党」が圧勝しました。

とくに政令都市で史上初めてとなった市会解散の是非を問う住民投票は、市民が議員に即日解職の断を下し、統一地方選挙への影響は必至です。

県議選予定候補の井上力は昨晩、要旨次のようなコメントをだしました。

・・(略)・・市民から選ばれ、その権威は市民に由来することを忘れた議員と議会の、当然の結末です。議会基本条例にある財政規模に応じて報酬額が決まるという条項と、昨年九月の報酬条例が、市民の怒りを一気にかきたてました。ここで「報酬」「減税」などを市民に問うべきでした。強引な河村市長への反発から総野党化し、ついには政策選択を市民に委ねる住民投票ではなく、解職の住民投票となったのでした。・・(略)・・とは言え、首長が党首の政党は地方議会には要りません。・・(略)・・「労働者並みの賃金」という旗を掲げて邁進します。

名古屋市会 解散 が圧倒!
市民の怒りのほこ先は市議へ市会へ

河村たかし市長は2009年4月当選、就任以来、市長と市会の対立激化

2010年2月 河村市長が「議員定数半減、議員報酬半減」を提案。地方自治の本旨(憲法)と地方自治法に反する提案に、市会は反発

3月 市会は議会基本条例を可決。定数と報酬を現状維持。報酬は「財政規模」によるなどと規定、政務調査費月額50万円も現状維持

4月 市長が党首の「減税日本」

8月 市会解散のリコール運動発足

9月 市会は月額99万円の報酬を半年間だけ79万円に減額 市民は絶望

11月 リコールの有効署名数をめぐって紆余曲折、市長も辞職の作戦

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2011年2月3日(木)の井上力
神戸空港、独立採算の虚構

2月16日に開港5年を迎える神戸空港の管理収支について、『神戸新聞』が「'11年度から独立採算断念」と報じました。わが「いまどきの神戸空港」上に昨年8月18日、グラフと表を載せました(いまは「いまどきの神戸空港バックナンバー4」)。'09年度決算の数値を加えて再掲します。

'09年度着陸料の実績が687百万円から675百万円になど、「いまどきの神戸空港
バックナンバー4」(昨年8月18日)に載せたデータを確定数字(昨年10月)に
変更しています。グラフも造りかえました。
 神戸市:神戸空港の管理収支の見通しより
 
 

単位:百万円

  '06年度 '07年度 '08年度 '09年度 '10年度 '11年度
  計画 実績 計画 実績 計画 実績 計画 実績 計画 予算 計画
着陸料 779 899 1,220 899 1,305 738 1,592 675 1,667 608 1,667
停留料 8 10 11 12 12 9 26 10 26 11 26
土地使用料 37 45 37 45 37 45 37 44 41 45 41
地方交付税 120 110 196 193 240 232 328 316 410 414 484
県補助金 158 158 209 195 227 244 251 262 299 265 199
航空機燃料譲与税 84 197 187 195 199 182 213 187 222 150 222
雑入等 1 74 1 15 1 149 1 233 1 573 1
収入合計 1,187 1,493 1,861 1,554 2,021 2,448 2,448 1,727 2,666 2,066 2,640
                     
管理経費等 739 727 739 754 739 650 739 630 739 636 739
消費税 0 0 24 0 48 44 52 25 67 25 72
市債償還費 323 288 547 501 795 732 1,148 1,072 1,411 1,395 1,654
予備費 10 0 10 0 10 0 10 0 10 10 10
支出合計 1,072 1,015 1,320 1,255 1,592 1,426 1,949 1,727 2,227 2,066 2,475
                     
収支 115 478 541 299 429 173 499 0 439 0 165

'07年度以降の、収入の「雑入等」および、'06年度以降の「収支」を足し算します。

●「雑入等」の計=970百万円

●「収支」の計=950百万円

実際のお金の動きは、478−15+299−149+173−233+0−573+0=−20です。

'10年度予算は、すでに2千万円を他会計から持ち込んで(「流用して」と読む)成り立っていました。'11年度は、基金の残額が『神戸新聞』によれば、 1億4千万円。着陸料は6億円か7億円なのに、市債償還費だけで16億5千万円。開港時の計画(年間403万人)との収入差が完全に10億円あいてしまいます。

独立採算が断念されたのは、この特会スタートの時からで、'10年度までに地方交付税12億65百万円、県補助金11億24百万円が「神戸空港管理収支特別会計への公金投入」です。厳密に言えば「市税の投入」ではありませんが、お金に色がついているはずもありません。地方交付税は福祉に使っても、教育に使ってもいいお金です。そちらに廻せるお金が 単年度で約10億円、空港に使われています。

なお、「他会計」の新都市整備事業会計とは、神戸の山や海を売ったお金が「内部留保資金」という名前で、貯められているものです。すでに空港島造成の市債を返済するために、ここでも「流用」が行われています。「山、海へ行く」と絶賛された神戸市商法は、市民に団地を買わせ、売上金を神戸空港につぎ込んでる構図です。

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2011年2月2日(水)の井上力
宝くじに当たるほど希なできごと

きのうは夕方、とても嬉しいことがいくつもありました。ポスター貼りが始まったこと、Sさんから「選挙の戦闘服」だとしてネクタイをいただいたこと、そのSさんからの情報でAさんが骨折のあと、職場復帰をしたという知らせ、 「学校を出ても仕事に就けない」世の中を是正するために1年間の臨時採用を兵庫県が募集したこと(条件と募集人数は、腹立たしい!)など。もっとも嬉しかったことは、1.17にも姿を現さず、昨年の夏以来音信が途絶えていたOさんと遭った、元気にしておられるというTさんからのケータイ。

Oさんの消息不明は、不慮の事故でもあったのではないか、手伝えることはなかったんだろうか、大震災以来のつきあいですが、仲間とそんな心配をしていました。宝くじにでも当たって姿を消したのならいいが、そんな宝くじに当たるほど希なできごとに期待できないし・・・などと話していたのでした。よかった。

ポスターは、これです。

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2011年2月1日(火)の井上力
子ども手当の議論に若者が加わって

子ども手当法案(2011年度の時限立法)が廃案になるか新年度に間に合わないと、児童手当に戻ることになる。もともと子ども手当で民主党が得票を増やし、政権交代したのだから「これは政局だ」というのが国会のなかの出来事。これは出来事であって国会の議論はありません。

もう一つの出来事は、神奈川県など首都圏の自治体に目立つ「負担拒否」と「全額給付」の動き。これは議論はあっても、その議論に給付対象者(子育て世代)は参加していません。

井戸敏三・兵庫県知事は先週の記者会見で次のように述べています。

子ども手当の地方負担についてならば、本県も検討しないといけないと思いますが、児童手当の本県負担は児童手当法もありますので負担せざるを得ないと考えています。今、おもしろい仕掛けになっていて、児童手当を前提に子ども手当とみなしています。子ども手当法で児童手当の分を子ども手当とみなして1万3000円、3(歳)未満は2万円としています。我々が負担しているのは児童手当を負担していると理解していますので、児童手当の本県負担分として予算化をするつもりです。子ども手当の県費負担は了承したことはありません。もしもそうならば、本県も予算計上しませんが児童手当の本県負担は現行法に基づき負担せざるを得ないです。

http://web.pref.hyogo.jp/governor/g_kaiken110124.htmlより

その児童手当について、昨年度の兵庫県予算では次のように説明されています。まことに「おもしろい仕掛け」です。(http://web.pref.hyogo.lg.jp/contents/000147088.pdf89ページから90ページ 。PDFの検索窓では50ページから51ページ)

私の願いは、若者の議論への参加です。どの施策が雇用拡大への結びつきが強いか、効果が大きいかどうか、順番をつけて若者に示すこと。若者がその議論に参加すること。未来のためにしなければならないことは、一に雇用、二に雇用、三に雇用ではなかったのですか。財政が大変なときだからこそ、雇用拡大に結びつかないことは後回しに。
 
私学助成や保育所を増やすことは、雇用を増やし、消費を増やし、経済を拡大します。現状では給食材料費が保護者負担となっていて、給食の質の向上にブレーキをかけています。学校給食の無償化はそのブレーキを解くでしょう。

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