画
Sachiko Tanabe
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タイトル | 更新(追加)日 |
2006年3月13日 |
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2006年2月15日 |
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2006年1月4日 |
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2005年11月3日 |
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2005年7月18日 |
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2005年6月12日 |
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2005年3月27日 |
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2005年2月1日 |
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2005年1月4日 |
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2004年12月22日 |
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2004年11月21日 |
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2004年8月9日 |
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2004年5月23日 |
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2004年3月30日 |
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2004年3月21日 |
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2003年12月27日 |
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2003年12月2日 |
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2003年11月4日 |
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2003年8月24日 |
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2003年2月10日 |
連載中! |
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2006年2月16日神戸空港の開港を目前にひかえ、いろいろな方々の意見を交えて「特集・いまどきの神戸空港・そしてもうひとつの選択」と題し『おはよう新社会党です』に連載中です。 |
神戸空港が市民の心配・不安・批判を無視して2月16日開港します。海洋環境、騒音など環境破壊、管制や空域の安全性、建設財源問題と運営収支、そして必要性や「まちの形」への大きく黒い影、住民投票を拒否した市会と市政の汚点・・・。開港を37日後に控えたきょうの時点になっても、問題が多岐にわたって指摘されています。「いまどきの神戸空港」をまとめて報告します。
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岩屋の市営住宅に住むOさんは、出張で新幹線に乗るたびに、震災後の公的支援を要求して何度も国会へ行ったときの記憶が甦ります。東京からの帰り道、バスが休憩した富士サービスエリアで60歳代の女性がつぶやきました。「東京は生まれて初めてやってん。富士山も初めて。きれいやね」
Oさんは、大震災で神戸市役所が名誉回復できるいくつかの機会をすべて逸してきたと指摘します。にわかに「災害救助の拠点として空港が要る」などと取って付けたことなど、もっての外だと。そして「空港ができれば雇用が何万人、市民所得が何千億円という、あのキャンペーンはなぜ消えたのか。今は『開港まであと何日』ばかり。新社会党は開港したらマイナスの『効果』をきちんとキャンペーンするべきだ」と。
神戸市は3,621億円の市民所得増と27,445人の雇用拡大を「空港の経済効果」として市民に約束してきました。その数字は矢田市長が2期目に打ち出した「市民所得10%アップ」「2万人雇用」とほぼ一致します。「空港だけが市政か」Oさんは怒ってます。(1月10日『おはよう新社会党です』第416号)
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岡山県・山陽団地に住むWさんが大震災まで住んでいた桜口町5丁目には、フィットネスクラブの入るウェルブ5番街2番館が建ちました。前にはイタリア広場。子どもたちの歓声が絶えず、防災公園の竣工式ではテントで一晩を過ごす体験学習の場ともなりました。避難所で持病が悪化し、山陽団地へ移って11年。「(住んでた場所が)役に立っているのは嬉しいけど、・・・。避難所はキャンプとは比べられない。つらくなかったら、山陽団地に行かなかったよ」と。Wさんには「独立採算」をかたる再開発も空港建設も、被災者切り捨て策だとしか言いようがありません。
商業床の多くが分譲から賃貸に変更され、再開発事業の収支が釣り合うのは遠い将来の話となりました。テナントも経営は厳しく、震災前からの店は数えるほどです。
神戸空港も「市税投入せず」という約束が風前の灯火です。管理収支は収入が支出の3倍という甘い見通しでした。就航機ほしさに着陸料を値下げしたり、乗客確保のために駐車場を一部無料化したため、収支のバランスは崩れ、市税の投入が画される始末です。
造成費用3,000億円の大半を土地売却で賄うという計画でした。滑走路や誘導灯など民間売却できない部分を除いた97.7fは、どんどん売れてすでに工場などが建っている予定でした。開港の時点で民間に売却できたのはレンタカー会社の0.3fだけで、予定の0.4%という惨憺たる状態です。(1月16日『おはよう新社会党です』第417号)
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地域密着の旅行代理店に勤めるTさんは、下がり続ける売り上げで減収を余儀なくされています。格安航空券やネット予約の登場で大手でさえ業績は思わしくありません。不況で取引先中小企業への販売は低下し、個人客も減少、バブル時代を思い返さずとも業績悪化は明らかです。『風のハルカ』はTさんにとって脳天気そのものにみえるそうです。
もともと1年前に航空券や旅館・ホテルの予約をすることをこの業界では仕入れと呼び、キャンセル料の必要ないギリギリの時点までにパック旅行の予約をとるのが「ビジネスモデル」だったそうです。航空会社や旅館・ホテルがそれぞれネット販売に力を入れれば入れるほど、代理店のシェアは落ち込んだそうです。神戸空港ができれば神戸での需要が増えるというのは、一般論として成り立っても需要急増はありません。ネットバブルとその崩壊の時代に「いっそう商売は難しい」「開港に落胆もしないが、バラ色の夢だけふりまかないでほしい」とTさんはおっしゃっています。
もともと「需要がある」「関西に滑走路が不足している」を理由に着工されました。下方修正した需要予測は開港初年度で319万人。地下鉄海岸線は13万人から8万人へと下がった「予測」に、現在4万人。「国内線はダメでも国際チャーター便がある」「ビジネスジェットがある」「職員の出張がある」・・・。
1月21日産経新聞は「国土交通省は、神戸空港に国際チャーター便を認めず。週明けにも国内外の航空会社に通達をだす」と報じています。(1月23日『おはよう新社会党です』第418号)
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英会話にいささか自信を持っていたMさんは、航空会社の地上勤務を希望し日本エアシステム(JAS)に入社しました。猛烈な勢いで造られた地方空港に就航し成長した東亜国内航空を引き継ぎ、JAL、ANAを含めた航空3社体制の時代でした。世界の航空業界は巨大化しては経営破たんの繰り返しが始まり、パンアメリカン航空まで姿を消したのは90年代初頭でした。
かつて航空審議会は「国際線1社、国内線2社が適切」などと答申したこともありましたが、グローバリズム・新自由主義の荒波の下、'02年にJASはJALと経営統合、JALの完全子会社となりました。日本航空ジャパンとなって2年、いまMさんの職場は複雑職種が別れ、総合職の仲間は数えるほどです。グループ企業ごとに職種も待遇もバラバラで一緒に仕事をする仲間と一体感を持てません。たび重なるミスは経営統合前には考えられなかったとMさんは指摘します。
航空会社の仕事は空港を造ることではありません。空港は税金で造り、着陸料やターミナル使用料を払って航空会社は利用者から運賃を取っています。
規制を取り払えば既得権はなくなり、競争が激化し、その競争によって価格は賃金・給料も含め、収まるところに収まる手筈でした。
'90年には「関空ができれば伊丹は廃港」という取り決めまで怪しくなり始めていました。(1月30日『おはよう新社会党です』第419号)
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関西空港開港後も伊丹空港を存続させることが閣議決定されたのは'90年秋でした。関西空港は成田と並ぶ国際ハブ空港、公害のない海上空港として、また利益を目的とし従って民営空港として、すでに着工されていました。
大資本は対外投資で現地生産を強めていましたが、ソ連・東欧の崩壊でグローバリズムは加速し、産業空洞化と表現される国内経済の疲弊は始まっていました。顕著になったのはバブル崩壊です。国際物流再編にあわせ、巨大国際空港を関西にも造ることが国策でした。地方に空港を造りすぎ、首都圏に空港が不足している状態は放置されました。
「空港は儲かる」という神話は、国の空港特別会計に占める羽田と伊丹の稼ぎぶりや、鉄道が未発達で相対的に空運に依存するアメリカに由来します。'87年の関空着工以来、「空港は儲かる」どころではなくなりました。関西空港に降りかかった「想定外」の事態は日本の航空政策全体におよんでいました。経済成長率そのものが「想定外」に下落し続けた15年間だったからです。
関西空港会社は、国費をがぶ飲みし、いやがる航空会社に就航を強要し、周辺開発もまた土地は売れずビルは空き家に、また地元自治体は「想定外」の財政危機に陥っています。
一番機が飛ぶ2月16日から「儲かる空港」を実証する責任が、神戸市長や推進派市議、あるいは神戸の財界に課せられます。(2月6日『おはよう新社会党です』第420号)
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関西空港が着工された'87年、地上げが社会問題となり、高度成長は終わっているのにそれに気づく学者も公務員もほとんどいませんでした。大企業が生産を海外に移し産業空洞化が指摘されているのに、産業基盤を整備し都市開発を進めれば経済は成長するという神話がありました。高速道路、ダム、産業団地、地下鉄、駅前再開発などに税金を使いつくし、莫大な借金をして地価をつり上げることに国も自治体も一生懸命でした。バブル崩壊は直後でした。
関西空港と神戸空港は、同じ目的で同じ成長神話を疑わず、同じ時期に造られました。「関西3空港の役割分担」が何度も協議され、その解釈をめぐって何度も火花を散らし続けます。関空は国際線、伊丹は国内基幹空港、神戸は地方空港という「とてもよく分かる」分担は、どの角度から見ても何も分担しない取り決めになってしまいました。
路線をどう分担するか、ドル箱とされる羽田便は分担すれば分「散」するだけでした。就航する航空会社をどう分担するか、JASはJALに経営統合され、競争を掲げて整備部門を他社に任せ、進出・撤退をくり返す企業を国土交通省は育成しました。過疎地にバスが走らなくなったのと同じ競争原理が航空界にも働き始めました。何よりも、周辺開発で企業がどう立地するかという「分担」はありません。大阪湾ベイエリアが広大な遊休地と化しました。安全を後回しにする競争に、神戸市民が巻き込まれました。(2月13日『おはよう新社会党です』第421号)
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昨年3月25日、神戸空港の飛行経路が決まったとして神戸市は市会に報告し、公表しました。変更された航空路誌が公表され、正式に飛行経路が確定したのは12月22日でした。開港まで2か月を切っていました。着陸便も出発便も一部が淡路島の南北端をかすめ、低空で飛行することが定められています。
辛うじて開港に間に合った飛行経路の確保でしたが、長い経緯がありました。神戸空港の周囲は東西南北どこにも出入り口がなかったのです。広い空のなかで、真上以外ただの1か所も。ロケットか軍用ヘリのように飛び上がるジェット機は当時も今もありません。
'93年8月25日に第6次空港整備5か年計画を発表したのは、できたばかりの細川内閣でした。「低高度で陸上を飛ばない」とする近畿圏の合意(三点セットとよばれた)が破られた瞬間でした。神戸空港の飛行経路を確保するため、それまで明石海峡上空を経路としていた関西空港便を淡路島上空に移動するものでした。「轟音をとどろかせるジェット機がおたくの上空を通過しますよ」と淡路1市10町の合意を取りつけるのは「地元の課題」とされました。「空域調整」と呼ばれる協議、関西空港のジェット機が頭上を飛ぶことについて説明し了解を得るのは兵庫県と神戸市の仕事だとされたのです。大騒動が起き、社会党市議団は長年タブーとされた請願をめぐって分裂しました。県と神戸市が淡路の市町を押し切ったのは'94年12月17日でした。あの大地震発生のちょうどひと月前でした。(2月20日『おはよう新社会党です』第422号)
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騒音問題で多額の国費を使った伊丹空港の代替空港として計画された関西空港について、「低高度で陸上を飛ばない」とする合意を、かくして破棄する役割を神戸空港計画は果たしました。ただし神戸空港自体の騒音問題解決は飛行経路によってではなく、異なる方法で「解決」すると説明されました。
一つは航空機自体の騒音の低減。金属音を弱めるなど機種の改良です。2点目はピーク騒音が耐え難いものであっても、長時間の数値を平準化した「うるささ指数」という概念の採用。旧環境庁の「データ操作」でした。3点目は風を切る音を小さくするため、着陸便のフラップ操作に制限を加えたことです。
そして神戸空港騒音問題を「解決」した最大の功労者は、就航機の小型化と就航便数の抑制でした。皮肉にも空港推進派の夢が破れたが故に、騒音が緩和されました。しかし、今もその狙いを隠そうとしない貨物専用便となれば、深夜と言わず早朝と言わず、大騒音の巨大機が離発着することになります。コンコルドこそ開発中止に追い込まれましたが、再び世界の航空機が巨大化・高速化する可能性も秘めています。
垂水区福田に住むMさんは、開港後の騒音は顕著で、「夜早く床につく近所のお年寄りは、ぼやいている」と言います。「小さく産んで大きく育てる」とする神戸市は、ジャンボが数年後には就航するとしています。昨年末、実機テストを拒否する理由に、開港後の騒音測定をあげました。(2月27日『おはよう新社会党です』第423号)
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神戸空港が開港した2月16日は、地球温暖化防止条約が発効して1周年の記念すべき日でした。大量の排気ガスと温室効果ガスを噴出して飛ぶジェット機のための空港開港を、なぜこんな日に?といぶかるのは市民だけです。工事を強引に進めてきた神戸市には、そんな後ろめたさは微塵もありません。埋め立て免許や飛行場設置許可を取得する際に環境庁(当時)の指示で環境影響評価をおこない、何と埋め立てをしても「環境に与える影響は軽微」、土砂を取るために木々を切り倒し山を削っても「影響は軽微」 、大阪湾を時計回りにまわる潮流がせき止められヘドロがたまっても「影響は軽微」 という評価を自らしていたのでした。
「影響は軽微」では150万市民を説得できません。ハウステンボスや関西空港に真似て、直立護岸ばかりでなく石積みの傾斜護岸や砂浜のある入り江をつくって「環境にいい面もある」と言い始めたのでした。おまけにこれまで溜まりにたまったヘドロの浚渫(しゅんせつ)を神戸港全域でおこない、下水再生水を使うから「環境創造空港だ」とまで言ったのでした。
さて、工事は'99年9月から。わすか6年半ですが早くも影響は顕著です。当時神戸大学の教授だった讃岐田訓さんは「神戸水環境研究所」を灘区永手町に開き、定点観測を続けています。工事中から明らかに空港島東側によどみができ、海の汚濁が加速しています。(3月6日『おはよう新社会党です』第424号)
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大規模公共事業は、国の厳重なチェックを計画段階で何度も受け、したがって着工されればそれは「適切なもの」であり途中でストップすることはありませんでした。新幹線、最大のダムである琵琶湖総合開発、全国の高速道路や巨大吊り橋、地下鉄から会館や体育館にいたるまで。
神戸空港は「国の厳正なチェック」の対象であった時期は秘密のベールに包まれていました。建設省、運輸省、環境庁(いずれも当時)の「チェックの期間」は、意思形成途上であって、情報は開示されません。情報公開を要求し、ついにそれが当たり前になるまで求めたのが中田作成さん(当時、大阪工業大学)でした。
情報開示の次は住民の選択です。市長を選ぶのは住民、しかし同時に解職請求(リコール)権についても地方自治法は定めています。条例制定の直接請求や住民監査請求についても定めています。新潟県巻町や岐阜県御嵩町の住民投票を、バブル崩壊後の公共事業でも主権者の手段として発動できないか、権力を制限する住民のツールとして。'98年正月から準備が始まり、夏、35万余の署名が集まり、秋、市長と議会がそれを否定した神戸空港についての住民投票運動でした。
その後、違法性について司法の場で争い、住民の主張を大幅に採り入れた判決などもありましたが、神戸空港の開港までの歴史は、住民主権かそれともその排除かという歴史でした。(おわり)(3月13日『おはよう新社会党です』第425号)
開港前夜
市会26階のエレベーターを加納花枝さんと待っている間に、モヤのかかる海の方を見て「これでも着陸できるのかなあ」と話をしました。きょうのお昼のことです。
夕方は神戸市立婦人会館で「前日集会」がありました。会場で高田富三さんが「あすの一番機が神戸に着陸できず、関空へ行ったようだ」と報告していました。
『神戸新聞』速報によれば、JALの一番機など計4機(他の3機はSKY)が神戸空港に到着していないとのこと。あすは早朝、JALを筆頭に各航空会社の一番機を送り出すセレモニーが予定されています。JAL一番機は7:05発東京行きで、就航記念でB777を飛ばすというサービス便です。
『神戸新聞』速報で「4機は16日朝の離陸予定時刻前までに再び神戸空港まで飛ぶ予定で、2社は『16日のダイヤに影響はない』と説明した」と報じられています。(午後11時25分)
関空の方は何時に飛び立とうが24時間空港ですからいいのですが、神戸空港の運用は7時から22時です。運用開始初日の運用開始時刻前に「神戸空港が運用される」のでしょうか。JALの一番機が遅れると他の2社のセレモニーが遅れ、ダイヤが全社にわたって大幅に乱れるのを避けるための措置なのでしょうか。
サイドバーに「神戸空港をご利用の方へ」として、神戸市のトップページからリンクされている唯一の「co.jp」拡張子サイトはターミナルビルですが、ここにも何の情報もありません。
出入り口1か所、しかも・・・ |
私たちの住むところでは、空が極端に小さくなっています。オフィス街だけでなく、どこへ行っても空の一部しか見えない暮らしが当たり前になっています。超高層ビルの谷間などからは、ほんの上空の1か所しか見えません。もっとも目は顔の前にしかついていないので、後ろがビルであろうが街路樹であろうが、「空が狭い」ことを感じることなく過ごします。マヒしてしまって。
しかしジェット機にとって「空が狭い」となると大問題です。神戸空港の場合いかに周りが海でも、もともと滑走路を横に使うわけにはいきません。滑走路を縦に走っても行き先はほとんど1点なのです。
米軍や自衛隊の航路があり、関西空港や大阪空港の航路もあって、神戸空港の出入り口は1か所しかありません。巨大な球形の空間の下半分は大地と海です。それでも広い上半分の「空」のなかで、ほとんど1点だけが神戸空港の出入り口なのです。
どうせぶつからないのだからと言って、滑走路の両側に超高層ビルを建てるような愚かなことは許されていません。ところが肩の上に立派な頭を乗せていたはずの人々は、「どうせぶつからないのだから」とそのたった1か所の出入り口さえ、上下に区切って着陸は明石海峡大橋上空3,000フィート、離陸は6,000フィートの1点だけで大丈夫としてしまったのです。
昨年3月22日に公表された飛行経路について、淡路の空を守る会からこの間、2度、神戸市会と神戸市に陳情と請願がだされました。加えて多方面からの指摘に応えるかのように、1月3日の『読売新聞』がこの経路について、さらに「運用段階で変更」されることを報じました。かねてから囁かれていた「優先滑走路」方式を採るというのです。
狭い空なのだから離着陸の直前・直後には低空でグルグル廻ってはいけない、と。
なお、現在は神戸空港開港を6週間後に控えた時点です。
(大幅に前略)このため、同省は、風の影響が大きかったり、大幅な遅延が生じたりするケースを除き、西向きに離陸し、西側から着陸することに決めた。この方式だと、発着間隔を十分とる必要があり、遅れが出る恐れもあるが、国交省管制課は「過密な関西空域の安全を確保するためで、追い風時の風速などの条件を考慮して運用したい」としている。(『読売』1月3日) |
情報を提供してくださったのはTakeshi Kuboさんです。久保さんは「国が神戸空港の”潜在”危険を認めたわけです」と書いておられます。
なお、最近私の愛読サイトの一つとなった神戸空港についての冷静な分析と紹介をしているwww.ukb.jp/marineair.htmlというサイトもぜひご一読ください。神戸空港の「もう一つの」公式サイト?でしょうか。
安売り競争を喜ぶ場合か |
スカイマーク社は関空便や鹿児島便、それに徳島便を廃止すると発表したのに続いてきのう「搭乗率75%で収支があう」「百万都市のまん中に立地している」と、「神戸−羽田一年間は1万円」の運賃を発表しました。
『神戸新聞』は神戸市幹部の発言を次のように紹介しました。
「『東京まで一万円』は利用者にとってインパクトが非常に大きい。企業誘致の面でもメリットがある」と期待している
撤退する鹿児島で伊藤祐一郎・県知事は、県内企業がSKYに出資して育ててきたこともあって、絶縁宣言しました。札幌便ではかつて合併を持ちかけたエアドゥへの対抗心を剥き出しにしているようです。整備部門でANA・エアドゥ組vsJAL・SKY組という新たな秩序づくりも進んでいるようです。
以上、「迷走するスカイマーク」を参考にしました。なお、SKYの羽田行き7便を含め、11月末にダイヤが発表されるまで、乗客が「メリットと感じる」かどうかは不明です。出張で使う場合も、会社が旅費を定まった額支払ってくれるかどうか、逆に「1万円で東京へ行ってこい」なんて言われないか、不明です。旅費の「利ざや」を当て込むのはもってのほかです。
脅かされる空の安全に、価格競争はどう影響するのでしょう。先に引用した神戸市幹部の発言に、この点への言及がないのはとても残念です。価格競争、速度競争、そして人件費抑制競争。安全はコンプライアンス(法令遵守)だけでは守れません。
五月原清隆さんはブログで、新規航空会社の安売りについて次のように触れておられます。
バリュージェットは、その名の通り低価格路線で名を馳せていましたが、コストカットのツケを安全投資に回した事により様々なトラブルを起こし、最終的には墜落事故によって会社そのものを潰してしまいました。
(大幅に中略)
果たして、スカイマークにそれだけの自負と自覚とがあるのか、私は甚だ疑問でなりませんが、日本の航空業界に空いた風穴を塞いでしまわない為にも、スカイマークには是非踏み留まって欲しいものです
乗降客 数あてクイズ |
ANAにつづいてJALも神戸空港への就航を表明し、安堵の胸をなで下ろす人が市の内部には少なからずおられるようですが、市民の不安はいっそう募っています。
いったい保育所をいくつ民営化すれば空港会計がまかなえるのか?というように。
7月1日の空港・新産業に関する特別委員会でも、様々な角度からその不安が指摘されました。わが粟原委員は神戸空港の3K(環境・海洋汚染、管制・空域調整・安全、カネ・財政)問題を中心に指摘を続けています。
少し残念なのは住民投票賛成の会派のなかに、立場が揺らいでいることを隠さない会派が登場したことです。先般の定例会では水上消防署の管轄区域を空港島まで広げる議案が提案されましたが、住民投票運動で統一した行動をとってきた3会派のうち、「住民投票☆市民力」はこれに賛成しました。
空港消防には従来の神戸市内にはない強力な消火9月22日訂正力(大型特殊化学車など)が義務づけられています。空港島の消防・救急体制は第一義的には空港消防が担うことになっています。しかし、大規模な事故や大量の患者搬送のために空港消防の備えだけでは、全く不十分であるため、既存の水上消防署とそれにつながる神戸市消防がそれをカバーすることになるというのです。
規制緩和や「サービス」の民営化が大好きで、救急車の有料化まで考える人々は、なぜか空港消防については一般の消防署の「活用」を考えるのだそうです。
私たちは、「神戸空港に大量の患者が搬送されてきたときにそれを市内の救急病院に運ぶ手だてをどうするか」という心配をしない訳ではありません。あるいは「横風で航空機が落ちる」という心配も必要でしょう。
でもそれ以上に、開港を半年後に控えた今、神戸空港について神戸市が説明してきたことの矛盾がますます顕著になっている一つひとつのできごとについて、解明しておかなければならないと考えます。
最近のできごとで言えば、6月24日ANAの就航表明、そして7月15日のJALの就航表明は何を意味しているかということです。関西3空港への国土交通省の強力な指導の結果であることを『日経』が指摘しています。
EXCELでつくった試算ソフトを、インターネット上でだれでも試算できるソフトにしてもらえないかと、わがODAさんに依頼し、できあがったのが
です。
事故情報が続きますから、最終的にはどうなるかわかりませんが、ボンバルディアDHC8-400など、小型機が多いのですが、
(1)どの路線
(2)どの時間帯
(3)どの機種
が、搭乗率( )%か、いろいろ計算できます。(1)と(2)は想定してお考えください。
少し乱暴ですが、一番詳しく発表したANAのケースを3倍して、年間乗降客数を計算するクイズです。民営化テストの好きな方はクイズと呼ばずテストと呼んでいただいても結構です。
なお、当サイトはリンクフリーですが、このクイズに直接リンクを張られる方は、メールでご一報ください。
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今年3月2日の本会議、矢田市長は次のように答弁しました。引用は神戸市会・会議録より。赤い字で強調は引用者。
神戸空港につきましては,本当に展望というものは今までにない新しい魅力スポットでございまして,ターミナルビルが今建設中でございますけれども,恐らくこの展望デッキから眺めた場合には 360度パノラマに,目に入るものは海と山の眺望でございますけれども,それに加えて神戸から見える明石海峡大橋の眺望というものは非常に間近に見えるわけでございまして,空港そのものが観光資源になるのではないかというふうにたくさんの人に言われております。
間もなく、佐伯育三議員(公明党)の再質問に答えて、次のように発言しました。
・・・私自身がこの空港の景観がすばらしいということを実感したのは,実はことしの正月過ぎて,子ども会連合会があそこで連だこの大会をやりました。随分たくさんの子供たちが参りまして,連だこを揚げていただいたわけでございますが,そのときに本当にこの景観のすばらしさということを実感いたしました。多くの来られている方も,同様の感銘を受けたというふうにおっしゃっておられました。
そういう点で,私はこの多くの方がお見えになったときに,360度パノラマ状態というふうにさっき申し上げたわけでございますが,先日このターミナルビルの方から少し報告を受けました。その中で,おっしゃいますような展望の遮りがあるということで,現在屋上部分の展望デッキの一部を改修しようということで,そこにカフェといいますか,そういったものをつくることで検討を今,至急やるというふうにしております。
この空港ビルそのものが,将来の発展にあわせて,いろいろ今は小さくつくっていって,将来はどういうふうになっていくかというのは,その都度検討をしていこうやないかと,こういうふうにしてきた経緯もございますんで,当初の面積が大体1万
4,000余りの平米数でございます。ですから,エアライン3社決まりまして,実はターミナルビルの会社とか神戸市の職員が入る管理事務所が不足をしておりまして,急遽別棟をちょっと仮設的につくって対応する。とにかくお客さんをまず大切にするという観点から,今事業を進めていこうとしております。
そういう中で,今申し上げたような点も,そういう点に,おっしゃっておられますような点に気づいておりますんで,これを改修するように努めたい,このように思っております。
ようやく5月27日、「ターミナルビルの概要」が公表されました。
'03年8月12日にターミナルビルのコンペが発表され、同22日に説明会が行われ、9月に提案企業の登録開始、同年12月4日に「大成と神鋼が一騎打ち」とマスコミ(『日経』)に報じられたあと、同月25日にコンペ結果が発表されました。
着工をはさんでやがて2年かけ、設計図がきまった!のです。展望デッキからは神戸の街の景色も夜景も見えにくいので、4階部分をつけ足し、展望レストランと展望喫茶から見えるようにするというものです。
これが、「ビルにゲタ履かせて心配はき倒れ」とわがヘボ川柳で皮肉られている真相です。「京都の着倒れ、大阪の食い倒れ、神戸は履き倒れ」と古くから言われる根拠は、ゲタ説あり、文明開化のクツ説あり、あるいはケミカルシューズだと主張する向きもあります。
余談はともかく、「うさん臭神戸空港ウが三個」で、コンペ落選企業を推薦したグループが当選したプランをなじったのかどうかわかりませんが、完成間近になって、設計変更してビルの図面が公開されたという訳です。
図面によれば、なんと吹き抜けの多いビルなのでしょう。私なら逆に、「開港当初は人がたくさん来るから、商業床をたくさんつくって、いずれ撤退が始まったら、どんどん吹き抜けを増やして対応する」プランがいいと思います。
吹き抜けが多いと強度的に大丈夫なのか、空調費が嵩むのではないか、と心配する声があります。
2つある島型の搭乗手続きカウンターの割り当ては、ANAが1つ、もう一つをSKYとJALが押さえたそうです。島型だと「閉まっている」印象がなくなるかわり、航空会社事務室との連絡は不便そうです。「足りぬは余るの始まり」です。
飛行経路 |
神戸空港の出入り口は、広い空のなかでたった1か所しかありません。米軍や自衛隊の専用航路があり、伊丹の離発着便、関西空港の離発着便、それぞれの退避空域、さらに民間航空機の大動脈が縦横に走っていて、明石海峡大橋の上空からしか出入りできない「袋のネズミ」ならぬ「袋のなかの飛行場」なのです。
'93年8月、神戸空港が空港整備計画に組み入れられた際、当時「三点セット」と呼ばれた取り決めのなかに「(関西空港の離発着便は)努めて海上を飛行し、低高度で陸上を飛ばない」とする近畿圏全域の合意がありました。神戸空港はこの合意を破ることを前提に公文書のなかで初めて登場しました。
なぜ合意が破られるのかというと、明石海峡上空はすでに関空便の経路として定めていたからです。明石海峡を神戸空港のために空けるために、関空便の方を淡路島の上空へシフトさせようというものでした。明石海峡上空も神戸空港便が使ってはいけないとなっては、神戸空港はどこからも出入りできないことになってしまいます。
当時の運輸省(なお、時の大臣は伊藤茂)は、「空域調整は地元で」と逃げ、以来1年余にわたって兵庫県が「調整」しました。「淡路の空を守る会」が神戸市会に請願を出し、私たちはその時、空港推進派だった社会党から放り出されました。
この決着の過程で淡路の側から高速(空気運搬)船就航や電波障害の関連でCATVについての要望が出たのかどうか、どうなったのか不明です。決着の日からちょうど1か月後に、淡路島北淡町を震源とする兵庫県南部地震が起きました。
3月28日の『おはよう新社会党です』に次のように報告しました。飛行経路図は 神戸市のサイトからどうぞ(pdf)。3月25日の空港・新産業に関する特別委員会に神戸市から提出されたものです。
神戸空港に離発着する飛行機の経路は?・・・難航をきわめた飛行経路を22日、国土交通省は発表しました。
明石海峡大橋700メートル上空を東に向いて降り、離陸便はさらにその上空900メートルを西に向かって飛び上がる。東京便など東へ行く便も、いちど姫路市沖の家島まで飛んでから北へ向きを変え、さらに右折して東へ飛ぶ。危険で遠回りの経路が国土交通省から割り当てられました。羽田便は伊丹や関空から60分、神戸からだと15分以上も多くかかることになりそうです。
騒音などの問題で'94年12月17日に神戸市が淡路各町を押し切り「決着」したものの、シミュレーションの段階でも管制官が「危険」「ストレス感じる」と回答していたことが 中田作成産の情報公開請求で明らかになっていました。
これでも財政計画どおり? |
『神戸新聞』(1月30日2月5日、日を訂正しました)が「神戸空港の駐車場は無料になる」と報じました。利用者として「それはありがたい」とお考えの方もあるでしょう。また、「それなら三宮の駐車場も無料にしてほしい」とか、「飛行場の駐車料金でもタダにできる神戸市が、なぜ駅の駐輪場で100円取るのか。クルマはタダで、チャリ100円、ゲンチャ200円とは、どういう料金体系か」とお考えの方もあるでしょう。
駐車場を運営するのはJRの駅などの場合と違って、神戸空港ターミナル株式会社です。行政に駐輪場を造らせて、客に電車の切符を売る商売と違って、さすがです。ある種の発生者負担です。
ところが神戸空港ターミナル株式会社には駐車場の土地を買うカネがありません。駐車場はないけど客は来てほしい、という訳にはいかないので、神戸空港ターミナル株式会社の副会長(鵜崎助役)が、本業の政治家に戻って一考を案じた結果が「神戸空港の駐車場は無料」です。
1998年10月16日に、神戸空港財政計画を神戸市は発表しました。住民投票を求める直接請求を審議する臨時議会が始まる直前のことです。以来、この財政計画は実態とかけ離れても変更されずに今日にいたっています。
この財政計画では「土地処分計画」として、次のように明細を書き、「処分方法は譲渡を基本とし、処分単価については、(1)〜(3)は26,000円/平米、(4)〜(16)は270,000円/平米を予定しており、その総額は約3,000億円となる」(文字化けを避けるため丸数字や平米の略字を変更しました)
(1)〜(3)は滑走路などです。
それぞれの用地名と「処分開始年度」、面積は以下のとおりです。
2月7日『おはよう新社会党です』に掲載したものと差し替えました。
神戸空港の「財政計画」(土地処分計画)と現状 |
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元の資料では番号順に並べられていましたが、分譲年度順に並べ替えました |
「順調に工事が進む」神戸空港ですが、その財源となる土地処分はまるで進まず、駐車場用地はターミナル株式会社が設立されたときに「処分開始」の予定でしたが、いまだに決まっていません。
216億円という巨額の資金を、三井住友が出すのか、神戸市が出せないのか、社長が出すはずないのか、なかなか決まりません。そこで神戸市が「貸して、やる」方式を採用し、「無料」となっていく・・・わけです。
「処分方法は譲渡を基本」とするはずなのに、譲渡から賃貸に変更され、賃貸料も値崩れしているようです。何しろ無料駐車場なのですから。固定資産税が入るはずもありません。需要予測どおり乗客を確保するためには財政計画なんてナンボのモンや?でしょうか。
財政計画という市民(議会)に示されたものが、ないがしろにされたという結論だけは明確です。
「きょうの井上力」昨年10月11日に掲載したグラフです。2月7日、追加しました。不覚にもこのページではまだ紹介していませんでした。売却済みの収入は137億円にしかすぎません。 |
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工事が止まっているのか |
神戸空港の開港日を、市長はきょう、2006年2月16日と発表したそうです。ANAやJALがもう逃げないという判断でしょう。「お年玉をいただいた」と年末の就航表明に相好を崩しっぱなしの正月休みだったのでしょう。
ところが神戸空港の工事の「生中継」が休止中です。折からの外郭団体対策で廃業したポートネットのサイト上で、一昨年9月24日午前9時52分から止まったままです。
タイガースのネット中継をするとか、再生策はたくさんあったのですが、ローカルプロバイダーの宿命を打開できませんでした。 「神戸空港の工事の中継」では、橋梁談合でできた連絡橋の渡り初め程度の人気も出るはずがありません。
ネット上に漢字とひらがなでローカルな課題を発信する当サイトにも限界があります。一定の地域だけで加入者を集めるプロバイダーも同じでした。そして、長距離2点間の移動手段である飛行機を新幹線と同じ感覚でとらえ、空港を造るというのも、限界があります。
滑走路ができ、ターミナルがあり、そこに就航便を確保できれば空港事業は「成功」だと考える先には、大きな落とし穴があります。新神戸駅にのぞみを停車させるのとは訳が違います。羽田・福岡便、名古屋・福岡便、羽田・広島便、・・・大阪湾周辺を飛び交う飛行機を片っ端から神戸に途中で降ろすわけにはいかないのですから。
大手(ANA,JAL)就航表明の背景 |
以下は井上力が神戸市会定例会最終日('04年12月22日)におこなった討論の後ろ半分です。正式な会議録は年明け2月中旬にできあがります。市会会議録でも検索できます。
また、請願第76号は、「新しい神戸をつくる市民の会」中田作成先生から提出されたものです。
第一に、開港までのスケジュール開示、第二に、土地処分がまったく進まない現状での財政計画明示、第三に就航協議の状況説明、第四に、関空U期が'07年、つまり神戸の開港直後に供用開始となるなかで、神戸空港が置かれる立場の明示、第五にこれまでの説明では、神戸空港は環境破壊どころか環境改善空港だ、そしてその切り札だと表明されてきた人工ラグーンの進捗度を、そして第六に海上アクセスについての対応説明を、それぞれ求める請願でした。先に神戸新聞が市長就任二年を期して行った世論調査では、開港までわずかとなっても、なお空港建設の延期・中止を求める声が48%にものぼることや、神戸空港問題が来年の市長選挙の判断基準となると答えた人は実に6割であったことを紹介しながら、請願されたのであります。
「ターミナル会社への出資者でもある2大航空会社が施設協議に加わっており、就航していただける」という従来の答弁が今回の委員会でもくり返されました。開港日の決定、就航会社の確定、離発着時刻の確定、これには関空や伊丹からシフトする便が確定されなければなりません。格納庫の確定、滑走路や航空保安施設の完成、空域調整の完了、関空便が飛び交う明石海峡大橋上空を含む実機飛行テスト、管制官の赴任など、これらがおおむね開港半年前であると表明されました。請願は委員会では採択されませんでしたが、第一の請願項目は、半ばその目的を遂げたのであります。
最近私は、かつて1号館24階にあった空港島の模型が廊下の踊り場に置かれているのを見つけました。かつて空港島の方を見ながら多くの人が見ていたあの模型です。ある人は「ムダな公共事業や」と語り、またある人は「空港をつくれても震災で家をなくした人の家が建てられへんて、おかしい」と言い、あるいは「住民投票しておけばよかったのに」と言い、ボランティアガイドの方が困った顔をしておられる姿も見かけました。あの模型には島の上にたくさんのビルや格納庫、あるいは工場風のものがびっしり建ち並んでいます。開港を1年2か月後に控え、島が模型に近づいてくるのではなくて、どうも島の姿と模型が遠ざかっていくことを証明する記念碑になっているかのようであります。あれでは、人目を避けて階段の踊り場に隠したくなる気持ちも分かります。
また、就航会社の問題では、ネット上でではありますが『航空事情』というサイトが指摘する実情とみなと総局の説明は大きく食い違ったままであります。そもそも計画を造った頃あった3大航空会社体制は、今はなく、サービスや時には安全さえも犠牲にしなければ航空会社はやっていけない時代を迎えています。羽田への新規参入を誘導したあの神戸大使が自ら第4位の株主であり、つまりほとんど自分の会社を先ず参入させるという結果になりそうだということに、胡散臭さを感じるべきではないでしょうか。かつて伊丹−羽田便を撤退した会社が、関空−羽田便と神戸−羽田便を併存させるということを、表明した1年前から、私たちは信じていません。
さらに、開港を1年2か月後に控えるとしながら、市政の根幹に深く関わるであろう重要な事柄が、市長やみなと総局長の口からでなく、次々発表されています。開港日がリークされたり、昨日はANAとJALが神戸空港に各7便前後就航する、と報じられました。各社7便かける3社は21便で、当初空港整備本部がつくった計画の開港時27便には足りません。しかも就航表明が格納庫用地の売却と連動していません。リンクされていません。しかし「神戸市幹部は『ありがたい』と話した」と報じられたように、裏付け取材にまで応じているのであります。
財源といい、3空港懇談会といい、海上アクセス再開問題といい、そして人工ラグーンは名付け親が議会に、神戸市はアイデアと名前を盗んだと訴えるなど、市長の面目が丸つぶれになる出来事ばかりであります。
関連の医療産業都市構想の思惑がはずれて多額の投資がムダであったことを証明し始めています。市民病院の移転も空港建設が始まったときに、そうなる運命にあったのかと疑わざるを得ません。活用策と称して修学旅行専用飛行場、あるいは職員の東京出張専用飛行場にはなったとしても、市民の合意は当分、得ることは難しそうであります。
時間の関係で他の請願については、あえて省略いたしますが、以上のような理由から、請願第70号から請願第77号にいたる8件の請願にご賛同いただきますようお願いして、私の討論といたします。
スカイマーク「格納庫用地貸せ」と要求 |
神戸市はキッパリ断れるか? |
神戸空港開港まで1年半、文字どおり「神戸空港はどこへ行く?」と心配が大きくなっています。 『神戸新聞』の世論調査では、「半数の市民が空港反対」です。この時期になって未だに大手2社(JAL、ANA)は就航表明をせず、就航表明から1年たったスカイマークは西久保社長が築いたゼロと合併して、「東京便を増便」「他の路線は開港後」と表明しました。「格納庫用地を確保したいが、分譲ではなく賃貸で」と、神戸市との間で「交渉」中です。
整備(安全)や格納庫という「障壁」を神戸市は撤廃せよというのです。要求に応じれば平米27万円という分譲価格が値崩れし、空港会計は破たん、ポートアイランドU期同様「税金を私企業にプレゼント」し続ける神戸市の基本姿勢が問われます。
「小回りのきくライバルはいない」(『朝日be10月9日)「小回り」が撤退を意味してなければいいのですが。
(『おはよう新社会党です』371号。11月22日、阪神大石駅で配布)
管制官がダメだと言っている |
中田作成さんが情報公開請求して取りよせた国土交通省の資料によって、関空、伊丹、神戸3空港一元管制の欠陥が明らかになりました。
中田先生が5日に記者会見し、各紙が8月6日に報じたものです。
5月に15人の管制官が参加して行われた「3空港一体運用のシミュレーションと、アンケート結果」です。
夜10時まで離発着できる空港にしようが、駐車場を無料にして「にぎやかさを演出」しようが、どう市民の税金をつぎ込もうが、神戸空港のみならず関空も伊丹も、その離発着便の誘導に管制官が「不安を抱く」「懸念を表明する」空港だということが明らかになりました。
割合(%) |
|
問題なく処理 |
0 |
普通に処理可能 |
13.7 |
複雑だが処理可能 |
51.0 |
改善が必要 |
35.3 |
![]() |
内緒の旅は神戸空港? |
開港2年を切り、(といっても06年3月に開港できると考えている関係者はきわめて少ないが)いまどきの神戸空港は、新しい情報がいっぱいです。
4月、例の連絡橋が「(工事用車両のみ)暫定供用」され、昨年乗り入れを表明したスカイマーク社に続いて、ついに、格納庫用地を航空会社が「買った」・・・のではないかという情報がだされました。
5月18日の神戸新聞などが報じたところでは、グローバルウィングス社が「神戸に進出」したと。北米で飛び回るビジネスジェットは日本や中国では余りにも少なく、これから飛躍的に増えるだろう、と。
さっそく関西空港を案じる大阪府知事からもコメントが出て、報じられたのが19日、それにまた神戸市長が定例会見で即日、答えるという珍しい早業でした。実は神戸市も関西空港の出資者で、神戸空港と関西空港の役割分担でケンカしているのが、まったくおかしいのですが。
それに「進出」といっても、神戸市が建てたベンチャー(弁当とお茶ではないヨ)優遇の貸しビルの1室を借りたというだけの話ですが。
グローバルウィングス社は、設立1年半、従業員7人で、8人乗りジェット機を有する会社ということです。なにやらバブル期のゴルフ場と勘違いしそうな「会員制」・・・。なにやら、そんな殺し文句が並んでいます。「本革仕様のシート・・・充実したエンターテイメント設備、フライトアテンダントによるきめ細かなサービス……従来のファーストクラスを超えた快適で優雅な旅」という具合です。
「専用ターミナルの利用で出発から到着まで第三者の目に触れることなく移動することも可能です」
神戸空港は、年間319万人もの利用客と「賑わい施設」で人々があふれかえる「にぎやか空港」をめざしていたはずなのに、この会社からは「第三者の目に触れることなく」つまり「内緒の旅は神戸空港から」と着目され、それ故に「進出」が決まったとは・・・。これを喜んでいる関係者も関係者です。
神戸空港裁判 |
違法ではないが・・ |
神戸空港についての、神戸地裁判決。
以下は毎日新聞WEB版
歴史に残る「名判決」だと思います。
紙浦健二裁判長は「市議会の監視下、市長の広範な裁量に委ねられており、政治責任の対象にはなり得ても、違法とは言えない」として原告の請求を棄却・却下したが、「市の航空需要予測が大きく外れ、市債を返還できず、空港管理収支が成り立たない恐れや、市が財政再建団体に陥る可能性もある」と計画のずさんさを指摘。「日本全体の利益を考えると、2空港が存在する関西圏に建設する必要性も疑問」とも述べた。
各地の地方空港の赤字が問題になる中、空港建設・運営のあり方が問われそうだ。
判決は、土地売却による起債償還計画について「空港島土地処分による調達はほぼ不可能」と指摘。開港時で年間利用者が約319万人とした市の需要予測についても「乗り換え回数など利便性を考慮せず、きわめて不自然。甘く楽観的に過ぎる」とし、「安定した着陸料収入が得られる」とする市の収支見込みに疑念を呈した。また空港の必要性については「関西国際空港の旅客が奪われ、関空や大阪(伊丹)の便数が減少し、利用者に不便を強いることも予想される。巨費をかけてまで建設する必要があるのか」と疑問を投げかけた。
神戸空港は99年9月に着工し、05年度開港予定。総事業費は約3140億円で、計画では起債で約2108億円を、残りは空港島の土地売却や国庫補助金などでまかなう。起債償還には空港島の土地売却代金の約1966億円と開港後の着陸料収入約142億円を充てる予定。【隅俊之、梅山崇】
どうなる? |
滑走路できても |
Q 新社会党は神戸空港に反対してきたが、いよいよ新年度には滑走路建設が始まるというではないか。
A 見かけは予定どおりだが、空港島の土地売却ができず一千億円の穴があいた。国の補助金も入らないままだ。
Q 大丈夫なのか。
A 借金を増やし、基金を取り崩して凌いでいる。
Q 当局は返済計画についてどう答えているのか。
A 完成後の着陸料で返せると言っている。
Q 神戸空港より1年前に開港するトヨタ空港とも呼ばれる中部新空港は、工事費を節約し、着陸料も安いと言う。
A 空港島の土地は、県や市自身に売る予定だった。ポートアイランドU期で100f、ポートアイランドで72f、北区の複合産業団地でも土地が売れないため、空港島の土地が買えない。
Q 医療産業都市構想で、ポートアイランドU期には58社も企業が来たと言うではないか。
A 部屋を借りている会社ばかりだ。市民病院の移転が決まらないと土地も売れないので、市長は慌てている。滑走路ができても飛行機が飛ぶとは限らない。同じように、空港の工事が進んでも、神戸経済は浮上しない。
*** * ***
(追加)紙面の都合で詳しく書けませんでしたが、スカイマークエアラインズが神戸空港乗り入れを表明したため、先端医療センターでの検査や診察が、他都市の病院(たとえば鹿児島)に「患者を奪われる」心配が生じました。
現在、スカイマークは東京=鹿児島便チケットをPET診断および宿泊ホテルと組み合わせて販売しています(3月17日の総括質疑で尋ねましたが、市長はご存知のようでした)。2年後の神戸空港開港の頃に、どのような「検診・ホテル・航空路線」の組み合わせがスカイマークによって販売されるか、だれにもわかりません。
鉄道かもしれないし、検診がどこでも受けられるようになっているかも知れません。PET診断が神戸の先端医療センターでだけ可能であり続ける?はずもありません。
中央市民病院の移転・新築が大急ぎで決められる背景には、先端医療センターの将来に立ちこめる、このような暗雲が関係しているようです。
そもそも整備をANAに依存している航空会社が、神戸=羽田で4便も飛ばせるのでしょうか。神戸空港は建設中に、航空会社に土地を購入してもらわないとそれ以上建設ができないという財政計画でした。
神戸空港の持続可能性 |
神戸空港ターミナル株式会社は、その設立1周年に取締役会を開き、8月から行ってきたターミナルビルのコンペ結果を承認、同日発表しました。新聞報道のあと、26日に発表資料が配布されました。
12月4日に日経が「神鋼と大成が一騎打ち」と報道して注目されていました。過小資本と過大需要予測という致命的な欠陥を両グループがどう見ているか、注目してきました。
結果としては、コンペ審査会と神戸市みなと総局が「遺憾」(12月17日の神戸市会・空港新産業特別委であわはら議員の追及に対して、小柴局長)と言いつつ、審査途中での情報漏洩を「容認」したことが最大の注目点です。
「神鋼がいちばん。大成は次点」という結論は、ターミナルビルの設計で実績のある「梓設計」、ターミナルビルの株主でもある神戸製鋼に軍配を上げました。受注価格が高い方と契約するというのもコンペならではです。
もちろん、こんなことは発表資料には書かれていません。コンセプトは「ローハス・LOHAS」、賑わい施設は「足湯とマッサージ」?「ファスト&スローフード」?「左利きの人でも使いやすい多目的トイレ」?など、目をとおした私は「なんでだろう〜症候群」になってしまいました。
たしかに、灘の将軍湯は足湯のサービスをし、震災のとき避難所で足湯にみんな喜びました。ほとんどのハサミは、右利き用です。トイレがトイレでしかないのは問題で、多目的に?使う時代がやってきた?
「時間価値が命」だと考えている人のための神戸空港が、スローフード運動と関係があったとは知らなかった。もっとも私は昼ご飯を5分で食べるワザを身につけましたが、これはファストフードではない。神戸空港ご自慢の緩傾斜護岸で育つ魚を釣り、料理し、食べるのはスローフードですが、野菜は空港島で栽培するという話は聞いたことがありません。
LOHASは、静岡空港反対の松谷さんたちがやっているLOPAS(ローカルパーティなんとか)とどう違うのか?全然違うようですけど・・・。健康的で環境持続可能なライフスタイルという意味だそうです。神戸市の財政健全性とこのターミナル会社の過小資本を心配した方がいい。神戸空港がsustainabirityかどうかを私たちは心配しています。
空港連絡橋は通行料を取るのか? |
神戸空港島とポートアイランドを結ぶ橋の架橋工事が進んでいます。当初の予定では、きょう「上部桁据え付け工事」が始まるところでした。大抗議集会が現地で予定されていました。工事の方が延期になりました。
さてその架橋工事の工費ですが、新交通建設室(企画調整局のなかにある)から、きょう次のような資料をいただきました。
道路橋 |
新交通橋 |
|
上部工 |
100億円 |
51億円 |
下部工(海上部) |
121億円 |
神戸空港へのアクセスは下の地図のように、この橋1本です。かつて破たんした「海上アクセス」という船のルートは、神戸から関西空港へのアクセスで、神戸空港島へのアクセスではありません。この1本の橋を歩道(?)と車道、ポートライナーが共用します。
神戸中央線という有料道路の一部がこの橋です。
すでに供用20年をこえたポートライナーは、三宮から貿易センターまでの区間を国道2号線の「街路事業」として整備し、その他も街路事業や港湾事業として位置づけたために、新交通(株)の初期投資は少なくすんだと言われています。
橋の部分についての新交通(株)の負担が新交通(株)にとって、重荷であるのかそうではないのかは、不明です。債務超過にならないように増資を続け、神戸市からは貸付金を出しています。
神戸中央線は、新神戸トンネルの出口から空港島まで延々と工事が続いています。
Aさん「前に神戸に来た時もここは工事中だったよね」
井上 「空港島までトンネルや高架でつなげる予定なんです」
Aさん「それにしても工事期間が長すぎるのでは?」
Bさん「公共事業の目的は工事を終わらせないことですから」
訳のわからない対話を車のなかでしたことがありました。
地図にあるように、すでに「本土」とポートアイランドの間には「港島トンネル」があります。島に行き来するルートが1本しかないのは問題だということで「震災復興事業」としてできたトンネルです。
説明されているところでは、空港島へ渡る際、この神戸中央線の料金所は、橋の部分にではなくトンネルの部分に置かれるそうです。どうしてポートアイランドまで行く人、空港島には渡らない人から橋の通行料を取るの?という疑問の声が上がりそうです。
スカイマークの参入は吉凶どちら? |
10月24日の『毎日新聞』(大阪本社)は1めんトップ記事で「関西3空港時代」「神戸、06年3月開港」「スカイマーク参入」「関空、タカシマヤ来春閉鎖」と報じました。
スカイマークの神戸空港への乗り入れ表明は神戸市からも事実であることが明らかにされました。ただし、神戸市は開港時期については、新たな表明をしていません。かつて公表された「05年10月」「05年度じゅう」のいずれも、最近はまったく口にされなくなっています。
(1)国からの補助金が「約束」どおり入らず、(2)住民訴訟も山場を迎え、(3)新都市整備事業会計の資金も怪しくなってきているなか、(4)石原伸晃・国土交通大臣が神戸空港に理解を示すのも難しそうなうえ、財務大臣まで代わってしまっており(5)何より、空港島の土地処分で生み出される財源が計画と比べ実績は「皆減」状態で、(6)ポートアイランドT期もU期も空き地だらけで、(7)しかも05年10月には市長選挙があり、開港の式典でテープカットをする人がだれになるのかわからない、という状態です。
格安航空券のスカイマークが参入をまず表明したことは、空港推進派にとって吉報なのか最悪の報せなのか、これもわかりません。
電車の駅は電鉄会社が造りますので、駅を造っても電車が来ない心配は、本来ありません。もっとも最近は自治体や地元に駅を造るカネを出させて、まともに電車が止まらない駅もありますし、甚だしい場合は廃線ということもあります。
乗用車の場合、公共交通機関ではありませんから、「ガレージを造ったけどクルマを買えない」「だれかガレージにクルマを入れて私を乗せてほしい」と、要求する人はいません。逆にいま話題になっている重量税などで、「クルマが走る道路」を公共機関が整備してきました。
飛行場の場合、「滑走路を造ったのに飛行機が飛んできてくれない」という事例は、最近ではあちこちで起きています。
まずスカイマーク社が乗り入れを表明したと言うことは、神戸空港が航空会社にとっていかに不人気であるかを証明するできごとです。
スカイマークは、現在、羽田−大阪というドル箱路線に参入していません。JALやANAなど既存航空会社の持つ路線に割り込むことができないからです。
日本の航空政策は地方空港を造りすぎ、首都圏の空港整備がそれに追いつかないという致命傷を持っています。それに東京から500キロ圏内は新幹線という競争相手に勝てません(勝つ必要はないのですが)。
スカイマーク社はまず神戸−羽田便を表明することによって、東京−大阪便に割り込む戦略です。かつて神戸からダイエー商法が全国に羽ばたいていき、やがてはスーパー大倒産時代を準備したのを思い起こします。
ターミナルビルのコンペ |
22日に神戸貿易センタービルで「神戸空港旅客ターミナルビル整備等事業提案競技」の説明会が行われました。予想超える「107社参加」と新聞等も報じたところです。
「募集要項」および「要求性能仕様書」は、8月12日からすでに「神戸空港ターミナル株式会社」のホームページにアップされています。なお、同社は02年12月25日に設立、今年度になってから社長を鵜崎助役から元住友銀行出身者に交代しています。
神戸市の出資は1億3千万円、資本金の28.38%ですが、兵庫県とあわせると9,160株のうち4,000株を自治体が所有しています(43.7%)。
コンペでは「コンパクトに」がコンセプト(井上力のおはよう川柳03年8月25日)
コンタクト取れた企業にインパクト
外資ならフィットするかもコンセプト
この会社の致命的な特徴(欠陥と断定する人もいます)は、過大な需要予測と過小な資本・資金ということに集約されます。そこで上記川柳(さんりゅうと読まないで)のようなことが次々に起こりそうです。もう一首(issue?)
六本木ヒルズの賑わい真似したい
(ファッションマートなど・・・ここまで字余り)
これまでのコンペの失敗どう生きる
と言うわけで、「賑わい施設」が1,000平方メートル(?)、提案だけでもいいし、運営してもいい。ただし、あつものに懲りてか懲りずか、運営して10年以内は(倒産などの場合)神戸空港旅客ターミナル株式会社が損害を請求できる、と。清算会社に請求してもねえ・・・。
過大な需要予測を過大でないようにする課題を解決する手だてが「賑わい施設」・・・?
過小な資本・資金という点について。98年10月6日、議会に提出された財政計画では、空港島の大半(133.7ヘクタール)を分譲処分することになっていました。
滑走路などは1平方メートル平均26,000円、「都心の一等地」旅客ターミナルや「村のはずれ」新交通の車庫用地は、1平方メートル平均270,000円というのが分譲価格です。
後者は「当分いまのままの6両編成でいい。車庫用地は後日にでも」として購入せず、前者は何と、「購入しないけど会社発足にあたり、貸してほしい」ということになってしまっているのです。1坪89万円、しかも「駅前の繁華街」から「村のはずれ」まで平均して、ということです。
「駅前の繁華街」にできるターミナルビルは4.5ヘクタール(前記財政計画)を121億5千万円で取得したのでは、島全体の「処分計画」は破たんします。同時に財政計画も破たんです。
賑わいの施設がすべてカギ握る
お粗末な空港計画詠むウタまでお粗末。なお、神戸市のサイトにも「空港ターミナル基本計画」があります。
裏表のある市政はゴメンです |
2月1日付『神戸空港ニュース』(神戸市発行)のウラ面とおもて面には、まったく矛盾したことが書かれています。かたや国土交通省、かたや神戸市の審議会。『おはよう川柳』(2月3日)を再掲します。
税金を使って市民に「正しい公共事業」を説く『神戸空港ニュース』が1日、新聞折り込みされました。おもて面には「神戸空港利用者は神戸とそれより西」と書き、ウラ面には「四三四万人のうち、大阪府北部の利用者が二四三万人」ですって。それぞれに関わる役人のつじつま合わせの結果、ニュースは支離滅裂。
まもなく市長から新年度予算案の提案。完成が2005年10月とされる神戸空港。
あと2年半です。今年の予算は「カウントダウン・スタート予算」と銘打ちたい人もいるようです。
でも「あと1000日」を過ぎ、節目を失しています。「あと500日」は来年度。近づけば近づくほど、反対・慎重の声が大きくなる、異例の大規模工事です。祝福されない公共工事です。