2005年3月の井上力
6年ぶりに予算反対討論をしました

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日付

見出し

3月31日(木) 埋め立てが進んだ様子の動画
3月27日(日) 健保まもる人々
3月23日(水) 闘病観察・12
3月21日(替) 2万人雇用をグラフにする
3月18日(金) 2万人雇用の現実
3月16日(水) 明日は神戸空襲60年
3月15日(火) 神戸市が内閣府と異なる見解?
3月13日(日) 人はいい酒が悪いだけだって
3月6日(日) 川柳をビラの見出しにしてみれば・・・
3月5日(土) 新たな飛躍という論理の飛躍

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2005年3月31日(木)の井上力
埋め立てが進んだ様子の動画

3月27日に「いまどきの神戸空港」を更新しました。29日の本会議で条例が賛成多数で可決されましたし、愛称募集なども始まりました。飛行経路が国土交通省から示されたのは22日。25日の空港特別委員会で神戸市はこれを発表しました。

国土交通省が神戸市に示した飛行経路図によれば、当初の東京方面行き離陸経路の神戸市案(鉢伏山上空から旋回)が消えました。神戸市によれば、「飛行経路は国の専管事項」ですから、なぜ変更になったかは、不明です。

それより、誠に面白いのは、この飛行経路図が動画なのです。PDFで1945kbですからパソコンによってはちょっと時間がかかるかも知れませんが、ぜひご覧になってください。

私はこの図を見て、大阪湾がどんどん埋めたてられてきた様子を動画にしたのではないか、と思いました。六甲アイランド南の埋め立てが進んでいく様子も、はっきり出現します。ある意味、正確すぎるのです。

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2005年3月27日(日)の井上力
健保まもる人々

県の建設労連(兵庫土建や神戸土建)主催の「3.25」集会が東遊園地で行われました。毎年、この時期に賃金要求の集会として行われます。もちろん今回は「3.27」集会でした。

建設国保は日雇い労働者を対象にした「日雇い健保」を「擬制適用」したことが出発点です。大工など建設業で働く人にとって健保組合をつくろうにも「雇い主」(施主や小規模の工務店)は年に何回となく変わり、不可能であり、国民健康保険では負担の大きさと比べて給付が少なすぎます。労働者ではない、自営業者でもない、社会保障はどうなっているのだというのが原点です。

医者通いをさせないつもりか。こんな声が建設国保をつくりだしました。今、多くの若者が会社雇いなのだけれど国保に入っているとか、無保険になっています。

きょうの集会でも「建設国保を育成しよう」などのスローガンが確認されました。

*** * ***

明日のビラに載せる「市政をグラフで読む」は、3月16日に神戸市が発表した「'02年度神戸市民経済計算」から。以下のコメントをつけました。

「総生産では第3次産業が78.1%」

 '90年には31%あった第2次産業(製造業と建設業)は21.8%まで減り、第3次産業が8割近くに達していることが、「神戸市民経済計算」によって明らかにされました。

 産業別構成比で見ると、製造業が17.3%と全国平均の19%を下回り、神戸港も不振、ITもまだまだ。「ものづくり」軽視の神戸経済の問題点が浮き彫りです。

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2005年3月23日(水)の井上力
闘病観察・12

母が脳梗塞で倒れてから1年です。最初の4か月が入院で、改装工事が間に合わずショートステイで「避難生活」をした退院直後も含めて、最初は患者中心の生活だったと、しみじみ振り返ります。つまり、だんだん妻と娘に頼って、私は闘病補助も闘病観察もしなくなってきています。高脂血症と高血圧対策の調理が誠にまずい・・・ぜいたくな不満を私は口にします。

実は妻、娘と私は4階に住み、母は同じ団地の1階に住んでいました。いや、息子が中学生になったときから結婚して出ていくまで母と息子が1階の住人でした。

もともと、母が高齢になり膝の痛みが出てきたので、それまで4階だったフロや食事を1階でできるように改装しようという相談をしていた矢先のできごとでした。畳の部屋は膝の悪い人には辛かったでしょうし、窓ガラスも、アルミサッシとは思えぬほどすきま風が音を立てました。入居は途中からですが'69年建築の団地です。

改装については「カネをかけなくてよい」という母と、大いに気分転換・生活改善をしたいわれわれとの間で何度も話が出ては、消え、キッチンやフロのパンフレットを見せては「高い」と叱られ、「季節がよくなってからに」などと改装は実現しませんでした。

全室を洋間にして、フロを取り替え、流し台も初めてシステムキッチンにしました。もとの流し台は35年前のものでした。

ヘルパーが来てくれている昼1時間に、少し散歩をし、週2回デイケアに出かけるときは階段を下りて、車まで歩きます。右手はかすかに動く状態から劇的な変化はありませんが、肘と肩、手首の動きが少しよくなって、茶碗を押さえるなどの動作ができます。

診療所や美容院に通うとき、そしてデイケアへも車いすに乗らず、杖で行くようになっています。左手操作のパソコンで半生記を書き始めています。

私が期待するのは、父親(私の祖父)が国鉄職員で転勤が多く、柏原だとか天理、湊町など母の話に出てくる関西の地名と、その時の年齢やおつきあいした人々の名前が、この半生記で「解明」されるだろうということです。「引っ越しの多かった日本人」そのものです。

戦争中に母が結婚して財産を放棄しなければならなかったこと、それは旧民法の規定によるもので、私が就職(社会党でも就職?)するまで生きた祖母は「未まだ亡くならざる人」であって、結婚した母はともかく、祖母も「財産相続人」にはなれなかったということ、空襲のこと、予科練教員の故に就職がしにくかった父のこと、結核療養中の父と私の接点はどれくらいあったのかということ、などです。

去年は写真にとって(写し、プリントしたのは妻でしたが)病床で母が花見をした団地の桜も、間もなく咲きそうです。

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2005年3月21日(替)の井上力
2万人雇用をグラフにする

市長公約である「2万人雇用」について、介護と福祉分野など「順調な」ところではなく、市の政策と関連の深い分野の実績をグラフにしました。例によって明日の『おはよう新社会党です』の「市政をグラフで読む」コーナーです。

失業者を数えず、パート・アルバイトを数える方式で、この状態。埠頭転用では神戸学院大学や森永乳業、ニチイ学館など、雇用拡大がどんどん進むことになっています。たぶん、「市長公約は完全達成される」でしょう。

公約が達成できても・・・神戸市民の勤労所得は上がらず、失業者は逆に増える・・・とは。

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2005年3月18日(金)の井上力
2万人雇用の現実

神戸市長は最近聞かれなくなった「マニフェスト=2万人雇用」を打ち出していました。神戸市産業振興局から出されたデータを表にしてみました。

「観光交流都市」と打ち出したとたんにその分野の雇用拡大実績が減り、「医療産業都市」で755億円つぎ込んだとたんに、これも激減しているように見えます。

●失業や倒産にともなう雇用減は計上せず
●パートやアルバイトも含む数字で、「最近の雇用の実態からすると3割はパートやアルバイト」

以上を前提にしての数字です。福祉関係、それも介護保険でヘルパーや特養建設にともなう雇用増が、唯一「元気・活力・新たな飛躍」をあらわしているように見えます。

数値目標のなかに「臨空産業など神戸空港開港にともなうもの」があり、開港とともにどっと雇用が増えることになっています。やがて神戸市のホームページに「神戸空港職員大募集」が登場することを(公約どおりなら)期待するべきでしょうか?

02年度

03年度

04年度
(上半期)

商工業・観光

中小企業施策で

210

173

商業振興策で

847

320

再開発による新規出店で

884

682

121

観光振興等で

310

91

22

新規創業(ベンチャー)で

413

193

47

農業関係

90

124

54

その他

218

31

企業誘致

ポートアイランド2期へ

438

594

193

ポーアイ・六甲アイランド

83

175

埠頭再開発で

429

183

87

複合産業団地へ

94

279

129

コールセンター誘致で

150

他の産業団地へ

424

226

47

その他

174

75

医療・福祉

先端医療センターなど

448

239

145

医療産業都市構想で

91

141

70

特養など

563

422

334

ヘルパーなど

970

1309

620

環境分野

15

18

85

 

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2005年3月16日(水)の井上力
明日は神戸空襲60年

あすは神戸空襲60年。「なだ・平和のための木曜行動」にはその慰霊祭や神戸空襲を記録する会の写真パネル展(午後1時半から薬仙寺)のことなどを紹介しました。

神戸空襲を記録する会では、パネルの補修や新調のためのカンパを募集しておられます。郵便振替口座は00920―3―154884。通信欄には「パネル協力金」とお書きください。

「なだ・平和のための木曜行動」のもう片方の面は、わが粟原富夫市議が、きょうの予算特別委員会・総括質疑で行った住民基本台帳の大量閲覧問題。

「母子家庭や女性の一人暮らしの、それとわかる名簿が売買される」「卒業、学習塾、有料老人ホーム・・・年齢に的を絞ったダイレクトメールが来るのは、なぜ?」

 個人情報保護法施行を目前に、区役所で住民票を大量閲覧する制度を「悪用」した名簿の流出事件が問題になっています。犯罪が起き、思想調査に使われる不安や売買は困ります。

 制度上は(徴税、自衛隊募集、料金徴収、企業が行うアンケート、報道機関の世論調査などの目的で)合法の住民基本台帳(住民票)の大量閲覧について、神戸市は新社会党の指摘に対し、一定の制限を設けることを表明しました。

 公文書公開と個人情報保護について長年、運動をしてきた中田作成さんが閲覧実態を調査した結果に基づいて、あわはら富夫市議が、16日の市会予算特別委員会で訊ねたことに答えたものです。

折からのNHKの自民党との癒着問題、制作費詐取事件と番組改ざん問題から、いまやウネリとなった受信料不払い問題と、この件がリンクしている(?)そうです。

「世論調査の目的」として閲覧した住基台帳が、料金徴収に転用されているのではないかと疑われるのもやむを得ません。そして、それは適法なのか、合法なのか、あるいは不適切なのか、それとも事実ではないのか?

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2005年3月15日(火)の井上力
神戸市が内閣府と異なる見解?

きのうの市会・予算特別委員会第3分科会は、産業振興局に対する質疑でした。

神戸市の「エンタープライズプロモーションビューロー」(土地販売促進部=部長は市長の予定)は、(1)神戸市の土地造成事業の成功のゆえの施策か、それとも失敗のゆえの施策か(2)大阪湾ベイエリアにどれほどの類似の土地があるのか(3)モノの価格が下がっているときに供給をふやすと価格は下落するという小学校で習った経済学は、間違いか、などを訊きました。

もう一つは矢田立郎・神戸市長の「2万人雇用」は、4年計画の3年目が終わろうとしているのに、実質達成率は50%なのではないか。ベンチャー創業から就業者確保や、企業誘致による雇用創出、ポートアイランド2期や複合産業団地の雇用拡大が特に遅れているのではないか。などを訊きました。

パートやアルバイトは、兵庫労働局の調査結果として34%をしめるにいたっていることが回答のなかででてきました。

派遣や再雇用も含め「景気回復局面」でも「非正規」の就業者が比率を増やしているため、実質時間あたり賃金は上昇せず、逆に低下しています。本会議でも触れた(5日)点ですが、内閣府の月例経済報告(『科学的社会主義』2月号、弓月祥子論文)から、グラフを紹介します。

www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei-s/0410.pdf より
(内閣府月例経済報告'04年10月)

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2005年3月13日(日)の井上力
人はいい酒が悪いだけだって

久しぶりに事務所を訪ねてこられたFさん、出したコーヒーを飲みながら
「寒いのう。みんな元気か。あんたは、お母さんが立派やったから、一人前に育ったし、エエトコへ就職できた。この頃のイヤな事件テレビで見てて、ホントそう思うで」

井上 エエトコ言うて、社会党でしたやん。文句言うたことありませんが月給4万円でしたよ
Fさん 社会党、立派なもんや。お母さんに感謝せなあかんで
井上 やっと最近、親を尊敬したり、感謝できるようになりました。きっかけは脳梗塞で倒れた1年前です。でも直後は、年寄りに晩の9時、10時まで晩ご飯を待たせるなんて、何という親不孝やったか、と反省したんですが、3日坊主でした。家族に迷惑かけて私はやっぱり夜は遅いです
Fさん イヤな、あの国会議員のことや。酒が悪いて、40にもなって。スリは手が悪い、婦女暴行は下半身が悪いって、ようカメラの前へ出てきて言いよるで。あんたがまともなのはお母さんのおかげや、感謝せなあかん

Fさんは明治生まれ、奥さんは在宅福祉センター(デイホーム六甲)開設時からの利用者です。たぶん、神戸市内の「在宅高齢者」のなかでも最長の利用者だと思います。Fさんもデイサービスに誘われて何度か行ったのですが、「フロに入れって、ネエちゃんも一緒なら」と言って逃げ帰った?そうです(介護士が笑ってすませたか大問題にでもなったのかはわかりません)。

さて、あすの『おはよう新社会党です』に載せた「市政をグラフで読む」は、前号に続いて介護保険関連です。

市内の「要介護等認定者数」と施設定員(単位:人)

'00年4月

'02年9月

'03年9月

'04年9月

要介護認定者数

26,040

42,728

48,261

53,700

うち要支援&介護1

10,596

21,994

25,680

29,619

うち要介護2〜5

15,444

20,734

22,581

24,081

施設定員計

5,067

7,940

8,571

8,749

     神戸市介護保険課の資料から抜粋して作成

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2005年3月6日(日)の井上力
川柳をビラの見出しにしてみれば・・・

かねてビラの見出しをかっこのいい俳句か川柳で決めたいと思っていましたが、とりあえず五七五七七にまとまりました。

あすの『おはよう新社会党です』の見出しは、「予算案すいすい国会とおったが負担拡大格差も拡大」です。新社会党灘総支部のホームページからご覧ください。ウラ面は毎月、吉田俊弘さんがつくっています。「市政をグラフで読む」は、介護保険について、です。以下のようなコメントをつけました。

介護保険は、「利用者が多すぎるので破たんするの?」過去5年の実態は、「供給にあわせて老化?」せざるを得ない高齢者の現実を浮き彫りにしています。「筋トレで在宅・自立・負担増」で問題は解決しそうにありません。

介護保険がスタートしてからの「サービス利用者」の増加傾向
(単位:人)

 

'00年4月

'01年9月

'02年9月

'03年9月

'04年9月

訪問介護

6,593

10,941

14,373

17,794

20,011

訪問看護

2,523

2,732

3,077

3,506

3,665

訪問リハビリ

128

199

255

268

267

特養入所

4,122

4,352

4,502

4,472

4,416

          神戸市介護保険課の資料から抜粋して作成

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2005年3月5日(土)の井上力
新たな飛躍という論理の飛躍

3日の本会議では、高齢者福祉計画と神戸空港問題を訊きました。神戸の福祉計画は、特養や老健など施設建設や在宅「支援」、児童福祉や障害者福祉、住宅や所得保障など、部分的にですが数値目標をかかげています。

「(介護保険実施後10年間の)後期5か年計画」について調査する予算が新年度、計上されており、小規模特養建設(5か所)もうたわれていることから、その内容や考え方をただしました。

空港問題の方は、需要予測、経済効果、財政計画など、開港が近づけば近づくほど従来の説明とのかい離が深刻になってきていることを指摘して、新年度は空港島の土地をどれくらい売却する自信を持っているのか、ききました。予算書には0.5ヘクタール(!)の売却が計上されています。

冒頭に、老年控除廃止を初めてとして相次ぐ実質増税政策について、「格差の拡大」「景気後退」という情勢を指摘しました。ジニ係についての議論もしたかったですし、平和行政と震災復興についての大原則も本当は訊く必要があります。

冒頭の部分は以下のとおりです。わずかな持ち時間のなかで、でもあえてこの部分に多くの時間をどうしても割きたいと考えました。以下のとおりです。1回目の質疑時間の半分を費やしました。市長の夢「新たな飛躍」は、以下のような状況の下で実現するはずがありません。当初予算案では「新たな飛躍」は不可能で「論理の飛躍」です。

 きわめて短かった景気回復局面は、終わろうとしています。過去の景気回復局面では実質生産性が上昇するとき、実質時間あたり賃金も上昇しましたが、今回は逆に下落したままです。バブル崩壊後も一定を保っていた労働分配率が低下し、賃金の下落、低所得者の増大、格差の拡大が顕著です。

 この傾向を緩和するのではなく、つまり所得の再分配による格差の是正ではなく、この傾向をいっそう加速させる政策を小泉内閣は強行しています。すでに老年控除が廃止された年に入っていますし、4月以降、毎年、国民年金保険料が引き上げられます。4月に雇用保険料が引き上げられます。6月、個人住民税で最大年33万円もの影響がある配偶者控除が部分廃止され、個人住民税均等割の対象が拡大されます。以下、9月は厚生年金、来年1月には国民から1兆2,500億円も奪い去る定率減税の縮小開始と、負担増が時限爆弾のように家計を直撃します。

 失業は統計上、減ったことになっていますが、不安定雇用、非正規でしか若者は仕事に就けず、中高年の就業も困難をきわめています。

 入所者の居住費と食費を徴収するという介護保険改正と、利用に1割負担を課す障害者自立支援法は国会審議中ですし、'07年には消費税を含む税体系を新自由主義型に抜本改定するとされています。

 さて市長は、このように市民に訪れる厳しい冬の暮らしを前にして、提案説明の冒頭で「新たな飛躍」をたてつづけに4度口にされました。活力ということばも3回でてきました。震災10年、空港開港、これに続くキーワードは昔ならたしかに「新たな飛躍」であり、「活力」だったかも知れませんが、いまの時代に激しい違和感を覚えます。

「新たな飛躍」が予定されているのなら、予算案の編成過程で、各局・各区からの要求額が一般会計では査定結果より低かったというような現象は、起こるはずがありません。職員がいきいきと住民要求を携えて予算を要求するのではなくて、住民要求がどこかで消えて自主規制のカタマリになってしまっている証しです。

 さらに平和問題です。平和のうちに生存する権利をうたった憲法のもとで暮らしているにもかかわらず、自衛隊はイラクから帰らず、主要政党が改憲案を出すとされています。有事法制・国民保護法制は、国のために住民が、どう逃げ、避難するのか、国が指示を出すための協議は必要ありません。むしろ現実的な危機である原発災害にヨウ素剤をどう蓄え、どう配布するのか、国に要求することの方が大切です。

 しかも今年は戦後60年です。3月と6月の神戸空襲60年であり、非核神戸方式30周年です。5月に国連総会がおこなわれます。これらを記念して神戸市長が平和と核兵器廃絶にむけた行動を市民とともに起こすべきだと思います。平和をつくる仕事は空港建設よりはるかに難しい仕事だと思いますが、これこそが「勇気」だと思います。平和行政で市長の姿が見えることが大切です。

 そして今ひとつは震災復興です。被災地生活実態調査にたずさわった学生が、自由意見欄をデータベースに入力していて、涙があふれ、手が動かなくなったと聞きました。「死にたい」という感想があまりにも多く書き連ねられていたというのです。この話を聞いて私も、少し反省しました。震災前は近所の町工場や商店に短時間でも働きに出て収入を得ることのできた人々が、復興住宅では同じ条件を見つけることができません。近所づきあい、買い物、外食、どれをとっても著しい環境の変化です。働く喜びや人の役に立つ喜びをどうすればつくり出せるのだろうか、後ろを区切るのではなく、未来を創り出す復興事業の再構築が必要です。

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