2005年2月の井上力
開港1年前?で閉店セールが始まりました

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2月27日(日) 予算案のキーワードは「新たな飛躍」
2月26日(土) 本を読む
2月23日(水) 需要がありすぎると裁判ざた
2月20日(日) スカイマーク空港?
2月13日(日) 底うった?新築件数
2月9日(水) 白羽カントクからのメール
2月5日(土) 闘病観察・11
2月1日(火) ライバルは岡山空港

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2005年2月27日(日)の井上力
予算案のキーワードは「新たな飛躍」

大事なことを書き忘れていましたが、3月3日の代表質疑、私が当番です。予算代表質疑は、久しぶりです。

神戸市の新年度予算案は、「神戸空港は成功するのか」という根強い疑念(正しい市民の疑いであり、成功しないだろうという推定)を打ち消すための予算案です。

財政当局は景気について「不透明」「不安定感」を強調していますが、一部の事業部局にこの意識はきわめて薄く、したがって(「従う」主客が逆ですが)市長も、予算説明のなかで冒頭、たてつづけに「新たな飛躍」を4度も口にしました。

「新たな飛躍」が、景気の先行き「不透明」「不安定」のなかで可能だとする予算編成は、市民の暮らしに大きなひずみをもたらします。ひずみは、すでに無視できないものになっています。明日の『おはよう新社会党です』に載せた「市政をグラフで読む」は、神戸市の税収(新年度で2,500億円)のうちの、市民税・個人分と市民税・法人分のグラフです。

  '01決算 '02決算 '03決算  '04予算 '05予算
市民税・個人 79,456 78,886 74,707 72,314 71,991
市民税・法人 22,384 20,749 20,223 19,057 24,542
神戸市会事務局『調査資料』NO.121より (単位・百万円)

法人減税と不況で市税収入は下がり続けていましたが、新年度は8年ぶりにアップします。個人市民税は市民の収入減のためで、増税なのにまだ下がり続けます。減税ではありません。

政府の「減税をやめる」「控除をなくす」などの増税政策は、健康保険・介護保険などの保険料アップを市民にもたらします。「取れるところから取る」増税は、「取れない階層」を強引に減らそうとするものですが、「それでも取れない階層」をますます増やします。

新年度、神戸市の生活保護費は700億円に手が届きます。市民税・個人分が719億円ですから、'06年度にはこれが逆転することは必至です。生活保護費の財源と根拠はまったく別にありますから、これらを比べる意味はありませんが・・・。

私が初めて市会に出してもらった頃('87年)、いまの市長が民生局庶務課長だった頃、「生活保護費が1日あたり1億円に、やがて達する」と、大騒ぎでした。それでも組んだ予算は多額の「不用額」を計上していました。

当時からすると、一人あたり保護費はさほど変化がなく、人口も同様なのに、完全に「2倍の生活保護費が必要なまち」に、なっています。市民がどんどん貧乏になっているなかで、神戸市が「新たな飛躍」を、仮に遂げたとして、どう市民生活にこれが波及するのでしょうか。

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2005年2月26日(土)の井上力
本を読む

旭堂小南陵さんが見つけた与謝野晶子の詩という記事を見て、感激しました。記事を読んだ吉田俊弘さんが「えらいなあ。もっと古本屋をまわらなあかん」と感想。吉田俊弘さんも自身のサイト内に「あんな本、こんな本」というコーナーをつくっています。

かつて雲内教会で牧師だった仲本幸哉さんが昨年末亡くなり、きょうお別れの会がありました。そこでも「本の好きな人だった」「本と活字の人生」などの思い出が語られました。

もう一つ、きょう本来なら参加すべきだった自治体労働者の学習会があって、その講師は坂牛哲郎さんでした。坂牛さんは「速読」ができるそうです。斜め読みではなく速読。「旧制高校では速読が当たり前だった」

いま私は3日の本会議代表質疑のために、本ではなく神戸市予算案を一生懸命、読んでいます。

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2005年2月23日(水)の井上力
需要がありすぎると裁判ざた

来年2月16日、地球温暖化防止条約の発効1周年という地球規模で記念すべき日に、大阪湾岸3つめの空港として開港する神戸空港に、最初に就航を表明したのはスカイマークでした。

いま、羽田空港の発着枠をめぐって、一時は合併の話しもあったエア・ドゥとスカイマークの間で熾烈な競争が行われているようです。単に羽田発着枠をめぐる競争ではなく、日本で3番目の航空会社はどちらかという、争いのようです。

1月26日、「エア・ドゥは、ANAの子会社ではないか」と東京地裁に国土交通省を相手取って提訴したのはスカイマーク。(毎日新聞など)

国土交通省と神戸市の間には、あの海上アクセス再開問題も浮上しています。目が離せなくなってきました。あすの「木曜コラム」には、この問題を書きました。

スカイマークによれば、神戸空港の需要予測は「上方修正」すべきだそうです。金持ちケンカせずどころか、「需要がありすぎるから競争が必要だ」という「正しい資本主義」。いや、需要がありすぎると裁判ざたになる?

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2005年2月20日(日)の井上力
スカイマーク空港?

今月の『おはよう新社会党です』は、毎月曜日に4回、駅をかえておこないます。4回とも神戸空港問題がテーマです。明日はその3回目です。

マイクでは、「需要予測もオーバー、経済効果の予測もオーバー、従って投資もオーバー。全てが過大なのです。過大投資に誇大宣伝。建設中でさえ雇用がなかったのに、雇用が増えるというキャンペーンもウソッパチ。ツケが市民に廻されることのないよう、24日からの市会定例会でがんばります」とうったえます。

関西空港と伊丹(大阪国際空港)の就航便数・国内線乗客数を、いつもの『市政をグラフで読む』に代わって掲載しました。昨年「関空救済」のための「3空港懇談会」がおこなわれました。その結論は、中部新空港の開港で早くも修正する必要が生じているようです。

温暖化の影響を待たずに自らの重みで沈下していく関西空港。その沈下する重力のせいか、関西財界の重荷となっています。空港が会社にとって経営に役立つどころか、広域にわたる自治体の財政を圧迫し、増資が回収できません。

名古屋空港のほぼ全面移転のセントレアと比べ、廃港予定だった伊丹が存続したばかりでなく神戸まで空港づくり・・・。関西3空港懇談会は伊丹へ逃げた国内線を関空に戻すこと、そして「伊丹を補完する」神戸空港に、「関空の経営優先」という役割を押しつけました。

13日と同様に神戸空港の乗客数の予測をしていたのですが、重大なミスがあって24日、数行削除しました。

神戸空港ではチケットカウンターの一番いい場所をスカイマークが取ったそうです(日経)。中部新空港が「トヨタ空港」と呼ばれているようですが、どうも神戸は「スカイマーク空港」の様相です。

加えて中部新空港の「成功」から、国際貨物専用空港にしようという議論が、また蒸し返されそうです。

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2005年2月13日(日)の井上力
底うった?新築件数

思えば来年のきょうは「神戸空港開港まで、あと3日」になっているんです。本当でしょうか。とてもそのようには思えません。「いまどきの神戸空港」をご覧ください。

 

国内線便数

国内線乗客数

中部新空港 93便 700万人(計画)
関西空港 38便 648万人(02年)
神戸空港 27便(計画) 319万人(無計画)

ある新聞記事と神戸空港計画によって上記の表をつくったのですが、関西空港の国内線年間着陸回数は'02年度で22,377回、つまり単純に365日で平均すると約61回、61往復便のようです。(国土交通省のサイト内のページPDF)関連する表現に誤りがありましたので、数行削除しました(2月24日)。

*** * ***

あすの『おはよう新社会党です』は、先週公表された「神戸市内の新設住宅着工戸数」から。以下のグラフです。いつものように、元のデータは神戸市企画調整局です。

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2005年2月9日(水)の井上力
白羽カントクからのメール

映画監督の白羽弥仁さんから、またまたメールをいただきました。

ゴジラやらウルトラマンやら、破壊、爆破ものの撮影は、ひろーい土地が余ってて、誰も入居していない「近代的なビル」が沢山ある神戸がぴったりのようです。これはホントに業界関係者が言うてました。
税金の無駄遣いが怪獣映画を豊かにしているとは皮肉です。

後ろを少し省略しました。映画はよく分かりませんが、“SHE’S RAIN”という白羽さんの映画は、神戸とか阪神(「阪神岡本は梅の名所である」という風に使われるときの阪神)を舞台にしています。先日、再上映会が行われ盛況だったそうです。

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2005年2月5日(土)の井上力
闘病観察・11

映画監督の白羽弥仁さんから、ある情報をいただき神戸フィルムオフィスのサイトを調べたら、とんでもないものを見つけてしまいました。http://www.feel-kobe.jp/cont/cont00/topics-03.htmどうお思いですか。

再生フォーラムの高田富三さんからは、「新交通の増資がまるで足りない」という記事(『日経』)についてのメールをいただきました。三井住友は増資せず。8億4,100万円の第三者割当増資のうち何と実に6億3,000万円を神戸市が出資するというニュースとその解説です。財政難のなかで出資しない銀行から有利子で借りて出資するウルトラぶり。ウルトラ光線は市民に向けられています。

*** * ***

私の母が脳梗塞で倒れ10か月たちました。さいたま市にいる(私の)姉が花を詠んだ俳句をハガキに書いて入院中毎日、送ってきていたのに答えて句を詠んでいるようです。

姉のハガキには姪が描いた花や野菜の絵がついていました。このやりとりは、どうも時間をかけてもサマにならない私の川柳への警鐘なのかもしれません。

脚の方はともかく、手を動かす部分のシナプスは怠け者が多いようです。週2回のデイケアと週1回の訪問リハビリ、加えて毎日計画的に手足の運動を自分でしています。

早死にした駅長の一人娘として戦中、「働く女性」をめざし、戦後31歳で夫と死別したあと、姉と私を育てた過程も「意志の強い人」でした。退院後もヘルパーや、ろっこう医療生協のケアマネージャーらが「がんばり屋さんですね」と言ってくださいます。

たぶん戦後復興の担い手として無数にいた母のようなタイプの人間と一線を画しておきたいというのが、私のこれまでの人生でした。

諏訪中央病院の鎌田實さんの「がんばらない」に傾倒している者としては、論理矛盾かもしれませんが「でもシナプスたち、がんばれ」と声をかけてしまいます。

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2005年2月1日(火)の井上力
ライバルは岡山空港

1月30日(日)5日、日を訂正しましたの『神戸新聞』が1めんトップで「神戸空港駐車場、無料」と報じました。岡山空港が無料であり、そのライバルとして名乗りを上げる神戸空港らしい方針です。

『神戸新聞』には伊丹や関空、そして新幹線と対抗し、岡山空港から客を取るために、市が決断したと報じられています。ちなみに岡山空港は山のなかの産業団地と隣接した元山林で、神戸空港は平均分譲価格平米あたり27万円という人工島です。

空港駐車場を経営するターミナル会社に、ポートアイランド2期などと同じく「貸して、やる」方式です。これなら乗客以外の駐車料(1台500円)がターミナル会社にプレゼントされ、ターミナル会社への増資(面積かける27万円。1ヘクタールで最低27億円)が要らなくなります。

増資は神戸市だけでなく民間企業が出資割合に応じて出す予定でしたが、これなら全額神戸市民負担です。かくして民営化大好きな人々が公営神戸空港ターミナルをつくるという結末です。

「公費は支出しない」という決議があり、市長が会社に土地をタダで貸すのは、たしかに「支出」ではないのです。

恐ろしいのは空港島の造成費がまかなえないということです。ターミナルビルも資金不足から「土地の使用許可」となりました。駐車場にもついに「値がつかない」のです。駅前の一等地がタダなのに、駅から距離のある産業用地を平米27万円で買う奇特な企業があるでしょうか。疑ってはいけない。そんなことはありえません。

(1)商店街は郊外型の店に客を奪われ続けており、公共施設が撤退した跡地を駐車場にしてほしいと要望しています。神戸市は商店街が跡地を購入すべきだとしています。

M・Tさんという方から「六甲道駅のバスターミナル地下に駐輪場をつくって、道路を占拠する有料駐輪場をなくし、道路を開放してほしい」という要望をメールでいただき、お話しもしました。

本来、鉄道事業者がつくるべき駐輪場を、市民は税金で鉄道事業者に土地代を払って「駐輪場を設置させてもらっている」状態だから、地下駐輪場をJRがつくるとは思えないし、神戸市がこれ以上JRに駐輪場をプレゼントするのは、市民が納得しないのではないか、とお答えしました。

(2)駐輪場は自転車で80円か100円、バイクで160円か200円です。通勤通学の毎日通う市民からはカネを取って、出張・商用などジェット機の客には無料。整合性がありません。

(3)タクシー会社は「give us wing」というステッカーを貼って空港賛成運動を業界あげて担ってきましたが、マイカーに乗客を奪われないのでしょうか。ポートライナーは延伸・複線化工事中ですが、マイカーに乗客を奪われても倒産しないでしょうか。

(4)「伊丹は遠くて不便だから」神戸空港が必要だとしてきた従来の説明が、「伊丹より駐車場を安くしないと客が来ない」という本音の吐露に変わっています。