2006年11月の井上力
久しぶりに闘病観察を載せました

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11月26日(日) 逆ギレ・虐履歴・逆履歴
11月23日(木) 闘病観察・15
11月13日(月) 神戸空港の搭乗率また減少
11月12日(日) 学長の問題な日本語力
11月9日(木) 主語はだれか
11月5日(日) 闘病観察・14

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2006年11月26日(日)の井上力
逆ギレ・虐履歴・逆履歴

チッソが患者から訴えられている損害賠償請求について、時効を理由に請求の棄却を求める準備書面を提出していたそうです(『朝日新聞』)。フェロシルトの石原産業もそうですが、公害企業の懲りない体質を痛感します。

時効は、捜査が困難になってもなお捜査し続けるというのは社会的損失だということや、被害者の恨みの持続性などに由来しているそうです。憲法はリンチ(私刑)を禁じていますし、恨みという内心の問題と社会的規範、そして刑罰の関係は難しい問題です。

神戸市は、履歴詐称だとして、大学や短大を卒業していたことを神戸市が気づかず、「中学・高校卒」を対象とする募集で採用した職員から聞き取り調査をしています。24日の総務財政委員会で私を含む4人から質問が行われました。発端は教育委員会の調理師で、すでに14人が免職となっています。

全国的には青森県で懲戒解雇、尼崎市で免職という例があるそうです。聞き取り調査の対象とされた5,000人のうちのある職員は「あなたがウソをついたときは懲戒解雇です」と課長から言われ、「がっかり。本当にやる気をなくした」と怒っていました。

いま85歳の元職員は、「戦争で大学が繰り上げ卒業だとか、まともに勉強できる環境になかった時代から長い間、吏員・雇員という差別採用の仕組みがあり、いまも役所は学歴社会、いや学閥社会」と批判しておられました。脅迫的な聞き取りを進める行政のねらいがどこにあるのか、わかりません。

(1)採用した側の責任はないのか

(2)「その試験で落ちた人にとって不利益を与えた」というが、「時効」ではないのか。それほど市の職員はそれぞれ採用されたことが市民から恨まれているのか。また職員に対して課長が、課長級に対して部長が「捜査権限」を持っているとは思えない

(3)大卒と中・高卒で給与体系も違う。補てんを求められるのではないか。免職処分の法的根拠はあるのか

(4)調査前の諭旨免職は、訴訟に耐えられるか。調査後の懲戒解雇は訴訟に耐えられるか

(5)脅迫めいた「聞き取り」が職員の志気を奪わないか

など、大いに疑問です。職員集団が密告や裏切り、不信の集団にならないよう、祈るばかりです。

また、免職になった人々はみな、「勤務成績は良好」だとも神戸市当局は述べています。免職になった、これからなる人々は、やりきれない思いをしておられるのではないかと思います。それこそ恨みを持つのは当然です。

私は大学を中退していますが、それをもって非難されたり不利益な扱いを受けたと感じることは、幸い、きょうまでありませんでした。もっとも卒業した人々と同じような就職は、かないませんでした。学歴差別がなくなっていくべきだと思いますし、今回の「逆履歴詐称」問題は履歴を虐待する「虐履歴」であり、学歴差別復活の伏線だと思います。市幹部の「逆ギレ」ではないかと思います。

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2006年11月23日(木)の井上力
闘病観察・15

定例会がきのうから始まりました。'08年度から、75歳以上(後期高齢者)の健康保険を県単位でつくることになっています。神戸市の資料12ページ以下をご覧ください。

「その心身の特性や生活実態等を踏まえた」制度・・・という触れ込みで、広域連合がつくられ、診療報酬についても検討されています。「社会的入院」を排除し、医療と介護を分離し、ついに「応益・応能」保険料は全国の平均で月額6,200円だそうです。患者負担も当然のようにあります。1割、あるいは3割。

病気になると「益を受ける」という、おかしな制度です。「特性を踏まえ」れば、「治らない」「治りにくい」「治っても老化を止めることはできない」ことを前提に保険財政を維持しようというのです。

ところで私の母は、「打撲、見えない骨折、血液を薄める薬の服用による内出血の長期化という3つの可能性」で、4日に緊急入院を認められ、9日から17日までは老健のショートステイ、17日に退院しました。(お世話になった皆さん、ありがとうございました。お見舞いに来ていただいた皆さん、ありがとうございました。)

何とか自宅で「日にち薬」という「益」を受けています。この受益には負担がありません。しかし、医療保険や介護保険の制度上で表現すると、次のようになります。

さいたまから2度にわたって姉が来てくれましたが、来なければ「益」だったでしょうか。来週から当分、昼はほぼ3時間おきに訪問介護という「益」を受けます。

家族が日中、仕事に出ることができるという「益」を受けているのだと反論されるかも知れません。一般に「家族が仕事に行ける」のは「受益」でしょうか。(まだ短期間なのでまるで苦痛ではありませんが)夜中にトイレへの介助をすることは、たしかに親孝行ができているという達成感はありますが、その親孝行ができるというのは「益」でしょうか。

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2006年11月13日(月)の井上力
神戸空港の搭乗率また減少

『産経』が神戸空港の10月末までの搭乗率を報じました。わが「いまどきの神戸空港」では、昨日、スカイ便について、つまり東京便の一部についてだけアップしました。夏の間ドル箱だった那覇便などが激減し、全体では3.2ポイント減少したと『産経』は報じています。

10月の平均搭乗率62.4%に減少
神戸空港利用状況

 神戸空港の開港(今年2月)から10月末までの利用客数は194万3581人で、全7路線の平均搭乗率は63.8%となった。神戸市のまとめで、10月の1日平均の利用客数は7595人で9月の8086人から減り、10月の平均搭乗率は62.4%と9月の65.6%から減少した。

 開港から8月末までの平均搭乗率は63.7%で、月別にみると、開港直後の2月の76.7%から6月には58.5%、7月は55.4%と下降が続いたが、観光シーズンが本格化した8月の65.8%以降は盛り返していた。

 10月の路線別の搭乗率は、新千歳83.6%▽仙台49%▽新潟44.8%▽羽田69.1%▽熊本37.9%▽鹿児島43.3%▽那覇49.4%−だった。夏の観光シーズンが終わり、前月に比べて新千歳(前月89.1%)、仙台(同57.7%)、那覇(同71.2%)が大きく減少した。

ビジネス便であるスカイマークについて言えば、9月より盛り返しています。今年は10月の「神戸観光ウィーク」は3年目。ウィークと言いながら今年は18日間。学力低下か「問題な日本語」か、はたまた訳の分からんカタカナ語の常か。観光ウィークでも神戸空港の観光路線の乗客は減ったようです。

もっとも、神戸市国際文化観光局に尋ねればきっと、「観光客が減る時期なので、そこに観光ウィークを設定したのです」という回答が返ってきそうです。

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2006年11月12日(日)の井上力
学長の問題な日本語力

教育基本法を総替え(関東では「全とっかえ」と言うようです)する「改正案」が今週にも衆議院を通過するかも知れません。

八戸でのタウンミーティング(9月2日)の様子を、「議事要旨」の他にMediaPlayerやRealPlayerで聴いてみました。まことに便利な時代になったもので、議事録や要約を文書化したものより、口調などで、いかに大臣など回答者が国民を小ばかにしているかがはっきり聞き取れます。

あすのビラに某学長の「回答」の一部を紹介しました。文書にしてしまうと、この国の「教育者の教育者」が教育というものをどう勘違いしているのか、微妙に、表現できませんが、次のような部分です。緑っぽい色の字は学長発言です。

●教育基本法は時代からずれた部分変えなきゃならない。当時は高校に行かない時代だった。教育基本法には大学のことが触れられていない受験競争はちっちゃなこと「受験競争はちっちゃなこと」?

●開かれた愛国心ですよ。国を愛するあまり反政府運動をするのもいいじゃないですか。私は好きじゃない、私はおとなしいヒトですからネ。「国を愛するあまり反政府運動をする」・・・2.26事件も美化される時代になってしまっています。学長ともあろう者が「私っておとなしい人なんだからァ」は、ないと思います。

『問題な日本語』の挿絵で「私って朝が弱い人なんだからァ」と女性が言い、上司が「ンなこと知るか」と言っていました。学長にして中央教育審議会委員は「問題な日本語」を使います。

●学力調査嫌いな人多い。でも実態押さえなきゃ、そのために必要。学校はいろんなことを子どもたちに分からせ、できるようにさせるのが目的。学力調査は好き嫌い?「学力調査の意味を分からせ、喜んで学力調査を受けることができるようにさせ」てみてください。論理的に考えてこれが不可能であることを、中央教育審議会や「教育者の教育者」に学習させなければならない国民の苦労たるや大変です。

私がお聞きする子どもを持つ父母の心配とは全然違うのです。もっとも会場からの質問は、内閣府の「お願い」空しく棒読みあり、他人の言葉あり、ですが、「教育基本法はできて時間がたった」という発言もちゃんとありました。

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2006年11月9日(木)の井上力
主語はだれか

米・中間選挙とラムズフェルド長官の辞任、沖縄知事選挙での糸数ケイコさんの奮闘、ニカラグア大統領選挙・・・いろいろニュースがありました。

神戸市建設局から昨日付ででた文書も「いいニュース」なのでしょう。標題は「スカイマークスタジアムでの阪神球団の主催試合開催について」。次のように書かれています。

平成19年のスカイマークスタジアムでの阪神球団の主催試合開催の件について、下記のとおりとなりましたのでお知らせいたします。

1.公式戦

甲子園球場の改修工事に伴い、10 月1日以降に開催される公式戦(予備日程)については、スカイマークスタジアムを使用する。

2.ポストシーズンゲーム

セントラル・リーグが初めて実施するポストシーズンゲームについて詳細は決定していないが、阪神タイガースがポストシーズンゲームで主催試合を開催する場合は、スカイマークスタジアムを使用する。

3.オープン戦

スカイマークスタジアムで開催されるよう要請し検討をいただいている。

きのう日程を発表したのはセ・リーグです。交流戦の日程が発表されたのは11月7日。パ・リーグの日程は未定のようです。

さて、上記の「公式戦」の主語はありませんが、文脈からすると「ポストシーズンゲーム」の主語と同様、「阪神タイガース」です。「オープン戦」の主語は神戸市のようです。

さらに問題は「スカイマークスタジアムを使用する」という表現はいかにもお役所風で、「すべて」とは書かれていないのです。

オリックスがダブルフランチャイズを解消する'08年度を目前に、来年、神戸では、一体どこが野球をするのか・・・。セリーグがきのう発表した日程では4月17日の<巨人−広島>だけとなっています。もともと、大阪ドームで組んでいた試合をオリックス(大阪ドームのオーナーにしてバファローズのオーナー)が「譲歩」、読売主催試合が神戸へ来ることになったようです。

井戸敏三・兵庫県知事が乗り出して「オリックス以外の試合を神戸で」と旗を振ったことに「応えた」という事情がありそうです。そこで「1」と「2」が約束されました。しかし「すべて」ではありません。

ポストシーズンゲームはパリーグと同様だとすれば、タイガースが予定どおり優勝で3〜5試合、2位だと2〜3試合です。

さて、来年セリーグが開幕する3月30日という日は、統一地方選挙の告示の日です。これが一番大きなニュースです。


2006年11月5日(日)の井上力
闘病観察・14

久しぶりに「闘病観察」です。私の母87歳が久しぶりに、「観察」どころではない状態になりました。

10月31日の夕刻、部屋のなかを歩いていてドスンと尻もちをついたそうです。私が帰宅したのは午後9時ごろ。その日はいつものように食卓に着き、「きょうはお風呂をやめておく」と言いました。尻もちをついたあと、1時間ほども座り込んだままだった、電話をかけようにも電話の場所まで動けなかったそうです。

翌日、妻が休んで念のため、診療所へ行くことになりました。訪問リハビリの中村先生に、押さえてもどこも痛いところはないと、いつものリハビリ療法の一部をしてもらったあと、六甲道診療所で谷口敏光先生の診察を受けました。

ことが徐々に悪化してきたのに私たちが気づいたのは11月1日の夜でした。腰掛けにかける姿勢だと痛みが激しく、晩ご飯に2時間もかかってしまったというのです。思わず大声を出してしまいました。辛抱強くガマンするのが一番よくない。楽な姿勢で食べるなり、残せばいいではないか、と。

その晩と2日の晩は私が1階の母の部屋に泊まり、3日は妻が泊まりました。この頃までは、痛みはあったのでしょうが、自分で車イスに乗り、トイレへ行って用を足していました。しかし3日の夜、ついにトイレの便座に座る姿勢だと激痛が走る状態に。まことに健康曲線は景気と同じで急降下した曲線は恐慌を意味し、改善する曲線はほとんど水平線のようになだらかです。

4日に六甲道診療所を訪ねて、緊急入院の紹介状を書いていただきました。つまり、きのうから母は生まれて2度目の入院生活に入りました。きょうは姉(母の長女)が、さいたま市からかけつけてくれました。

谷口先生の診察どおり、レントゲンとCTの結果、病院の医師も3つの可能性を指摘しています。このうち「脳梗塞予防の服用の結果、血液が薄められていて、内出血が長期におよんでいる」という所見は「これは科学」という気がします。

制度上完備している「民間救急」や「救急センター」の実態も改めて知りましたが、怒り心頭に発したのは、例の介護保険です。6月2日に母の要介護度が2から1になったこと、県の介護保険審査会に審査請求することを、0606inouetsutomu.htmに書きました。一部訂正

6月28日に審査請求し、1か月後に神戸市から弁明書の写しが到着、反論を留保し、9月22日に口頭陳述をしました。その結果、兵庫県介護保険審査会が裁決したのは、何と上記、母が尻もちをついた10月31日だったのです。裁決は予想内!「棄却」でした。

要介護度にあわせて人間は老化できるか?

この回答は明白です。母が尻もちをついたのは要介護1になったからではありません。要介護1にふさわしく「歩いて屋内歩行が可能」な状態にはほど遠かったのです。(つづく)

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